化粧品にとって、消費期限が切れているかどうかはそれほど問題ではありません。効き目が弱くなるというだけの場合もあります。たとえば、期限が過ぎた香水は香りが薄くなるし、ふけ防止のシャンプーだと、予防の効力が低下するでしょう。
ただ、こういったものはほかの問題を引き起こすこともあります。期限が切れた日焼け止めは全く効果を発揮せず、身体がまっ黒になるかもしれません。
そこで、さまざまな種類の化粧品について、一般的な消費期限のガイドラインをまとめました。
表示をチェックする方法
アメリカではFDAが薬と定める化粧品のみ期限を表示する義務が設けられています。これには日焼け止めやニキビ用化粧品、ふけ防止の商品などが含まれます。ヨーロッパ製のものはもっと厳しい規制があり、30日以上使える商品には期限を明示しなければならないと、EUが定めています。
規制が定められているか否かに関わらず、商品によっては期限が明示されているものもあります。「2015/12」というような日付の記載ではなく、「開封後○○ヶ月」と書かれていることもあります。
この写真では「12M」と書かれていますが、これは使い始めてから12ヶ月間有効だという意味です。バーコードのようなもので示されていることもあります。CheckcCosmetic.netなどのサイトではこのバーコードを入力して消費期限を読み取ることができますので、参考にどうぞ。
ただ、これらの表示は牛乳やその他の食品のように、信用性が高いとは言えません。匂い、色、触感が変だと思ったら使用を控えてください。自分の目や鼻を信じましょう。また、自然化粧品の期限は、当然ながら保存料が入っているものより短いです。もし成分表示の冒頭に「水」と書いてあったら、それも消費期限は短いと考えたほうが無難です。水分はバクテリアの成長を助けるものだからです。
いろいろな化粧品の消費期限
コスメ専門サイトのPaula BegounとニュースサイトThe Los Angeles Times、Real Simpleの情報を元に、いつどのコスメを捨てるべきかまとめました。
■スキンケア・ヘアケア
- 乳液、アイクリーム:半年から1年。期限切れのものは効果が薄まるだけではなく、炎症や感染症の原因となることもあります。ポンプに保管されたものはバクテリアの発生を抑えられるでしょう。ビンで保管されていると、半年から9ヶ月経ったものは処分した方が無難です。
- 日焼け止め:消費期限はたいてい1年だと、FDAによって決められています。直射日光を避け、低温の場所で保管しましょう。
- アンチエイジングケアやニキビ用化粧品:原材料によりますが、1年以下。酸化防止剤であるレチノール、グリコール酸、ビタミンCもすぐに悪くなります。
- シャンプー、コンディショナー、ヘアスタイリング剤:1~2年。開封していなければ3年は持つでしょう。水や空気に触れると、より早く悪くなってしまいます。
- ヘチマやお風呂用スポンジ:ヘチマは3週間、スポンジは7週間。とても短く聞こえるかもしれませんが、湿気が高いお風呂場や換気扇などではバクテリアが育ちやすいのです。
■日用品
- デオドラント:3年間ぐらい。記載されていれば消費期限をチェックしてください。Outside Online notesによると、デオドラントはそう効力を失わないし、感染症の心配もないのだとか。抗菌成分が入っているから当然かもしれません。
- シェービングクリームやシェービングソープ:2年間、あるいは適切に保管されていればもっと持つでしょう。
- 歯磨き粉:製造された日から2年が通常です。
- うがい薬:製造年月日から3年間。容器にも書いてあるでしょう。
- 石鹸:製造者によりますが、固形石鹸でも液体石鹸でも3年ぐらいが妥当でしょう。そう、石鹸でさえ消費期限があります。油分を含んでいるものはなおさらです。中には永遠に使える固形石鹸もありますが、乾燥して割れているものは使わないようにしましょう。
■化粧品と香水
- 香水やコロン:2年。かわいい香水ボトルを飾りたいなら、日光や湿気を避けましょう。
- マスカラとリキッドアイライナー:3ヶ月。季節ごとに買い替えましょう。液が乾燥したり目に異常を感じたら、3ヶ月経っていなくても捨ててしまいましょう。
- リキッドファンデーション:半年~1年。
- パウダー系の化粧品(アイシャドーやパウダータイプのファンデーション):2~3年。
- リップやグロス:2~3年。唇に痛みを感じたら捨ててしまいましょう。
- アイペンシルやリップペンシル:3~5年。長く使うには、使用前に削りましょう。
- ネイル磨き:1~2年。ネバネバ感で期限がわかるでしょう。
期限を覚えておくために、購入日と期限の目安をラベルに書いておきましょう。
■化粧品の保存法
どのように保存するかは、上記のガイドラインよりも大切です。できる限り長期間使用するには、高温、直射日光、湿度の高い場所を避けましょう。また、ビンよりもポンプのほうが長期間保存に適しています。きれいな手でケアすることで、化粧品を汚さないという方法もあります。FDAは次のように説明しています。
「化粧品の期限は『目安』です。それが適切に使用されないと、期限より早くダメになるでしょう。高温や日光にさらされたり、ファイナルセールで購入したものは特に注意しましょう。逆にきちんと使われると、期限よりも長持ちします」
Melanie Pinola (原文/訳:駒場咲)