ビデオゲームの父・アタリ創業者に学ぶ、マルチタスク仕事術

敏腕クリエイターやビジネスパーソンに学ぶ仕事術「HOW I WORK」シリーズ第61回。 作家ダニエル・ピンク（Daniel Pink）氏に続く今回は、ビデオゲーム会社アタリ社の創業者でもあり「ビデオゲームの父」とも呼ばれるノーラン・ブッシュネル（Nolan Bushnell）氏にインタビュー。

歴史に残るテック系の偉人を語る上で、抜きにしては語れないノーラン・ブッシュネル氏。彼は、ビデオゲーム会社アタリ社の創業者として特に有名ですが、何十年にもわたり複数の会社を起業しています。自称「連続起業家」の彼は、初めてのカーナビシステム"Etak"、個人用ロボットのメーカー"Androbot"、オンライン注文システムの"ByVideo" などのプロジェクトに参画した経験を持っています。彼が現在取り組んでいるのは、Brainrush という、教育用オンラインツールで、進行の速いゲームを通して、ユーザーが語彙や数学、科学を学べるツールです。そんなブッシュネル氏の仕事場、オーディオブック活用術などについて、お届けします。

「これがないと生きられない」というアプリ・ソフト・ツールは？

Evernote、パワーポイント、オーディオブックです。

Evernote に関しては、デバイス間で自動的に同期される点がとても気に入っています。面白い記事や取り組んでいる最中のレポートがあるときには、どこにいても常に見れるようにしておきたいのです。そうすることで、より生産的になれ、情報が整理できますから。

私は人に話をすることが多いのですが、パワーポイントは話の内容を整理したり、要点を書き出したり、それらを繋ぎ合わせるのに便利です。また、プロジェクト全体を最初に見渡すツールとしても活用しています。あるアイデアが素晴らしいものになるために必要な点を理解するのに役立ちます。

オーディオブックについては、「ジャンクタイム」、つまり運動するときのような"やらなければならないけれども、同時に他のこともできる"時間に使います。カラダも鍛えられて、本を読むこともできるのです。両方の点で最高ですね（ちなみに「ジャンクタイム」というのは、より有効に活用できる時間という意味でよく使っています）。

仕事場はどんな感じですか？

大量の物が乱雑に置かれた穴蔵。周囲の人はよく、私のオフィスにある物を全部使えば、宇宙船が作れるだろうと言ってました。

お気に入りの時間節約術は何ですか？

運転中と運動中にオーディオブックを聴くこと。ぜひ Audible に登録してみてください。最近、Hugh Howey が書いた『Wool』を聴き終わったばかりで、今は Clay Christensen の『The Innovator's Solution』を聴いています。

愛用中のToDoリストマネジャーは何ですか？

Stickies。勝るものは他にないですね。

日常のことで「これは他の人よりうまい」ということは何ですか？

アイデアを思いつくこと、そして自分が暮らしたい将来を築くために、思いついたアイデアを元にビジネスプランを書くことです。

興味を持っているけれども、まだ実行していない事について、パワーポイントを使ってまず書いてみるという作業をよくやります。そして次に、自分に問いかけるのです。「どうやったら、これをうまくやることができるか？」と。この作業が、私にとってのスタートポイントです。

現在は、数えきれないほどの小さなビジネスプランを作っていますし、それらを少しの期間寝かすようにしています。寝かして熟させたほうが、幾分は良くなるので。ひとつのアイデアしか持っていないと、その発想だけに限られます。ですが、複数のアイデアを持っていれば、アイデアをよりうまく実現できるトレンドを見つけることができますし、異なる分野同士のアイデアを互いに活かすこともできるのです。

仕事中、どんな音楽を聴いていますか？

何も聴きません。

あなたは外向的ですか、内向的ですか？

両方です。大勢の人の中にいるのも少し好きです。社交的ですし、周囲の人と楽しんだり、パーティーでジョークを言ったりもします。ですが、ひとりきりの時間も必要です。自分の作業場が、もっとも幸せを感じる場所ですし、そこでの作業は内向的なものです。

睡眠習慣はどのようなものですか？

夜型です。ですが、必要であれば早く起きられます。ただ、夜の静けさが好きなのです。

あなたが受けたものと同じ質問をしてみたい相手はいますか？

ウォルト・ディズニーです。

これまでにもらったアドバイスの中でベストなものを教えてください

実行することに集中せよ。行動せよ。

Tessa Miller（原文／訳：佐藤ゆき）