Windowsを更新することの実用的な価値は、どれほど高く評価しても足りません。しかし、こうした更新プログラムは便利ではありますが、インストールした後にPCの速度が遅くなることがあります。
そういった問題に悩んでいる人のために、トラブルシューティングを行って元の状態に戻す方法をご紹介します。
ところで、なぜWindows 10を更新するとPCの速度が遅くなるのでしょうか?
更新後にWindows 10の速度が遅くなる原因
Windows10を更新するのは有意義なことです。たとえば、優れたウイルス対策ソフトウェアをインストールする前であっても、有害なマルウェアやウイルスに対する最初の防衛線になってくれます。
1回の更新でセキュリティ上の欠陥を埋めるだけでなく、アプリケーションをクラッシュさせるバグも修正します。すべての更新は、PCの機能を向上させることを目的としています。
では、なぜWindowsを更新した後で、PCの速度が遅くなることがあるのでしょうか。
MakeUseOfの調査を通じて、次のようなことが主な原因になることがわかりました。
- バグのある更新
- システムファイルの破損
- バックグラウンドのアプリ
この記事を最後まで読み進めていけば、Window10を更新するにあたっての問題に悩まされることはなくなるでしょう。
1.問題の原因になった更新をロールバックする
Windows10の更新を実行してPCの速度が遅くなった場合は、その更新を行う前にロールバックすると解決できます。Microsoftには、これを実行する方法が組み込まれています。
更新をアンインストールする方法は次の通りです。
「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windowsの更新」→「更新の履歴を表示する」と進みます。
次に、「更新プログラムをアンインストールする」をクリックすると、そこにインストールされているすべての更新のリストが表示されるので、問題の原因であると思われる更新をアンインストールすることができます。
これで、Windows10の速度を遅くした更新プログラムをアンインストールできます。
2.破損したファイルを修復する
ネットワークなどの問題が原因で更新が途中で止まってしまうと、重要なWindowsファイルを破損してしまうことがあります。
その結果、システムが予期しない動作をすることがあります。その場合は、システムファイルチェッカーを使用すると損傷を修復できます。
システムファイルチェッカーは、Microsoftが開発した無料ツールで、このようなファイル破損の問題に対処する際に便利です。Windowsのシステムファイルをスキャンして修復してくれます。
システムファイルチェッカーを実行するには、コマンドプロンプトを使用する必要があります。手順は次の通りです。
1.「Windowsの検索バー」に移動し、「コマンドプロンプト」と入力します。
2.一番上の結果にカーソルを合わせ、右側の「管理者として実行」をクリックします。
3.「sfc/scannow」と入力し、「Enter」キーを押します。
スキャンが完了したら、システムを再起動します。実際に破損の問題がある場合は、この方法で解決できます。
上記の「SFC」コマンドでファイルの回復に失敗した場合は、「Deployment Image Servicing and Management(DISM)」コマンドを使用しましょう。これは、Microsoftによって作成されたもうひとつのWindows診断ツールですが、「SFC」よりも強力で、Windowsのシステムイメージファイルを修復する機能があります。
このコマンドを実行するには、上記と同様、管理者権限でコマンドプロンプトを開きます。
「DISM /Online /Cleanup-Image /CheckHealth」コマンドを実行して、イメージが破損していないかどうかを確認します。
破損の問題がない場合は、「Dism /Online /Cleanup-Image /ScanHealth」コマンドを使用するとより高度なスキャンを実行できます。
このプロセスには少し時間がかかるかもしれません。上記の手順で破損の問題を見つけた場合は、「Dism /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth」コマンドを実行して、破損したファイルをダウンロードして置き換えます。
コマンドの実行後、PCを再起動してください。SFCコマンドを再度実行して、エラーを修復しましょう。
3.バックグラウンドアプリを無効にする
