編集委員の横尾茜です。
自分にとっては習慣化してしまって意識していないことが、他人にとっては目からウロコのライフハックだった!? なんて激レアなライフハックを探るインタビュー『突撃!隣のライフハック』。
今回は、一日に摂る食事を一度だけに制限することで人間が本来もっている生命力を活性化させようという『一日一食健康法』の南雲吉則先生に突撃しました。
「50代なのに見た目は20歳も若く見える!」、「30代にしかみえない!」と噂の南雲先生。実際にお会いしてみると、「本当に50代?」と思えるほど若々しい外見でした。私はまず、1日1食でお腹がすかないのですか?という素朴な疑問からを投げかけてみることにしました。
■若さの秘訣について
一方でこれが非常につらかった。
例えば前日少し食べ過ぎて胃もたれしていても、朝は必ず食べなくてはならない。朝食べるという前提で朝食を用意してもらっているのに残すわけにもいきません。
そしてお昼、どんなに忙しくても「一汁一菜」。サンドイッチなどで済ませることはありません。1時間後に提出しなくてはならない書類があっても一汁一菜をしっかり噛んで...。お腹いっぱい食べてしまったら午後の診察、手術の時に眠気が襲ってくる。これが、私にとっては1日3食が本当に苦痛だったんです。
そんなことを続けていたある時、体が1日3食を求めていないことに気がついたんです。脳に支配されているだけで、そしてこれに捉われる必要はないのだと。
なぜこういったことが起こるか? それは大脳新皮質に起因しています。
大脳皮質には、古くから発達した大脳辺縁系と、新しく発達した大脳新皮質があります。簡単に言うと「辺縁系=本能」、「新皮質=理性」です。
新皮質はいわゆる下等生物においては小さく、高等生物では大きくなる傾向にある。人間だから発達している部分です。
私たちは大脳新皮質の常識に支配されてしまい、「こうしなくちゃいけない」、「こうあるべき」といったものに縛られ過ぎているのです。
「1日3食、食べなくてはならない」という発想は、理性によるもの。一方で体は欲していない。物理的に必要がない状態なのだから、脳に支配される必要はないと気が付きました。
医者という立場から、体と心を分離して考え、1日3食という医療の在り方のおかしさに逆に気づくことができました。
ヨ:それから今に至るまで、1日1食を続けているのですか? ナ:必ず1食というわけではありません。あくまで3食に縛られない。心がけているのは、体が欲するまでは脳に騙されない食生活です。ただ人が用意してくれた時などに食べずにいるのは失礼ですので、1日3食のこともあります。先日の海外出張の際は3食用意して下さったので、その3食すべていただきました。
ヨ:人の恩義をとても大事にされる方なのですね。ところで、先生は奥さまとは食事は別に済ますという記事を読みました。奥さまにも南雲式をオススメされないのですか?
ナ:横尾さんは世間知らずですねー。どんなに社会的地位がある人物でも家族だけは言うことを聞かないものなんですよ。ご結婚されてないのであれば、これだけは覚えておいた方がよいですね(笑) 幻想を抱いていたら結局離婚することになりますから。
ヨ:勉強になりました(笑)■普段持ち歩いているもの
ですから、「なんでかな?」、「不思議だな?」という疑問を誰かが解いてくれている本やテレビに対しては興味がわきません。
ヨ:アイデアを思いついたときにはメモを取ったりするんですか? ナ:メモを取ってもどこかになくしてしまうので、ブログ(なぐちゃん倶楽部)に書くようにしています。ブログに書くことで、アイデアが言語化され、具体性を帯びてきます。またブログに書くことで、皆さんからの反応があるので、「これはさらに深く掘り下げて書籍化しよう」などと思うわけです。
私は人とのコミュニケーションが大好きで、様々な方に積極的に話しかけるようにしています。
話すことで、ブログ同様に思考が具体化されていくわけです。そういう意味では、しゃべり下手な方を見ていると「もったいないなあ」と思ってしまいます。
一方で皆さんへのヒントとしては、自己愛です。どんな時も自分を愛して欲しい。どんな敵が現れても、自分だけは自分の味方であってください。自分で自分を責めてしまい、悲しい結末を迎えてしまう方が近年は増えています。
大脳新皮質に支配されすぎず、自分を大事に夢をもって生きて欲しいと思います。

ということで、南雲先生へのインタビューいかがでしたでしょうか? 「辺縁系=本能」、「新皮質=理性」なので、新皮質に支配されすぎないようにしよう、という考え方はお医者さんならではの発想ですね。
それにしても実際にお会いした南雲先生、本当にお若かったです。私も暴飲暴食を反省しつつ...、南雲先生のように本能の食事を心がけたいと思いました。
南雲先生、ためになるインタビューをありがとうございました。では、また次回! 誰かのライフハックを探りに行きます!
(横尾茜)