パソコンの電源トラブルが頻発するようになったら、まず確認しておくべきことがいくつかあります。電源トラブルの原因となるものはいくつもありますが、最初のチェックで判明するものも少なくありません。

まずパソコンの電源ボタンを押したときに、電源ランプが点灯するでしょうか。もし点灯しないのであれば、機械的なトラブルだと考えられます。そして、電源を入れると焦げ臭いときは、ホコリなどが原因でショートしているおそれがあります。

これらの状態のときは、機械的な問題が起こっていると考え、自力で解決使用せずにパソコンメーカーへ問い合わせてください。

パソコン本体のファンの音がうるさいときや、逆にまったく音がしていないときは、パソコンが熱暴走を起こしている可能性があります。その結果、本体を守るためのセーフティ機能が働き、パソコンをシャットダウンさせることがあります。

パソコンは重い処理が発生するとフル稼働し、多くの熱を発生。その熱を下げる役目を担うのが冷却ファンです。熱暴走はファンの不具合か、内部にたまったホコリにより冷却効率が下がったことで、引き起こされていると考えられます。

パソコンは電力が安定的に供給されることで、安定した動作が可能になります。そのため、パソコンへの電力が供給不足になると、急に電源が落ちてしまうことがあります。パソコンへの電力供給不足が起こる原因には、過度のたこ足配線をしている、分岐タップを使用している、そのほかに消費電力の大きな機器を接続しているなどが考えられます。

こういった状態になると電力が安定的に供給されず、パソコンの動作が不安定になることがあります。足元にヒーターを接続したなど、電力を大きく消費するものが増えていないかチェックしてください。

パソコンなどの精密機器は、静電気により誤作動を起こすことがあります。長時間の使用や、内部のメンテナンス不良が原因で、パソコンの内部パーツは静電気を帯びるのです。そしてたまった静電気が誤作動を誘発し、ときに電源が落ちてしまいます。

この症状は帯電と呼ばれ、特に冬に起きやすいようです。多くは乾燥によるもので、パソコンを使用し続けるときは、湿度に注意が必要といえます。また内部にたまった静電気は、ホコリが付着する原因となるので、定期的に掃除することが重要です。

CPU とともにパソコンの性能に大きく関わるメモリは、とても重要な部品です。そこに接触不良や相性の問題があると、電源が落ちてしまいます。

もしパソコンを買ったばかりなのであれば、初期不良の可能性があるでしょう。もしくはメモリの交換か追加をした後なら、相性の悪さが影響しているのかもしれません。高性能なパソコンなら熱の影響も考えられます。

パソコンは多くのパーツで構成されています。その中でも重要なパーツが故障してしまうと、作動停止におちいるでしょう。要因として、先ほど紹介したメモリ以外にも、たとえばマザーボードや電源プラグなどがあります。

マザーボードはパソコンにおける根幹の基板部品であり、ほとんどすべてのパーツがつながっている状態です。そのどこかに不具合が起きているのかもしれません。また配線や電源ケーブルなどの経年劣化も原因のひとつになりえます。

ソフトウェアや OS などプログラム同士の干渉が、不具合を引き起こしているのかもしれません。急に電源が落ちるとき、いつも同じアプリを使用中ならソフトウェアの異常が考えられます。アップデートがされていないか、単にバグの可能性もあるでしょう。

また、不具合が連続し、エラーの蓄積が起きていることもあります。動作不良が続くようなら対策を打たないと、状況は悪化する一方です。症状の頻度が短くなってきたら、そのまま再起不能になるかもしれません。

パソコンへのウイルス感染も、いきなり起こる電源不良の原因です。CPU に強い負荷をかけるなど、パーツやソフトウェアに悪い影響を与える多くのケースが考えられます。

ウイルス感染にいたる理由はさまざまで、悪質なサイトへの訪問だったり、ネット上からダウンロードしたファイルから侵入されたり、メールの添付ファイルから感染することもあるでしょう。

あからさまな症状がでるケースもありますが、まったく見えないところで稼働している場合もあります。一度、ウイルス対策ソフトによるチェックをかけたいところです。

もっとも基本的な原因は、電源ケーブルの接続です。電源ケーブルがコンセントに挿してない、抜けてしまっているために、パソコンに電気が供給されなくて起動しなくなっています。あまりにも基本的すぎて、確かめようともしない人もいるかもしれませんが、必ずチェックしましょう。

