実は、荷物が無傷の状態で無事目的地に着く確率が最も高いのは、四輪のホイールスーツケースなのだそうです。航空会社の預かり荷物を扱っている、ある従業員の方が匿名で教えてくれました。
Photo by Thinkstock/Getty Images.預けた荷物がどのようにしてダメージを受けてしまうのかについて、彼はこう語っています。
正直な話、チェックインされた荷物はかなり手荒な扱い(英語で「throwing bags」と言われます)を受けます。これを避ける方法は簡単ではありません。飛行機というのは飛んでいる間だけお金が発生するので、「地上にいる時間をできるだけ短くしたい」と航空会社が考えるのは、ある意味当然の発想でしょう。
荷物が手荒く扱われるのは「737」や「757」のような航空機を、1時間以内にまた飛べる状態にするためであって、これは避けられません。運ぶよりも投げる方が早いのは当たり前。しかも、これらの飛行機には細長い貨物置き場が2つしか無いのです。
一人の係員がベルトローダーに荷物を置くと、それが貨物内にいるもう一人の係員のところまで運ばれていきます。受け取った係員は、それを15メートル先にいる係員の所に向かって放り投げ、荷物がテトリスのように積み重なっていきます。車輪やハンドルなどはこの時点でたいてい壊れます。また、しっかりと梱包されていない「壊れ物注意」の荷物も、この際に壊れることが多いです。
彼によれば、「ワインをはじめとするアルコール類、その他の壊れ物をスーツケースに詰めるのは、プロによる梱包がされていない限りはオススメできない」とのこと。
最も安全なバッグは、スピナーズと呼ばれる四輪ホイールのスーツケースです。これらのスーツケースは転がせるので、投げる必要がありません。したがって、ダメージを受ける可能性もその分少なくなります。
これはアメリカでのケースですが、15メートル投げられるよりは、転がされた方が被害が少ないことは容易に想像できるかと思います。ということで、荷物へのダメージを最小限にしたい場合は、四輪ホイールのスーツケースを選びましょう。
預かり荷物の紛失・遅延などに関する、内部事情の告白記事の全文を読みたい方は、下記リンクからどうぞ。
Confessions of An Airline Baggage Thrower: Why You Should Buy a Four-Wheeler Suitcase | The Huffington Post
Melanie Pinola(原文/訳:まいるす・ゑびす)