6時間、7時間、8時間...「この睡眠時間が一番良い」と主張する研究結果は、毎年のように目にします。米紙『The Wall Street Journal』がいくつかの研究結果をまとめた記事によれば、どうやら最近では、7時間睡眠が最有力候補のようです。

The Wall Street Journalは何種類かの研究を検証していますが、ここではそのごく一部をまとめています。

「死亡率と疾病率がもっとも低いのは、7時間睡眠です」とアリゾナ州立大学フェニックス校の看護医療イノベーション学部で教授を務めるShawn Youngstedt氏は述べています。眠りすぎの影響を調べているYoungstedt氏によれば、「8時間以上の睡眠は危険であることが、一貫して示されている」そうです。(後略)

(前略)カリフォルニア大学サンディエゴ校の名誉教授で精神医学が専門のDaniel F. Kripke氏は、大規模ながん研究に参加した110万人分のデータを6年間にわたって追跡しました。それによれば、睡眠時間が6.5~7.4時間の人の死亡率は、それよりも短い人や長い人よりも低かったのです。2002年に学術誌『Archives of General Psychiatry』で発表されたこの研究では、使用薬などの32の健康要因を考慮したうえでデータが調整されています。(後略)

(前略)学術誌『Frontiers in Human Neuroscience」』に昨年掲載された研究では、脳力トレーニングサイト「Lumosity」のユーザーから得られたデータが使われています。この研究では、空間記憶テストと関連付けテストを受けた約16万人のユーザーと、暗算テストを受けた約12万7000人のユーザーを対象に、自己申告で報告してもらった睡眠習慣を調べました。その結果、認知力は睡眠時間が増えるほど高くなり、7時間をピークとして、それ以上の睡眠時間では低下することがわかりました。

とはいえ、この種の研究結果はだいたいそうですが、これも精密科学ではありません。ですが、ちょっと時間をとって自分の体で実験してもかまわないという方なら、自分にぴったり合った睡眠時間を突き止めることができます。

専門家によれば、3日から1週間ほどかけて実験をすれば、自分にぴったりの睡眠時間がわかるそうです。できれば休暇中に実施するのが理想です。目覚まし時計を使ってはいけません。疲れたら眠ってください。カフェインやアルコールの摂りすぎは避けます。ベッドに入る2時間前から、電子機器には触らないようにしてください。実験の期間中、日記やデバイスに実際の睡眠時間を記録し、眠りの習慣を追跡します。日中に気分爽快ですっきり目覚めていられるなら、それがあなたに最適な睡眠時間と考えられます。

前にもお話ししたように大切なのは自分にとってベストな睡眠時間を知ることです最近の専門家の意見によれば、6時間から9時間のあいだで睡眠をとるのが良いそうです。ですから、とりあえずその範囲内で、できれば7時間に近い睡眠時間を目標にすると良いでしょう。

Why Seven Hours of Sleep Might Be Better Than Eight | The Wall Street Journal

Thorin Klosowski(原文/訳:梅田智世/ガリレオ)

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