休日にショッピングへ出かけると、普段の自分とはちょっと違う行動パターンになってしまうことはありませんか? 米心理学誌『Psychology Today』は、ショップ側が買い物客に仕掛けている感覚的操作を分析し、なぜ休日のショッピングで普段と気分が変わってしまうのかを突き止めたそうです。休日にショップで行われている広告キャンペーンには、実にさまざまな手法が駆使されています。Psychology Todayが指摘するように、マーケターたちはあなたの感覚を操作し、商品を買わせようと狙っています。そのやり方は、五感の中でどの感覚を狙うかによって異なります。例えば、特定の色は人々の消費行動に影響を与えます

赤い色は私たちを刺激し、よりエネルギッシュにします(消費行動までも)。赤い色のユニフォームを来たウェイトレスは、他の色のユニフォームを着たウェイトレスに比べて14~26%多くのチップをもらっています。また、ある研究によると、eBayのオークションで、赤色を背景にした商品は青色を背景にした商品よりも活発に入札が行われるそうです。

視覚だけではありません、聴覚だって狙われています。例えば、ショップでかかっている音楽です。

休日のお店でよくかかっている音楽はノスタルジーをかき立てます。最近の研究によると、ノスタルジーはポジティブな雰囲気をかもし出し、人々に自己肯定感をもたらします。他者とのつながりを感じ、ポジティブで満ち足りた気持ちになることで、つい財布のヒモをゆるめてしまうのです。

ショッピングでは、商品の手触りからショップにたちこめる香りに至るまで、さまざまなものがあなたの感覚に影響を与え、消費行動を変えさせます。以前にも紹介した「価格に関する数字の不思議」や「買い物する時に意識したい数字のマジック」など、値段ひとつとってもそうです。これらのマーケティング戦略から逃れるためには自分がどんな操作を受けているのかについて自覚的になる以外ありません。ショップ側が仕掛けてくる感覚操作に気づけば、無駄な買い物を減らすことができるでしょう。

This Is Your Brain On Holiday Shopping | Psychology Today

Thorin Klosowski(原文/訳:伊藤貴之)

Photo by Dov Harrington.