iPadのガイドブック『iPadバカ』が大ヒットを記録したのは記憶に新しいところですが、早くもiPad miniの発売に対応した最新版が登場。それが『超iPadバカ 2000種類のアプリを試した男のすごい活用術』(美崎栄一郎著、アスコム)です。著者は、先にアンドロイドの各種タブレットを試してからiPad miniに触れ、「これこそ私が求めていた本物だ」(27ページ)と実感したそうですが、その最大の理由は大きさ。グーグルのNexus 7よりも少し大きいのに、より薄く軽く、バランスが絶妙なのだそうです。持ち運びも簡単なので、電子書籍を読むだけでなく、さまざまな用途での使用に適しているといいます。
まして仕事に応用できるアプリは『iPadバカ』のころよりも格段に増えていますから、適切なアプリを活用することで、仕事の効率を高められる。そんな観点から、計80種ものアプリとその活用術が紹介されているわけです。きょうはそのなかから、「iPadバカの書類・名刺整理術」に焦点を当ててみましょう。
■ ドキュメントスキャナーで書類整理する3ステップ(168ページより)
書類は「あとで必要になるかもしれない」と思うから捨てられないだけ。iPadで読めるなら現物は不要だということで著者は、ドキュメントスキャナーを使用して書類をiPadに入れておくことを勧めています。手順は次のとおり。
- 書類をもらったら、とりあえずスキャナーの上に適当に積んでおく。
- 急ぎの案件があれば、その機会に一気に片づける(スキャナーで取り込んだら、保存先をドロップボックスに設定しておく。元の書類は捨てる)。
- 急ぎの案件の場合は、取り込み直後にiPadのドロップボックスを起動し、☆マークをタップして★マークに変えておく(お気に入りに登録されてiPadの中に保存される)。
そして、次のように面倒な作業をできるだけ排除するのが、長く続けられるコツだそうです。
・面倒な作業を減らす(1) ファイル名をつけない
:名前をつける作業を省き、pdfファイルに含まれるキーワードで検索すれば合理的。
・面倒な作業を減らす(2) 同じ場所に自動的に保存
:最初に設定しておけば、二度目から意識する必要もなし。
・面倒な作業を減らす(3) あとからファイルを探さない
:ファイルを探す手間を省くには、スキャン後すぐにiPodに保存しておく。
■ 一回のコピペで名刺管理ができる法(185ページより)
名刺管理は永遠の課題ですが、名刺交換前に届いたメールに書かれた連絡先情報を取り込んでおくと整理が便利。そこでiPhoneアプリの『WorldCard Mobile』を活用するといいそうです。方法は以下の通りです。
- メールを開き、署名欄をコピー
- WorldCard Mobileを起動して「Signature」をタップすれば、自動的に各項目に振り分けられる
- 「エクスポート」ボタンを押して完了
なおメールのやりとりをしていない人から紙の名刺をもらった場合は、
- WorldCard Mobileを起動して「Camera」アイコンを押す
- 名刺を机に置いて撮影
- 必要に応じて天地を90度回転させ、認識させればOK
■ iPadならではの葉書と手紙の管理法(193ページより)
葉書や手紙を管理するなら、Evernoteに「住所録」というノートブックをつくり、FastEver Snapというアプリで写真を撮ってアップロード。写真を撮ったあとに手書きコメントなどを加えたい場合は、Skitchなどのアプリで加工してからエバーノートに投稿するという方法もあるとか。
このように、説明が具体的でわかりやすいのが特徴。他にも「7つ道具」、「読書術」、「時間管理術」、「出張・旅行術」、「情報収集術」、「周辺機器活用術」とカテゴリーが具体的なので、iPad miniを使いこなす際には必携の一冊といえるでしょう。
(印南敦史)