スマートウォッチを紹介するのに「時計らしい」と表現するのは、矛盾しているようにも思えますが、ご紹介する「Martian Victory Watch」は、落ち着いたデザインで、時計らしいスマートウォッチです。

時計らしいと表現する理由は、いまのスマートウォッチが、時計とはかけ離れたデザインだったり、らしくても、カジュアル過ぎるデザインだったりと、つけるシーンを選んでしまうものがほとんどだからです。この点で、Martian Victory Watchは、つけるシーンを選ばないデザインのスマートウォッチです。この時計は、他のスマートウッチにはない、ボイスコマンド機能ハンズフリーフォン機能も持っており、見た目だけでないところも特徴です。

1週間の出張に持ち出して、iPhoneとの組み合わせで使っていたので、良いところ・悪いところの切り口で、Martian Victory Watchをご紹介します。それでは、Martian Victory Watchの良いところからです。

良いところ

・スマートフォンとのリンクが安定して動作する

時計らしいと言えば、COOKOO Watchもそうで、お気に入りでしたが、私のは初期ハードウェアのためか、接続アプリがリニューアルされた頃から、iPhoneとのリンクが不安定になり、実用に耐えない状態でした。

これと比較すると、Martian Victory Watchのリンクは非常に安定しています。リンクが切れても自動的に再接続されますし、そうでなくても、Bluetoothを接続する手順で再接続すれば、ストレスなく使えます。また、iPhone用の接続アプリもシンプルな造りで、安定して動作しています。

・明るく日本語表示可能なディスプレイ

角張ったステンレスケースの中には、アナログ時計と96×16ピクセルの有機ELディスプレイが封じ込められています。このディスプレイには、電話やSMSの着信、カレンダー、リマインダー、新着メール、Facebook、Twitterの通知を日本語で表示できます。たとえば、電話の着信があると、電話が振動して、ディスプレイに着信相手の名前を表示するので、時計をチラ見するだけで、誰からの電話か確認できます。

・安心のUSB充電と意外と長持ちするバッテリー

ケースの横にUSB端子があり、これで内蔵バッテリーを充電するので、専用の機器を使う必要はありません。

私の場合、満充電で使い始めてから4日目の夜で、バッテリー残量が乏しくなってきたので充電を行いました(この時、バッテリー不足のアラートは出ていません)。通知頻度によっても変わると思いますが、私の使い方であれば、週に1度、週末に充電すれば、平日は充電せずに使える印象です。

悪いところ

・ボイスコマンドを使うには、ヒーローばりの勇気が必要

時計のボタンを押すと、Siriを呼び出すことができ、ケースにあるスピーカーとマイクで、Siriを操作できます。

これは悪いところではありませんが、腕につけたデバイスに話しかけるのは、テレビの戦隊特撮ヒーローものでしか見たことがないので、実際の街中で使うのには、それこそ、ヒーローばりの勇気が必要になるはずです。

マイクとスピーカーは、ハンズフリー通話にも使えます。外で使うと通話が筒抜けになりますが、屋内やクルマの中では、ハンズフリーフォンとして便利に使えました。

・時計らしいからこそ秒針が欲しい

Martian Victory Watchのケースは、時計らしく前面がメッキ、サイドがヘアライン仕上げで、この中にアナログ時計が入っています。ただ、残念なことに秒針がありません。バッテリーの消費を嫌って省いたのかもしれませんが、チクチクと動く秒針をぼんやり見るのもアナログ時計の味なので残念です。

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・その場限りの通知

通知なので当然ですが、以前の通知は確認できません。通知がすぐ確認できるように、腕に、こうしたデバイスを付けているワケで、以前の通知を確認したいのは矛盾していますが、何かの最中だと通知を確認できないこともあります。直前の通知だけでも、ボタンひとつで振り返ることができれば、利便性が高くなるはずです。

これは「悪いところ」に含めていませんが、価格が3万4650円と高価なのは悩ましいところです。腕時計と考えれば、高級な部類には入りませんが、IT機器として見れば、Nexus 7を購入してもおつりがくる価格なので、欲しいと思っても思い留まる方もいるかもしれません。

私は、WIMM One、COOKOO Watchのスマートウォッチを使って来ました。これらと比較すると、Martian Victory Watchは、高い質感でアクセサリーとしての側面を持っているスマートウォッチです。日本でも販売されており、amazonでも購入することも可能です。質感の高いスマートウォッチが欲しいと考えている方は、検討してはいかがでしょうか。

Martian Watches

(傍島康雄)