ライフハッカーたるもの、清流のような澄んだ心で仕事や人生に望みたいものです。

今回紹介する『ビジネスモデルを見える化する ピクト図解』は、その一助になるでしょう。

タイトルにある「ピクト図解」とは聞き慣れない言葉です。ピクトと略されているピクトグラムは、非常口やトイレのエスカレーターなどの案内に使われている、人型のマークなどを意味するものです。言語や文化の壁を越えて、誰にでもすぐに意味がわかるようになっています。

そのピクトグラムをエレメント(アイコン)として、ビジネスに必要な要素である「ヒト、モノ、カネ」を表し、それらを2種類のコネクタと2種類のオプションで、ビジネスモデルを表現するのが「ピクト図解」です。いたってシンプルですね。

シンプルすぎて、「えっ?これだけ?」という感じもしますが、実はこのシンプルであることこそ本質にせまる秘密なのです。

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 ビジネス競争の激しい昨今、細かい事を積み上げたり、細部まで練り上げたりというような作業が必要に思えます。しかし、大元のビジネスモデルに儲けが出ないような構造になっていては、なんにもなりません。

細かい事から積み上げていくと、大局的な発想の妨げにもなります。そこで、威力を発揮するのがこの「ピクト図解」。シンプルであるからこそ、余計な事を考えず、本質であるビジネスモデルに集中することができます。

さらに、この「ピクト図解」を、経営者、中間管理職、現場スタッフという、各レベルに合わせて書くことにより、それぞれの階層に応じた目的や、必要な要素が明確になります。これを本書では地図の縮尺になぞらえていますが、上手いたとえですね。

また、シンプルな上に、コネクタやオプションの使い方も厳密に決められていますから、他の人が作った「ピクト図解」も、自分が作ったものと同様に簡単に理解することができます。

この「ピクト図解」を手書きで作っているところをイメージすると、エクセルでちまちまと数値をいじってるときと比較して、アイデアがどんどんわいてくるような気がしますね。

「ピクト図解」を使って、既存のビジネスモデルを分析したり、新しいアイデアを出す方法も色々紹介されています。アイデアの出し方の一例としてオズボーンのチェックリストを紹介しますね。p133より引用します。

●オズボーンのチェックリスト

  1. 転用したらどうか
  2. 応用したらどうか
  3. 変更したらどうか
  4. 拡大したらどうか
  5. 縮小したらどうか
  6. 代用したらどうか
  7. 置換したらどうか
  8. 逆転したらどうか
  9. 統合したらどうか

誰も考えつかないような素晴らしいアイデアでも思いつけばいいでしょうが、なかなかそういう訳にもいきませんので、上に紹介されてるようなチェックリストがあると便利ですね。

今回のピクト図解はビジネスモデルを分析したり、アイデアを出す際にシンプルで集中でき、非常に有益と思います。そして繰り返すようですが、このシンプルだからこそ集中できて本質に迫ることができるということが、ライフハッカー的だなあと思いました。

日頃、涙ぐましく時間を節約したりとか、PCのショートカットを活用したりしながらも、時間が足りないと思う僕ですが、本質的なビジネスモデルに問題があるのかもしれない。自分自身のビジネスモデルや人生設計を「ピクト図解」で分析しなきゃ。見たくないものまでが如実に浮き出てきそうで怖くもありますが...。

(聖幸)