99U:仕事に完璧を求めると、終わりなき「創造と嫌悪のループ」にはまってしまいます。米Fast Company誌のRebecca Greenfield氏が、高名なアニメーター宮﨑駿氏が「完璧主義の罠」をいかに克服しているかについて紹介していました。

創造とは華やかなプロセスではありません。それどころか、いつも失敗の念に悩まされることになります。宮崎氏のファンなら知っているとおり、偉大な古典とも言える彼の作品は、どこにも失敗など見あたりません。しかし、宮崎氏のような完璧主義者は、自分の作品の欠陥ばかりを見てしまいます。では、後悔の念にとりつかれずに創造し続けるにはどうすればいいのでしょうか? 唯一の道は、勇気を出して次のプロジェクトにとりかかることです。

Greenfieldさんは、この問題に関する宮崎氏のコメントを引用しています。

映画作りとは、自分の仕事を永遠に後悔し続けることです。後悔の念は作品が完成するとすぐにやってきます。自分たちが作った映画を見ると、失敗したところばかりが目についてしまいます。普通の目では見れません。私は自分の作品を二度見たいと思ったことはありません。次の作品にとりかかるまでは、前作への後悔から決して解放されないのです。これは本当の話です。次の映画にとりかかるまで、前作のことを2年も3年も引きずってしまいます。

あなたが仕事で完璧を追い求めるタイプなら、最善の道はすみやかに次の仕事にとりかかることです。新しいプロジェクトに取り組めば、終わった仕事のことをいつまでも考え続けることもなく、トライ&エラーによる学びを積み上げていけます。

次のプロジェクトは、常に前のプロジェクトより改善されることになります。完璧な作品ができたとは思えなくとも、自分の仕事を改善できているとは感じられます。「次のプロジェクトに取り組むこと」。これが、完璧主義の罠から脱するために、宮崎氏が教えるレッスンであり、私たちがとりうる最善の策です。

Escaping the Trap of Perfectionism|99U

Tanner Christensen(訳:伊藤貴之)

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