Windows10を更新したらPCの速度が遅くなる問題を解決するもうひとつの一般的な方法は、不要なバックグラウンドアプリをすべて無効にすることです。
ご存知のように、Windows 10には、ダウンロードしたアプリとは別に、多くのアプリがプリインストールされています。これらのアプリは、使用していないときでもバックグラウンドで実行され続けていることがありますが、実際にはあまり必要ではないことが多いです。
そうしたアプリが実行され続けていると、本来なら空いているはずのCPUリソース(RAM、サイクルなど)を浪費してしまいます。これが、PCの速度を通常より遅くしているのです。
ですから、そうした不要なアプリは終了することをお勧めします。
手順は次の通りです。
1.Windowsの「設定」を開きます。
2.次に、「プライバシー」→「バックグラウンドアプリ」をクリックします。
3.バックグラウンドセクションで重要ではないアプリを選択し、オフにします。
PCを再起動すると、PCは通常の速度に戻ります。
4.クリーンブートを実行する
クリーンブートは、最小限のドライバーとスタートアップアプリケーションでPCを起動することにより実行され、システムに問題を起こしている新しいアプリケーションを特定するのに役立ちます。
クリーンブートを実行する方法は次のとおりです。
1. 「Windowsの検索バー」に「msconfig」と入力し、「System Configuration(システム構成アプリ)」をクリックします。
2.「サービス」タブで、「Microsoftのサービスをすべて隠す」を選択し、「すべて無効」をクリックします。
3.「スタートアップ」タブで、「タスクマネージャーを開く」をクリックします。
4.「スタートアップ」セクションで、ここにあるすべてのアプリを1つずつ選択して無効にします。バックグラウンドプロセスを右クリックして、メニューから「無効化」を選択することもできます。
5.「タスクマネージャー」を閉じます。
6. 「System Configuration」の「スタートアップ」タブで「OK」をクリックします。
上記のすべての手順を実行したら、クリーンブートを開始する準備が整います。あとはPCを再起動するだけで、クリーンブートが開始します。
5.問題がなかった時点のシステムを復元する
Windowsは、更新をロールバックできます。別のデフォルトのWindows機能を使用して時間を遡ることもできます。「システムの復元」で、PCを問題がなかった状態まで戻しましょう。
「システムの復元」は、Windowsソフトウェアファイルとレジストリを「復元ポイント」と呼ばれるスナップショットとして後で使用するために保存することで機能します。この復元ポイントを使用して、システムを問題なく動作する状態に戻すことができます。
やり方は次の通りです。
1. 「Windowsの検索バー」に、「システムの復元」と入力します。次に、「復元ポイントの作成」をクリックします。
2.「システムのプロパティ」というダイアログボックスが表示されます。
3.「システムの保護」を選択し、「システムの復元」をクリックします。
注:このボタンをクリックできないときは、システムにまだ復元ポイントがないので復元できません。
4.次のダイアログボックスで、「次へ」のボタンをクリックします。
5.目的の復元ポイントを選択し、「影響を受けるプログラムの検出」をクリックして、復元ポイントの日付以降にインストールされたときに削除されるアプリを確認します。
6.「次へ」をクリックして復元を開始します。
7.最後に、「終了」をクリックします。
復元が完了すると、システムは最後のバックアップ時の初期状態に復元されます。
注:Windows 10の速度が遅くなる問題を修正する最後の手段は、「Windowsを工場出荷状態にリセット」を使用してPCを購入した時点の新しい状態に戻しゼロから設定し直すことです。
ソリューションは他にも
Windows 10を更新した後でPCの速度が遅くなるのは大迷惑ですが、誰でもこの問題に直面する可能性があります。PCの速度を上げてパフォーマンスを向上させる方法は他にもあるので、ここでご紹介した以外のソリューションも探してみるといいかもしれません。
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Image: GettyImages
Screenshot: ライフハッカー[日本版]編集部
Original Article: Windows 10 Slow After an Update? Here's How You Can Fix It by MakeUseOf