編集委員のひらたです。あの大地震から2ヶ月が経過しました。まだまだ余震は続いていますが、さすがに東京では落ち着きを取り戻し、通常(というよりは停電対策と復興モード)に移りつつあるような気がします。
Photo by dh.しかし、一向に変わらないのがテレビや新聞での原発報道。5月も後半に入り、ネタ切れかと思いきや、炉心溶融だとか海水注入を止めていたとか止めていなかったとか、いろんな話が次から次に出てきました。
もちろん、手探りだった状態からやっと確からしいデータが出てきた段階なので、これまで想像や仮説で動いていたものがより分かるようになってきたと考えることもできます。しかし、それにしても「本当」はどうなのか。無益とわかっていても真実を求めたくなってしまいます。
原発の話でもうひとつ気になるのが、放射線量です。公表されている線量であれば、東京で体に影響があったり、という心配をする必要はないはず。
ですが、測定地点もそれほど多いわけでもないですし、測定までの時間も結構かかります。データが少ないことで、もしかしたら...という不安が芽生え、心配を増やしてしまっているのではないでしょうか。
なんてことを考えていた、4月のある日にTwitter を見ていると、知り合いの樋口さん(@osamuh)がガイガーカウンターキットの共同購入を募集していました。たまたまブログでガイガーカウンターキットを購入して自作した、という話がでていましたので、気になっていたところでした。これがあれば、放射線が増えたか減ったか分かるなあと思い、お願いしてしまいました。
待つこと1週間ちょっと。届いたという連絡をいただいて、ゴールデンウィークの合間に早速いただきに伺い、無事に手にいれることができました。
ちなみに、このやりとりは「お願いします」から「ありがとうございました」まで、すべて Twitter 上です。もともと知り合いとはいえ、便利になったものです。ということで手にいれたガイガーカウンターキットです。キットは一台8,240円でした。樋口さん、改めてありがとうございます。ちなみに、共同購入はもう締め切られていますので、あしからず...。
ガイガーカウンターとはなにか、知らない人のために解説すると、ガイガー・ミューラー管というガスを充填した細長い管を利用した、放射線の計測器のことです。
管の両端に電圧をかけておき、その管を放射線が通過すると、ガスが電離されて電子が流れます。この電子による電流がパルス的に流れるようになっていて、そのパルスの数を数えることで、放射線量が計測できます。
このキットだと、パルスが発生するとLEDが点灯し、同時にスピーカーから「ガ」と音がなるようになっています。つまり、この音の数を数えればいいということです。
作ってみたら上のような感じです。制作時間は2時間弱。はんだゴテを握るのはおそらく数年ぶりだったのですが、なんとか作れました。キットは剥き出しなので、たまたま手元にあった「無印良品」のペンケースにちょうど収まりました。フタもついているので、持ち運ぶにも便利です。...ってそんなに持ち運びませんが。
ちなみにキットには、「ガガガ」の音が鳴った回数を数えるモノは全く付いてきません。この状態だとガガガ...とうるさいだけです。カウンターが別に必要なのですが、それについても樋口さんのブログに紹介されています。『Geiger Bot』というiPhoneアプリで解決できます。ほかにもいろんなアプリがあるんですが、いくつか試した中では、これが一番使いやすかったです。
ちなみに、20 cpmがどれくらいの放射線の強さかというと、正確にはわからないのですが、コバルト60のガンマ線の場合での計算だと、毎時0.2マイクロシーベルト程度になります。
ということで、今月はこのガイガーカウンターで放射線を測れるようになりました。
氾濫した情報をうまく使いこなすのもライフハッカーですが、正しい情報がわからないときには、自分で確かめることも重要だと思います。今回のガイガーカウンター、もちろん正確な値が測定できるわけではないですが、放射線量の増減くらいはわかると思いますので、腕に覚えのあるかたは作ってみてはいかがでしょうか。
(ライフハッカー[日本版]編集委員・平田大治)