海外の一流大学で学ぶためには、高い学力はもちろん、高額な学費が必要。米フォーブス誌のランキング(英文)によると、スタンフォード大学の1年間の学費は57755ドル(約460万円)、ハーバード大学でも56000ドル(約444万円)にのぼるそうです。

しかし、昨今、米国の有力大学を中心に、高等教育のフリーアクセスが進み、世界中どこからでも、大学の正規の授業を無料で受けられる教育オンラインプラットフォームが増えてきました。つまり、日本にいながらにして、海外の一流大学に「留学」できるというわけです。そこでこちらでは、無料で利用できる大学レベルの教育オンラインサイトについて、まとめてみました。

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Coursera

「Coursera」は、2011年、米スタンフォード大学のAndrew Ng、Daphne Koller両教授によって立ち上げられたプラットフォームです。現在、スタンフォード大学、ミシガン大学、プリンストン大学、ペンシルバニア大学、カリフォルニア工科大学、イリノイ大学など米国の一流大学のほか、英エジンバラ大学、カナダのトロント大学、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPF Lausanne)といった米国外の大学も参加。コンピュータサイエンス、バイオロジー、医学から、経済、経営、ファイナンス、教育まで、幅広い分野にわたって、119コースを開講しています。

「Coursera」では、受講生が自分のペースで無理なく学習が継続できるよう、担当教授からの一方的なレクチャーだけでなく、小テストなどインタラクティブな要素も盛り込んだ講義コンテンツを提供。1週間単位で構成され、毎週、講義のポイントをまとめた動画と読み物で自主学習し、課題レポートを提出する、という流れになっています。

Udacity

「Udacity」では、コンピューターサイエンス分野に特化し、11コースを開講。これまでに、世界で11万人以上の人々が受講しています。Courseraと同様、確認テストやクイズを盛り込んだインタラクティブな教材で自習できる仕組みとなっており、「Programming A Robotic Car(ロボット自動車のプログラミング・上動画参照)」や「Building a Search Engine(検索エンジンの開発法)」など、知的好奇心をくすぐる講義がラインナップされています。また、受講生同士の交流を図るため、世界300を超える都市で、Meetupと呼ばれるオフ会が開催されているのも特徴です。

edX

マサチューセッツ工科大学とハーバード大学が共同で開発した、教育オンラインプラットフォーム「edX」が、いよいよ2012年秋学期から開校。コンピュータサイエンスの分野を中心に7コースからのスタートとなっていますが、今後は、さらに、コースの数も分野も増えていくことでしょう。

このほか、無料で利用できる学習コンテンツとしては、東京大学の講義資料を無償で公開しているウェブサイト「UTオープンコースウェア」や米マサチューセッツ工科大学の講義ノートや試験・動画を集めた「MIT OpenCourseWare」もありますし、有償のオンライン教育プラットフォームとしては、1万以上の無償・有償の講座を提供する「Udemy」や、有償のソフトウェア系教育講座を集めた「Lynda.com」、ジャーナリストやメディア関係者向けの講座を有償で提供する「Mediabistro」などもあります。

これらのオンライン講座で学ぶ際、とかく言語が壁になりやすいですが、自分の興味・関心のあるテーマを英語で学べれば、語学力アップにもつながる一石二鳥。慣れるまでは少し大変かもしれませんが、無料でトライできるなら、やってみる価値アリですよ。ぜひ、アナタも、オンラインで、瞬時に、海外の大学へレッツ留学!

(松岡由希子)