子どものお小遣いは、いつからあげるのか、どう管理するのか、親として悩む方も多いのではないのでしょうか。参考までに、5歳からお小遣いを始めた家庭の事例を紹介します。
あれは、小学校を卒業した後の長期休み。中学校に向けて、母と買い物に出かけたときのことです。試着室でかわいい服をいっぱい着たあと、山ほどの服を持って、レジへと向かいました。かなり興奮していたのを覚えています。でも、母が私を見て、「割り勘ね」と言ったんです。そのショックときたら。当時の私は、そんなお小遣いなんて持ち合わせていませんでした。
ベビーシッターで稼いだお金も足しになりません。苦しんだ挙句、選んだ洋服の半分を残し、あとは棚に戻しました。母はよく、この方法を使って、「シーズン限りの洋服をたくさん買うよりも、本当にいいものをいくつか買う方がずっといい」ことを教えてくれたものです。
私は片付け、掃除、夕食の準備、妹の世話などを手伝わされて育ちました。これらのお手伝いへの報酬はなく、お小遣いもありませんでした。ただ、母の言うことを聞いて、母が用意したものを受け取る。私がバイトを始めるまで、お金はすべて母が管理していました。これは、悪い教えだったとは思いません。なにせ私は、高校生になるころには、ベビーシッターのバイト料を25セント上げて時給4ドルにするよう、賃上げ交渉するようになっていましたから。
お小遣い、あげる? あげない?
時はたち、私が親になる番がやってきました。息子たちにオモチャコーナーやお菓子売り場などの公共の場所で泣き叫ばれる前に、1ドルの価値を教えたい。でも、自分自身の経験から、小さいころからお小遣いをあげることには抵抗がありました。そんな時に「Love & Logic」という子育て術に出会い、考えが変わったのです。Love & Logicでは、小さいころから週に1回のお小遣いをあげることを勧めています。
このお小遣いは、お手伝いとは無縁です。お手伝いは、子どもたちに家族への貢献を期待するもの。一方で、お小遣いは、お手伝いが終わったかどうかにかかわらず与えられます。使うも貯めるも本人次第。こうすることで、お金の取り扱い、管理、そして失敗を、親にとって比較的低コストで経験させることができるのです。
シンプルなルールでお小遣い帳をつけさせる
私と夫は今年から、息子のライアン(5歳)に、週に3ドルのお小遣いをあげています。そして、それをライアンのノートに記録しています。当初は週1ドルにしようと思っていましたが、Love & Logicの先生に「欲しいときに欲しい物が買える金額」をすすめられ、3ドルにしました。
ライアンは今のところ、上手に貯金しています。支出は、シュレックの演劇で買ったTシャツと、私は買いたくなかったスターウォーズの本だけ。この点が、親にとって有益なところです。親はNoと言えますが、自分のお金でそれを買うかどうかの最終判断は、本人に委ねられるのです。
ショーやフェアなど、お土産を欲しがることが事前にわかるようなイベントに出かける時は、お小遣いを持って行くようにさせていますが、必ずしも買うことはすすめません。このようにして、これまでに72ドルの貯金に成功しています(おばあちゃんからの卒園祝い20ドルを含む)。
私たちが決めているルールは極めてシンプル。
- お小遣いの請求と管理はライアンの仕事:ライアンがお小遣いの請求や記録を5回以上忘れた場合、私たちはその「損失」を埋めてやる必要はありません。だから、お小遣いをあげ忘れる心配も不要。請求するのは、ライアンの仕事なのですから。もちろん、計算のヘルプはしています。
- いただきものにお礼を言わない場合は没収
我が家のお小遣い帳は、こちらからダウンロードできます。
Allowance: To Give or Not to Give | Love Them Madly
Jodie Sadowsky(原文/翻訳:堀込泰三)
Photo by Thinkstock/Getty Images.