インターネットが浸透した現代においては、必要な情報をすぐに入手することができます。しかもそればかりか、望むか望まざるかにかかわらず、刺激的なニュースは次から次へと飛び込んできます。そうなると、「とりあえずキャッチしておかないと取り残されるかも」という焦燥感にかられても不思議ではありません。かくして不必要な情報に飲み込まれた人は、ストレスを感じることになります。
しかし、それでは本末転倒。むしろ大切なのは、必要な情報だけを取捨選択する能力であるはずです。そこでぜひ目を通しておきたいのが、『膨大な資料を迅速・正確に処理できる 情報をさばく技術』(木山泰嗣著、日本実業出版社)です。本書は「情報に飲まれるのでなく、支配するためのテクニック」を紹介した一冊。様々な角度からの情報収集技術が紹介されており、どれも参考になるのですが、そんななかから今日は、ビジネスマンにも欠かせない「必要な情報だけを素早く読む技術」をご紹介したいと思います。
1.資料を「読む」目的を確認する(133ページより)
資料を素早く読むスキルは、ビジネスに不可欠。しかし、それは難しくないことだと著者は言います。資料を読む「目的」を明確にし、「そのためだけに読む」視点を持てばいいだけ。逆に危険なのは、情報の海に飲まれること。
2.確認した目的を達成するために「最小限の事項」だけを読む(137ページより)
大切なのは、大量の情報をコントロールし、短時間で結果をだすためには「できるかぎりムダな時間は使わない」という最短距離の意識をもつこと。すべてをじっくり読み込んでは、仕事が成り立たなくなりますからね。
3.読む速度に「緩急(メリハリ)」をつける(140ページ)
「読むべき資料」から熟読すべき部分を厳選し、読む時間をできるだけ減らす」。そこで大切なのは「緩急」をつけることだそうです。ちなみに「1.必要かどうか」「2.重要かどうか」を考えれば、緩急はつけられるとのこと。
4.「タイトル読み」をする(資料のタイトルだけを追ってみる)(144ページより)
タイトルだけをざっと読めば、概要をつかむことができます。サマリーである目次をなぞれば内容を把握できるということと同じ発想ですね。
5.「キーワード」をみつける(147ページ)
特定したキーワードが出てくる場所だけを読めば、短い時間で必要最小限の情報を集めることが可能。ただし読み落としもありうるので、2,3度繰り返して読むことが重要。たしかにそうですね。
6.疑問や調査事項を解決するために「関連する箇所」だけを読む(関連読み)(150ページより)
「関連読み」は、リサーチに必要な部分だけを探して読んでいく主体的な読み方。この方が吸収度も高く、短時間で必要な情報を集められるそうです。
7.線を引く、マーカーをぬる、書き込みをする、ふせんをはる(153ページ)
手を動かせばパフォーマンスが向上し、また眠くなったり頭の回転が悪くなることを防止できるのだとか。本書を手に取った方は、どんな感想をもったでしょうか。Facebookページでも下記のコメント欄でも、ぜひ教えてください。
(印南敦史)