昨年買ったMacBook Airのmid2012(13インチ)が、買ってから1年と1カ月、保証が切れたすぐ後、突然使えなくなりました。

結論からいえばSSDが壊れたのが原因。自力で新しいSSDと交換することで解決しましたので、その過程を紹介します。「これで確実に修理できる!」という保証はありませんが、原因を特定していく手順を知っておけば、自分で直そうとしてみるのも悪くないと思います。

何しろ、かかった金額は数万円単位で節約できました。SSDの交換の作業自体は簡単で、15分ほどです。費用はアップルや専門の業者の半額かそれ以下でした。日本円で2~3万円かそれ以上を節約できたと思います。アップルとのやりとりに費やす時間もありませんでした(金額的には、保証延長のAppleCareよりも安く上がりましたが、差額と労力を考えると、AppleCareに入っていても良かったのかなという気はします)。

その日は突然やってくる(バックアップはお忘れなく)

しかし、それにしてもこんなに早くSSDが故障するとは思ってもみませんでした。

SSDは予兆もなくいきなり使えなくなるようです。マウスポインタが、矢印の代わりに、虹色のくるくる回るマークになって、完全にフリーズ。以上で終わりです。あっけないです(ちなみにこの虹色のくるくるマーク、Wikipediaの『Spinning pinwheel』で書かれているように「死の回転するビーチボール」「破滅のビー玉」などと呼ばれ恐れられています)。

キーボードもマウスも反応しなくなったので、電源スイッチで強制終了し、再度電源を入れてみると、灰色の画面があらわれ、その後、はてなマーク「?」の表示されたフォルダが点滅。それ以上何もできない状態になりました(大事なデータを保存するディスクについては、なんの回避措置をとる時間もありません。別のハードディスクなり、オンライン上のストレージなりにバックアップをとっておくことをお忘れなく)。

以下、原因を見極めてSSDを交換し、再度使えるようになるまでの道筋を記録しておきます。かかった時間も書いておきますが、この記事を読めばもっと早く解決できるかもしれません。

とりあえず回復作業、そしてOSの復元を試みる(3時間くらい)

Appleサイトの『Mac の起動時に点滅する「?」マークが表示される』の説明によると、「起動時に必要なシステムソフトウェアを見つけられないことが原因」とのこと。早速サイトの手順に従ってみました。同じくAppleの『Intel ベースの Mac で利用できる起動時のキーコンビネーション』の一覧があると使うコマンドがわかりやすいでしょう。

ちなみにこれらページには書かれていないのですが、持っていたMacBook Airの一連の作業には、ワイヤレスのインターネットが必要です。ただし、特定のネットワークでは、復元に使用できません。復元に使えないネットワークについては、『OS X:OS X での復元について』の「サポートされるネットワーク設定とプロトコル」のページに載っています。

  1. マウスとキーボードをチェック => 解決せず
  2. Startup Manager/[option + 起動] => ディスクが認識されていない 
  3. Lion復元からディスクユーティリティーへ/[Command + R + 起動] =>そもそも修復するディスクが認識されていない
  4. PRAMをリセット/『起動した直後に[command + option + P + R]、再起動後キーを離す』 => 効果なし

...Appleのサイトで案内されている内容を試してみましたが、依然として直りません。

しかし、SSDが認識されていないことはわかりました。理由としては「SSD自体が壊れている」または、「SSDは動くけどそれ以外の場所が悪いためSSDが認識されない」という2つが考えられます。この場合、SSDにはアクセス出来ないので、後者の「その他のハードウェア」を調べます。

5. Apple Hardware Test/[D+起動]、テストボタンを押してテスト => 異常なし

6. 外部ハードディスクから起動して動けば、SSD以外に問題はないと確信がもてるかと思います(私には手持ちのmacはこれひとつで、外部ハードディスクもなく、復元対策をしていなかったので、この手順は無理でした)。

ともかくこれで、「SSDをmacが認識しない」かつ「それ以外の場所には異常なし」ということで、SSDが故障した可能性がかなり高い、と推定しました。SSD交換で直るでしょうか。

修理の選択肢を探す(2時間くらい)

Macbook AirのSSDは15分程度で簡単に交換できるようで、自分での修理も現実味を帯びてきました。日本円で大雑把に修理の手段を比較すると、

  • 約13万円以上:修理を諦め、新しい同じスペックのコンピュータを買う
  • 約6万円:Appleでの修理に出す。一括価格。新しいの買うかどうか悩むレベル
  • 約4~5万円以上?:アップル製品を修理できる業者に出す。業者を調べる必要あり
  • 約2万円:自前で部品を買って修理する。ただし直らないリスクあり
  • 0円:修理を諦めインテリアの飾りとして利用。古いパソコンで我慢しながら生活

