思うところあって、2週間、週7日制のルーチンを試してみることにしました。コンセプトは至ってシンプル。毎日働いて、休む。毎日ジムに行き、自分と向き合う。たくさん働くためというよりは、毎日を充実させることが目的でした。そこで1日の労働時間を短くするようにも心がけました。1日の真ん中に2時間の休憩をはさむことにしたのです。
とりあえずやりたかったのは「なぜ誰もしないのか?」という疑問の追求と、週に5日働いて2日休むという世間の常識に対する挑戦です。私たちは経験上朝9時〜夜5時前後で働くのが必ずしも効率的でないことを知っています。私自身も、そのことをしょっちゅう実感していました。そして、週5日勤務もそれと同様ではないかと考えたのです。
始める前に、週7日制についてこんな仮説を立てました。
- 2日間の休みで習慣が中断されることがないので、決まった習慣をしっかりと根付かせることができるはず
- 世界中にいる仕事仲間との連携が深まるはず。また、週末にも時間を取れるので、Eメールや仕事をうまくさばけるはず
- 集中した勤務時間の後に長い休憩をとれるので、労働時間を週40時間未満に抑えながら、生産性を向上できるかもしれない
週7日制のルーチン
ここ数年早起きが習慣になっているので、この実験中も4時半に起きることにしました。1日の労働時間は5.5時間。週38.5時間の計算です。
4:30 起床
5:00〜6:30 90分間仕事に集中
6:30〜9:00 ジム、朝食、シャワーなど
9:00〜11:30 2時間半仕事に集中
11:30〜15:00 昼食後、長時間休憩
15:00〜16:30 90分間仕事に集中
2週間の結果
2週間の実験が終わったとき、もう週7日制はやめようと思いました。ただ、このルーチンのいくつかの側面は実験終了後も継続しています。
実際にうまくいかなかったのは、次の2点です。
ほかの人の働き方が影響する
週末の2日間を平日と同じようにすることは不可能であることがわかりました。週末の街は、人や騒音であふれています。オフィスには誰もいません。勤務時間中に受信してほしいEメールを送ることもできません。そんな日は、製品の新機能紹介やブログの投稿にも向きません。
逆に、週末の2日間で平日とは違うことをする手もあるでしょう。でも、私の実験の趣旨は、毎日をまったく同じルーチンにすること。その点で、この実験は失敗でした。
あんなに休んだのに燃え尽きた
毎日をまったく同じルーチンにしたかったので、毎日働き、毎日休みました。
ジムにも毎日通い、トレーニングも続けられるようなものに変更しました。異なる筋肉を使うエクササイズを分散させたのですが、1日だけでは筋肉が十分に再生されていないのを実感。15日間連続でこのトレーニングを続けた結果、筋肉を傷め、1週間近く休むはめになってしまったのです。
仕事に関しては、最初の1週間はとにかくウキウキで週末も楽しく仕事をしました。実際に苦しかったのは、週末も平日通りに働けるようにとっていたお昼の長い休憩でした。
全体として週7日制がうまくいかなかった理由は、再生期間を十分に取れなかったことにあると思います。「1日の真ん中に2時間の休憩をとって労働時間を短縮すれば十分」という私の仮説は、間違いだったことが証明されたのです。
安息日という知恵
週7日制を試してからというもの、「安息日」と言う考え方に非常に興味を持つようになりました。この習慣にはとても長い歴史があり、しかも様々なところで発生しています。週に1度の「安息日」は世界中の至る所に、何らかの形で存在しているのです。
聖書には詳しくありませんが、ちょっと調べると「第七日」、すなわち安息日の起源を見つけることができます。
神は第七日にその作業を終えられた。すなわち、そのすべての作業を終って第七日に休まれた。(創世記 2:2-3)
同様に、仏教でも六斎日と呼ばれる斎日があります。興味深いのは、仏教ではこの日の目的を次のように教えていること。
何千年も昔からの知恵が週に1度の安息日という考えに収束する。このことを知った私は、穏やさと自信を感じることができました。私の安易な実験でも、これが非常に優れた慣習であることが証明されたのです。身を慎み持戒清浄であるべき日
実験の結果から、私は週休1日制に興味を持つようになりました。今後は、週6日勤務、週休1日を継続してみるつもりです。
Experimenting with a 7 day work week | Joel.is
Joel Gascoigne(原文/訳:堀込泰三)
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