「あたりまえ」からはじめなさい』(千田琢哉著、星海社新書)は、文字どおり「あたりまえ」なことの重要性を説いた書籍です。たとえば「あいさつをしましょう」「ありがとうと言いましょう」「時間を守りましょう」などなど。どれも、拍子抜けするほど「あたりまえすぎる」かもしれません。しかし、著者は言います。

断言してもいい。

あたりまえのことを、

あたりまえにできるようになるだけで、

あなたは突出できる。

(序文より)

そして、そんな考え方をもとに本書では、「職場」、「人間関係」、「お金」、「勉強と情報」、「人生」のそれぞれについて10の「あたりまえ」をピックアップしています。きょうはそんななかから、最終章「人生の10の『あたりまえ』」を取り上げてみましょう。1.まず自分から与える(190ページ)

もらうことを「あたりまえだ」と思っているうちは貧しいままで、豊かな人ほど与えていると著者は言います。それでもますます豊かになっていくのは、まわりに感謝しているからだとも。

2.才能がなければ進路変更する(194ページ)

「努力で何とかなると思って不幸になっている」人がたくさんいるのだそう。だからこそ、1%の才能がなければさっさと進路変更するべきだといいます。たしかに割り切りは重要ですね。

3.人生を楽しむ(199ページ)

「毎朝、遠足当日のような気分で目を覚まそう」と著者は訴えますが、それはなかなか難しいですよね。でも、こうも言っています。「もし目覚めるのが苦痛なら、ワクワクしながら目を覚ますにはどうすればいいかを考えよう」と。

4.自分を好きになる(203ページ)

成功者は成功したから自分を好きになったのではなく、もともと好きだった自分をいっそう輝かせるために果敢に挑戦しただけ。なるほど、そうかもしれません。

5.他人や環境のせいにしない(207ページ)

起こった結果だけが事実なのだから、まず受け入れて、原因は自分にもあると気づくこと。人のせいにするのは簡単ですが、本当にこの考え方は重要ですね。

さらに続きます。

6.もらい過ぎないようにする(211ページ)

分不相応にお金をもらい過ぎたら、どこかでバランスを取るために誰かにお金を奪われるのだとか。もらい過ぎないということは、過去にしがみつかないということだといいます。

7.続ける(215ページ)

一発大逆転は「やり続けた人」にこそ訪れるものだから、今から続けられることを探すのではなく、続けてきたことを思い出してみることが大切。

8.視野を広くする(219ページ)

人生で落ち込まない人はいないのだから、落ち込んだら俯瞰する。それが効果的だそうです。なるほど。

9.あたりまえのことはひとつもないと気づく(222ページ)

あらゆる問題は、感謝を忘れていることから発生する。仕事の悩みも、仕事があることを感謝するのを忘れているから発生する。失恋にしても同じこと。生きていることの奇跡を思い出せば、あたりまえのことなどひとつもないことに気づくそうです。

10.すぐ動く(227ページ)

「今日から」では遅すぎる。「今、この瞬間から」動くべきだといいます。自分に無駄な猶予を与えないということですね。

壁にぶつかったとき、この本はきっと初心に立ち戻らせてくれるはず。文字も大きく、ページを開いただけで言葉が飛び込んでくるので、空いた時間を利用して読むにも最適です。迷っている人は、ぜひ手にとっていただきたいと思います。

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(印南敦史)