マクドナルドなど、ファストフード店で食べるフライドポテトは、カリっと香ばしく、しかもポテトの味もきちんと残っていて、美味しいですね。しかし、これを自宅で再現するのは、至難の業。カリカリになりすぎて硬くなったり、油っぽくなったり、ポテトがスカスカになったり...。そこで、こちらでは、フライドポテトを美味しく作る方法について、徹底的に研究した例をご紹介しましょう。

フード系ブログメディア「Serious Eats」では、マクドナルドの「マックフライポテト」を詳細に分析し、究極に美味しいフライドポテト作りに取り組んだ、一連の記録を掲載しています。

まず、美味しいフライドポテトとは、どのようなものでしょうか? この記事では、以下の4つを条件に挙げています。

1: 表面はサクサクだが、硬くない。

2: 中はホクホクしていて、しかもポテトの味がある。

3: 全体が黄金色で、均等に揚げられている。

4: 食べている間、サクサク感がきちんと残っている。

さて、マクドナルドで実際に使われている、冷凍のフライドポテトを裏入手した筆者は、早速、分析を開始しました。

 冷凍のフライドポテトを見てみると、小さな穴が...。どうやら、店舗に届く前に一度は揚げているようです。また、ポテトの厚みは1/4インチ(約0.63センチ)。このサイズが、表面のサクサクと中のサクサクを実現するようです。

これらの冷凍フライドポテトを、華氏375度(摂氏約190.5度)のピーナッツオイルで揚げ、3分間油切りしたあと、味付け。試食してみたところ、揚げ油には、特段の秘策は見受けられなかったそう。

さて、冷凍フライドポテトを調べてみたところ、プライドポテト作りでメジャーな二度揚げの手法を、マクドナルドも用いていることがわかりましたが、マクドナルドのある従業員による(英文)と、「一度目は低温でじっくり揚げる」という、オーソドックスな方法ではなく、一度目のフライは、高温の油に50秒だけつけるという、オリジナルな方法を使っているとか。そしてもうひとつのコツが...。揚げる前にお湯に浸すという工程があるのです。

では、なぜ揚げる前にお湯に浸すのでしょう?

ポテトは、ペクチンとでんぷん、単糖でできています。サクサクの食感を出すためには、これらの3つの要素が、バランスされることが必要。でんぷんが燃える前にペクチンが壊れてしまうと、サクサク感が失われてしまいます。そこで、余分な単糖を洗い流し、ペクチンを分解する触媒能を持つ酵素「ペクチンエステラーゼ」を活性化するために、お湯で浸すのが効果的なのだそうです。

そこで、マクドナルド方式に習い、華氏170度(摂氏約76.6度)の湯に、15分間浸したのち、華氏360度(摂氏約182.2度)で50秒揚げ、さらに華氏375度(摂氏約190.5度)で3分半揚げたところ、マクドナルドのフライドポテトが見事に再現できました。

しかし、「マックフライポテト」が最終目的ではなく、あくまでも「究極の」フライドポテトを目指す筆者が、こだわりの挑戦を続けたところ、さらに2つのポイントがわかりました。

まず、マクドナルド式では、揚げる前にお湯を浸すことで、ペクチンを活性化していたわけですが、これをより効果的に実現するコツを発見。お湯1クオート(約0.95リットル)あたり、大さじ一杯の酢を混ぜると、ポテトが損なわれず、揚げたあとしばらくたっても、サクサク感が残ったそうです。

そしてもうひとつは、ポテトの水分を保つ方法として、一度凍らせるのが有効だということ。実際、マクドナルドも1度揚げたフレンチポテトを冷凍して、各店舗に配送しています。

フライドポテトの美味しい揚げ方については、ライフハッカーアーカイブ記事「フライドポテトをカリっと揚げるとっておきレシピ」でも採りあげましたが、やはり二度揚げは鉄則のよう。1回目の前に、酢+お湯にポテトを浸し、2回目の前に凍らせるという工程を加えると、さらに本格的なフライドポテトができるようですよ。手間はかかりますが、その分、美味しさも倍増するはず! 興味のある方は、ぜひ一度トライしてみてくださいね。

The Burger Lab: How to Make Perfect Thin and Crisp French Fires

[Serious Eats]

Whitson Gordon(原文/訳:松岡由希子)