iPhone関連本といえば大別すると、iPhoneそのものの活用マニュアル的な本と、iPhoneアプリを網羅的に紹介した本に大別されます。本書はそのどちらでもない、iPhoneをワクワク楽しく仕事に活用するための本となっています。

そのため、紹介されているiPhoneアプリはこの種の書籍としては少なめです。しかし、活用に関してはかなり掘り下げて書いてありますし、その思想さえ理解できれば、紹介されているアプリ以外の普段使い慣れているツールでも、同じような効果が得られるでしょう。

本書の軸となるのは以下の4つです。

  • モチベーションを無限に高めるワクワク発見術
  • NO残業を実現する頭の整理術
  • イヤなことから最速で立ち直る感情コントロール術
  • 最短期間で成長できる高速学習術


続きます。

 この4つのうち僕が注目したのは、

  • イヤなことから最速で立ち直る感情コントロール術


です。

なぜなら、ほかの項目は現状をプラスにするための方法ですが、この項目はマイナスをゼロにするから。いい気分になったり、積極的に生産性を上げることも重要ですが、負の感情を引きずらないことも大切ですよね

その負の感情から立ち直る方法ですが、「zenアプリで心を静める」「励まし言葉リストを読み返す」「目標写真を眺める」「喜びの言葉を読み返す」など、確かに負の感情から解き放たれそうな方法が載っています。

そして面白いのが、怒りの感情を利用した「落ち込んでいる自分を発憤させる言葉リスト」です。

  • このままバカにされたままで終わっていいのか? あいつら影で笑っているぞ。
  • 役立たずと思われたままで悔しくないのか?
  • 侮辱されたままで泣き寝入りするのか?
  • ずたずたに傷ついたプライドのままいくのか? それともプライドを再び手に入れるか?
  • お前は、この程度の男じゃないはずだ。見くびっているヤツを驚かせてみろ。
  • お前の金であいつら贅沢している。このまま飢えていくのか?
  • このまま家族を見殺しにするのか。
  • あいつを見返して、土下座させてやる。
  • 負け犬のまま生きていくなんてこりごりだ。這い上がってみせる。
  • 俺とずっとつきあっていれば良かったと後悔させてやる。
  • 泣き寝入りなんて絶対にしない。絶対に許さない。10倍返しだ。
  • 俺が立ち上がらないで誰が立ち上がる! 泣いているヤツがいっぱいいるぞ!
  • 俺の方が優れていると証明してやる。
  • あいつだけが幸せになるなんて許さない。俺が何倍も幸せになって、羨ましがらせてやる。

なかなか過激な言葉が並んでいますが、確かに感情は揺さぶられて「落ち込んでなんかいられない!」という気分になりますね。

「iPhone仕事術」というと、都会的でスマートなアプローチが多い中で、この泥臭さが妙に印象に残りました。

ただ、実際に仕事をしていると、スマートで華やかな事ばかりではなく、むしろこういう怒りの感情が出てくる場面が多いでしょうから、そういう意味で大量のアプリを紹介している本より、真に実用的な本だと思いました。

(聖幸)