毎晩、十分な睡眠をとる必要があるのはわかっていても、朝起きて「疲れがまったく取れていない」と感じる日もあります。そんな日でも、もちろん仕事に行かないといけないわけですが、惨めな気分になる必要はありません。そんな疲れている日を乗り切って、生産性の高い仕事をするための方法をお教えします。
まずハッキリさせておきたいのは、この方法は魔法ではありません。本当に疲れている日には、どんなことをしても仕事はつらいもの。ただ、そんな状況でもなんとか気分を引き上げて仕事をする術があります。「これですぐに明るく元気に...」とまではいきませんが、少なくとも半分死んでいるような状態になることだけは防げます。
過去に「アタマとカラダをメガシャキっとさせる14のコツ」で、疲れているときの応急処置をご紹介しましたが、今回はオフィスの1日中持ちこたえる方法について考えていきたいと思います。
基本的には、一日を乗り切れるだけの気力を生み出して、疲れている状態をそれ以上悪化させないようにするのが目標です。少しの努力で、つい寝てしまうような最悪の事態は防げるでしょう。
Photos by Korki, George M. Groutas, The U.S. Army, Marco Arment, Roger Price, and John Morgan.■食べ物と飲み物には注意が必要
疲れているとき、食べ物は厄介な存在です。元気になるためには何か食べたほうがいいのですが、食べ過ぎるとかえって気分が悪くなることがあります。そして疲れていると、ついつい食べ過ぎてしまうものです。このようなときは、満腹になるまで食べ続けるのではなく、量を調節して必要な分だけにしましょう。食べたあとは、たくさん水を飲むのがポイントです。日中の水分不足により、具合が悪くなるのを防ぐためです。
まずはヘルシーな朝食を心がけましょう。朝食は、その日全体に大きく影響することがあります。極端に甘いものは避け、卵や全粒穀物を選ぶのがベターです。またその他にも、炭水化物よりタンパク質や食物繊維を多く含むものが良いでしょう。
基本は、よく言われるところの「健康的な食事」を目指すことになりますが、これは炭水化物や砂糖を一切とってはいけないという意味ではありません。あくまで「バランスの取れた食事」が肝心。1日を乗りきれる力が自然と湧いてくる状態を目指しましょう。
■簡単な運動をして頭をスッキリさせる
疲れからくる眠気には運動をするのが効果的ですが、余計に疲れてしまうようなハードなメニューは逆効果。疲れているときには、例えば「エネルギーをチャージする、朝の簡単エクササイズ」でもオススメした「腕立て伏せ」で全身に酸素を行き渡らせましょう。
腕立て伏せを30秒の休憩を置きながら3セット行います。回数に決まりはありませんが、できるだけ多くしましょう。全体で5分以上かからないように時間設定をして、汗をかきすぎない程度に行えば、頭がスッキリするはずです。腕立て伏せがあまり好きではない方は、床に寝て片足を少しだけ持ち上げてキープする(英文)といった軽い運動を試してみてください。
■立って仕事をしてみる
一日中座って仕事をするのは健康的ではありませんが、多くの人はその状態に慣れていると思います。しかし、疲れているときはつい寝てしまう可能性があります。そんなときは、立って仕事をすれば眠気覚ましの効果が期待できます。
適度な高さのデスクはないかもしれませんが、場所を移すなどしてディスプレイとキーボードがちょうど良い位置にくるようにしましょう。立っていれば、眠ってしまう確率はずいぶん低くなるはずです。最初は違和感があるかもしれませんが、少し経てば慣れてくると思います。
ライフハッカーでは、IKEAで材料を揃えてDIYしたり、メタルシェルフで代用したりと、立って働くための「スタンディングデスク」の作り方を紹介してきました。あわせて参考にしてみてください。
■カフェインを賢く活用する
カフェインを使って眠気を覚まそうとする人は多いですが、摂りすぎると頭痛を起こすことがあります。もし頻繁にコーヒーやカフェインを摂取しているなら、これから紹介する方法はあまり役に立たないかもしれません。なぜなら、カフェインは計画的に使ってはじめて効果があるものだからです。
人間の脳は活動しているときに副産物としてアデノシンという物質を作り出しています。アデノシンの量が多くなると、脳は「休みが必要」と判断して、眠くなるように命令を出します。カフェインはアデノシンに代わって受容体と結合するため、休みが必要という判断を鈍らせる効果があります。この効果は普段カフェインを摂っていなければいないほど大きくなります。カフェインを頻繁に摂っていない人が、適度な量(65~100mg)を取り入れれば、溜まっていく疲れを取り除く効果が期待できるでしょう。Wikipediaによると、豆から抽出したコーヒー235mlあたり、カフェインは95mg含まれているそうです。
注意する点としては、夜の眠りを妨げないためにカフェインの摂取は一日の早い時間帯に行うことです。午後2時以前に摂取して、それ以降は摂らないようにしましょう。
■計画的な昼寝でリフレッシュする
仕事中だとしても、昼寝のためにわずかな時間をつくりましょう。理解のある上司が20分の昼寝を許可してくれればベストですが、ダメでもほかに方法があります。例えば、ランチの時間に自分の車の中(ほかにあれば、もっと快適な場所)で20分の昼寝をするのはどうでしょう。
ただし、昼寝の時間やタイミングを間違えると体内時計が狂ってしまうので注意です。昼寝の時間は20分以内に抑えて、午後1時から3時までの間に設定する(英文記事)ことで、体内時計を狂わせることなく頭をリフレッシュできます。
いかがでしたでしょうか。どれも簡単なことではありますが、意識して行うことであなたの疲れはきっと軽くなるはずです。くれぐれも体を壊さないよう、しっかりと休みを取るのもお忘れなく。
Adam Dachis(原文/抄訳:大嶋拓人)