誰かが実践して効果があるやり方なら、自分にも効果があるかもしれません。生産性に関する情報はこれまで何百も紹介してきましたが、どうやら自分の生活に取り入れる時が来たようです。

しかし、無意識に行動している習慣を直すことはできるのでしょうか? 今まで人に説いてきたことを、1週間真剣に実践したら一体どうなるのでしょう? いわゆる生産性向上系のハックが本当に身につくのでしょうか?

これから書くのは、私がこれまでアドバイスしてきたことを実際に1週間実践して起こったことです。

課題その1:目覚まし時計無しで起きる

目覚まし時計のアラームで起きるのは気分が悪いです。スヌーズボタンを使うと頭が混乱することもあります。体を起こすと覚醒ホルモンが起動します。仰向けに寝たらリラックスというメッセージが送られます。この2つの信号が体に送られることで、頭が朦朧とします。

このようなアドバイスをしていたのに、私は今だに平日は毎朝7時45分に目覚まし時計のアラームをセットし、週末は朝10時まで寝ていいことにしていました。自力で起きれるようになるには、毎朝同じ時間に目を覚まさなければならず、そのためには、睡眠が十分に取れる決まった時間に毎晩寝るようにしなければなりません

【結果】

大事な仕事に遅刻したり、寝坊するリスクをおかしたくないので、一応目覚ましは毎朝セットしています。しかし、使わなくて済むことを期待して、朝8時にセットしています。(平日も週末も)

それまでは、毎日目覚ましが鳴る前に目が覚めることはなかったのに、目覚ましがなくても毎朝7時30分~45分くらいに目が覚めるようになりました。習慣形成アプリ『Lift』を作ったTony Stubblebineのやり方に倣うのがポイントです。

爽快に目が覚めるようになるには、これまでスッキリと目がさめた時にどんなことをしていたかを、正確に理解する必要があります。その時のことを念頭に置きながら、朝はベッドから出て、シャワーを浴びたら、ヨガをするという習慣が身につけました。歯みがきをしている間に、頭が意識を覚醒させるようになったのです。今ではこの朝の習慣のお陰で勢いがついています。

課題その2:毎日瞑想する

マインドフルネス瞑想は、今この一瞬に集中する感覚をつかむ訓練ができるという意味でも、素晴らしいものです。ジャーナリストにとって、ある程度まとまった文章を書くために集中力を保とうとしている間も、常に雑多な情報が入ってきて気が散ってしまうのは大きな問題です。私は4年間瞑想を断続的に続けてきましたが、今回は毎朝起きてすぐに座って瞑想するのを仕事の一部として1週間続けようと思いました。

【結果】

毎朝5~20分座って瞑想しました。インタビューでの質問、チャプタの見出しなど、心配ごとが頭の中に浮かんできます。少しの間その心配ごとや考えを追いかけた後で、自分が呼吸を保つのを忘れていたことに気付きました。それで私は、"思考"というのは、頭の中に浮かんでくる考えを追いかけ、良いとか悪いとかラベルを付けることだと思いました。そうしていることに気付いたら、再び呼吸に意識を戻すようにします。

5分しかやらない時と20分やる時の違いはかなり明白です。私は自分の頭がスノードームのように感じることがよくあります。一度振ると、そこら中に考えという雪が降り始めるのです。そういう時は、思考の雪が地面に落ちるまで時間がかかるので、より長く座って瞑想しました。朝いつもより長く瞑想をした時は、1日中いつもより頭が冴えていました。

課題その3:机から離れて昼ごはんを食べる

職場の机に座ったままでお昼ごはんを食べる、という悲しい経験は誰にでもあるのではないでしょうか。私なんて朝ごはんも机で食べているので、クロワッサンのパン屑がオフィスのイスにこびりついています。そんな時は「ちょっと、ピザを口に入れながら仕事の検索も同時にしてるんですけど!」と自分に話しかけるのが効果的です。そんなの体に良いはずがありません。仕事をしながらしかお昼ごはんを食べられないような生活であれば、そのうち燃え尽きてしまいます。

私のようなフリーランスの場合は、同僚は周りではなく画面の向こうのチャットウィンドウにいます。仕事し過ぎかなと感じた時は、少し社会性を取り戻す必要があるので、お昼ごはんくらいは机から離れて食べるようにしています。

【結果】

私は仕事中の息抜きにヨガスタジオに行くこともあります。午後のひと時に体を動かしつつ、人ともふれあうことができます。また、雪の中を長めのお散歩に出ることもあります。締め切りやインタビューや、他にもやらなければならない事がある上に、お昼ごはんも誰かと一緒に食べるのはかなり大変です。しかし、友だちとランチをする時間だけは捻出するようにしました。

社会性が欠如しているのをさておき、ランチなんてただの昼休憩だと考えている人は、この言葉を肝に銘じてください。お昼時に机を離れて外を歩いたら、ランチタイムの間にパワーが充電されて、午後にはもっとエネルギッシュに仕事ができます

課題その4:仕事のある日に運動をする

今や生産性のグルとも言われているティム・フェリスさんに「僕も君と同じような働き方をしてるけど、運動で心身共に刺激と元気をもらって回復しているよ。君も運動した方がいいよ」と言われていたにも関わらず、私は全然運動をしていませんでした。

1日中執筆したり、何かを読んだり、インタビューしたりしていると、1日の終わりには頭がヘトヘトに疲れているのを感じます。これでは、怠けている時よりも仕事の質が下がり、思考のスランプに陥ります。それで、1日の合間に少し体を動かすようにしました。

【結果】

仕事の合間にヨガクラスを受けるのをスケジュールに組み込みました。毎日その日の急ぎの仕事が終わったら、近くのヨガスタジオに駆け込むのです。すると、午後は午前よりも気分が爽快でした。毎回電話インタビューをヨガに振り替えることはできませんでしたが、それでも週に3~5回はヨガクラスを受けることができました。

ウェイン州立大学のNeha Gothe准教授が、なぜヨガをするのがいいのか教えてくれました。ヨガをやった後は、サイクリングやウォーキングをした後よりも、認知的パフォーマンスがより高かったということが判明したのです。「ヨガはただの身体的な運動ではありません。運動と共に呼吸やマインドフルネスになる状態があります。それで意識を高く保つことができるのです」

1週間やってみて分かったこと

これらの生産性向上アイデアをすべて1週間やってみて、私は自分のルーティンをもっときちんと守りたいと思うようになっていました。朝20分瞑想をした後は、意識がかなりクリアになると感じるので、ルーティンに取り入れたいと思います。そうすると、いつもより早起きしなければなりません。そこで目覚まし時計には再度登場してもらうことにしました。お昼ごはんを誰かと一緒に食べると、とてもエネルギーが満たされるので、1人でご飯を食べるのは減らそうと思っています。

誰もが聞きたいのは、このような行動が私の仕事にいかに貢献したかということでしょう。私の目標が、1週間で大量の記事を投稿することであれば、机から離れないようにすると思います。しかし、私は書く本数は減らし、より中身の濃いものを書きたいと思っているので、考える時間が持てる環境を作ることがとても大切です。

哲学者で小説家のギュスターヴ・フローベールはこのように言っています。「日常生活を一定で規則的にしなさい。そうすればあなたの仕事はより強烈で独創的になるでしょう」私が自分の心身のケアにより時間を割けばさくほど、私の書く記事はもっと強烈で独創的になるかもしれません。どうかお楽しみに。

Followed My Own Productivity Advice for a Week | Fast Company

Drake Baer(原文/訳:的野裕子)