というわけで、自前で部品を探すことに。

SSDの注文(私の場合、通販で部品が届くまで待つ1週間)

SSDの交換に必要な物は、以下の2点です。冒頭の写真に写っているように、

  • 「MacBook Air 2012 Midに対応した」SSD
  • MacBook Air 2010-12年版のSSD交換用として売られていた、ドライバー2種類

前者については、モデルによってSSDの形が違うので、注意が必要です。今回は「OWC Aura Pro Express 6G SSD MacBook Air 2012 120GB」を使用しました。また、後者については、裏ぶたには「1.2mm ペンタローブドライバー」を、SSDには「T5トルクスドライバー」を使いました。

SSDの交換は簡単(15分くらい)

130908mba02.jpg

交換自体は上の画像を参考にしてください。もろい部品もなく、簡単ですぐ終わる作業です。

  1. 裏ブタのネジを外し、フタを開ける
  2. 古いSSDのネジをひとつ外し、SSDを抜く(ネジを外して、そのネジのあった方向にゆっくりスライドさせながら引き抜く)
  3. 新しいSSDを差し込み、ネジを戻す
  4. 裏ブタを閉じ、ネジを締める

詳しくは、[macbook air 2012 SSD 換装]で検索すると、作業動画やページが見つかります。

ディスクユーティリティからフォーマット(3分)

SSDを交換したあとは、ディスクをフォーマットする必要があります。ただ交換しただけでは、OSの再インストールはできません。フォーマットしないと、電源を入れても、はてなマーク「?」の表示されたフォルダが点滅したままです。

フォーマットの手順は、

  1. ディスクユーティリティーを起動(Lion復元[Command + R + 起動]の中から選択)
  2. 左のリストからSSDの名前をクリック、この場合「120.03 GB OWC Aura Pro...」
  3. 右のエリアから「パーティション」を選び、パーティションのレイアウトには 「1パーティション」を、フォーマットには「Mac OS 拡張(Journaled)」を選択
  4. 適用を押す

以下の画像を参考にしてください

130908mba03.jpg

OSの再インストール(4時間弱)

その後、Lion復元([Command + R + 起動])からMac OS Xを再インストールを選択し、OS X Lionをインストールします(ダウンロード/1時間30分(回線速度による) + インストール/25分)。これでめでたく買った時の状態に戻り、とりあえずMacがまた使えるようになります

OS X Mountain Lion をインストールしていた場合は、OS X Lionインストール終了後、

App Storeへログインし、下部の「購入済み」の項目を開いて、買ったソフトウェア一覧から、OS X Mountain Lionを再度インストールします(ダウンロード/40分(回線速度による) + インストール/35分)。

OS X Mountain Lionが使えるようになったあと、再度App Store からアップデートをインストールし、完了です。

ソフトウェアを入れたり設定をいじったり(7時間くらい)

とりあえず再インストールできたら、入れるべきソフトウェアを再検討しながら、ソフトウェアを入れ直したり、OSの設定に手を入れます

このあたりになると気持ちも楽になり、時間が経つのを忘れます(皮肉なことに、迷いながらソフトウェアを検討していたので作業中もっとも時間がかかりました)。データは全部オンラインにセーブされていたので被害はほとんどありませんでした。

Time Machineでバックアップをとっていたら作業はもっと早かったのかなとも思いますが、以前より微妙に容量が小さいディスクだと、バックアップ自体は小さくてもシステム全体の復元ができず、「移行アシスタント」を使う必要がある、という話もあります。真相はどうなのでしょうか。

また、最近一部ではTime Machineがうまく機能しないバグも発見されており、不安はあります。(2013年8月16日時点)

おわりに

とにかく、作業に5時間、OSの再インストールに4時間、ソフトウェアの設定に7時間と、約16時間でMacBook Airを回復出来ました。

SSDの故障を修理しようとするなかで、MacBook AirのSSDの寿命が突然尽きたという同じ境遇の方の話をよく見かけました。みなさまもバックアップなどは常に万全に。この記事が少しでもお役に立てばと思います。

(小笠原伸樹)

【2013.09.09追記】原稿内の語句を一部修正いたしました。

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