ライフハッカー編集部様

最近、デジャヴがよく起こります。初めての場所なのに以前来たことがあるような感じとか、初めて話すのに、前同じ人と同じ会話をした気がするといった現象です。これは良くないことなんでしょうか? 心配すべきことでしょうか?

ちなみに、自分の友達は「以前デジャヴはよくあったけれど、ここ数年はない」と言っていました。逆にデジャヴが減っているというのは、心配しなくていいのでしょうか? それとも、いずれにしろ取るに足らないちょっとした不調なんでしょうか? 教えてください。

PN:デジャヴを経験中(Seeing Glitches)

Photo remixed from an original by istolethetv.

 デジャヴを経験中さんへ。

デジャヴとは、実に不可思議な感覚ですね。この「デジャヴ(Déjà vu)」という言葉は、フランス語で「すでに見たこと」を意味し、文字通り、実際はそうでない(もしくは、少なくとも自分はそう思っていない)のに、ある出来事や場所をすでに経験したと感じることです。

これは非常に複雑なもので、多くの理論があるものの、この現象を引き起こす原因についてコンセンサスはまだありません。心理学系ブログメディア「Psychology Today」の記事(英文)では、そのうちのひとつ、「デジャヴは、似通ったものに出会ったときに脳の記憶が起こす、極端な反応である」という研究結果を紹介しています。たとえば、以前行ったことのある場所によく似たレストランへ行くと、親密な感情が強く湧くといった具合です。

科学者たちによると、デジャヴの原因は脳の中に存在する可能性があるとか。サイエンス系メディア「Popsci」の記事では、海馬にあるはずの特定の受容体がないネズミは、デジャヴとよく似た反応をしたと述べられています。つまりこの理論によれば、デジャヴは方向感覚や新しい記憶生成をつかさどる海馬の、一時的な混乱にすぎないということになります。

デジャヴについてご心配なさっているとのことですが、ほとんどの人にとって、デジャヴに害はないようですディスカバリーの「How Stuff Works」記事(英文)によると、70%の人が「デジャヴの経験アリ」だそう。また、とくに15~25歳の人に起こりやすいようなので、デジャヴが減ってきているご友人も、まず大丈夫でしょう。

しかし、デジャヴは「内側側頭葉てんかん」と関連があります。神経科学の研究機関「Mischer Neuroscience Institute」で紹介されている事例(英文)によると、20年間デジャヴを経験した女性が、てんかんと診断されたそうです。もし、デジャヴが頻繁に起こるようなら、医療機関で受診したほうがいいかもしれません。

また、最近不安やストレスを感じていませんか? ウィキペディア(英文)では、デジャヴと不安の関連性についても言及されていますし、健康系の電子掲示板では、ストレスを抱える多くの人々がデジャヴの経験を語っています。デジャヴをなくしたいなら、ストレスや不安を軽減させると効果があるかもしれません

お役に立てば、幸いです。

ライフハッカーより、愛を込めて。

Melanie Pinola(原文/訳:松岡由希子)