確実にコンセントに電源ケーブルを挿していたとしても、何らかの拍子で抜けてしまうことがあるのです。足で引っ掛けてしまうだけでなく、長年使用しているうちにコンセントがゆるんでしまい、自然と外れてしまうこともあります。

また、電源ケーブルを挿している電源タップが故障して、電気が供給されないこともあります。

ノートブックを使っている場合は、接続しているバッテリーが原因になっているかもしれません。そもそもバッテリーが切れている場合は、パソコンに電力が供給されないため、動作しなくなります。

そして、バッテリーの持続時間が、極端に短くなっていることも考えられます。バッテリーは消耗品で、ある程度の年数を使い続けていると、ほとんど電気を蓄えられなくなってしまうのです。パソコンに極端に負荷のかかる作業をしているときは、それだけ電力を消費するため、バッテリー切れも早くなります。バッテリーの持続時間が極端に短くなったら、パソコンメーカーへ連絡して交換してもらいましょう。

そもそも、パソコンそのものの寿命が近づいていて、正常な動作が難しくなっていることもあります。何年も使用しているとパソコン内部のパーツが劣化したり、ホコリがたまったりしてさまざまな不具合を起こすようになります。

購入してから5年以上経っているのなら、寿命が近づきつつあります。まだ数年は使い続けられるかもしれませんが、突然故障するリスクがあります。

デスクトップパソコンの場合は、電源周りをまず確認します。ケーブルがねじれていないか、過度に曲がっていないかをチェックしましょう。もしくはコンセントが抜けかけていたり、ホコリがたまっていたりする場合は、挿し直しや掃除をしてみてください。

ノートブックだとバッテリーが付いているので、充電不足かどうかを最初に確認します。また、充電ケーブルの接触不良も気にしたいところ。充電が途切れている可能性もあるでしょう。

デスクトップとノートブックどちらにもいえることは、コンセントから電源を直接取ってみるという点です。分岐タップから取っている場合は、他の機器に電力を持っていかれているかもしれません。突然のシャットダウンにつながっている可能性があります。延長コードを使用している場合も同様です。

それでも直らない場合は、電源ケーブルの内部で断線しているのかもしれません。過度にねじれていたり、折れ曲がったりしている場合は、新しいものに変えてみるのもひとつの手です。

パソコンの熱暴走が原因だと考えられるなら、周辺環境の整理をお勧めします。放熱が上手くいけば、熱の上昇を抑えられるためです。たとえばパソコン本体周辺に物を置いてはいないでしょうか。排気口や吸気口をふさいでいると、空気の流れが悪くなり熱暴走につながります。

また、ノートブックを柔らかい布の上で使用してはないでしょうか。こちらも通気孔をふさぐ形になり放熱を阻害してしまいます。

自己責任のうえ、自信のある方にお勧めの方法となりますが、PC を分解して行うメンテナンスも有効な対処法です。内部のホコリを取り除き、ファンをきれいにすることで放熱環境を改善できます。その際、電源は必ず切って作業しましょう。静電気には十分注意してください。

帯電している可能性が高い場合は、放電を行うと不具合が解消される場合があります。以下に放電方法を記載しますが、バッテリーを取り外せないタイプのノートブックには対応していないので注意してください。

【放電方法】

1. 起動中のアプリをすべて終了する
2. ディスク・USB メモリ・SD カードなどを取り出す
3. パソコンの電源を切る
※完全シャットダウン (Shift キーを押しながらシャットダウン) を推奨
4. すべての周辺機器と電源ケーブルを取り外す (ノートブックは AC アダプターと内蔵バッテリーも)
5. 90 秒以上放置して放電する
6. 電源ケーブル、AC アダプター、内蔵バッテリーを元に戻す
7. パソコンの電源を入れる

ある特定のソフトウェアの使用で、電源が落ちる不具合が発生している場合は、アンインストールしてみるのもひとつの手です。ソフトウェアが原因の場合は、不具合を解消できるかもしれません。アンインストール後は再起動を忘れずに実行しましょう。

それでも再発する場合は、別に原因があるのかもしれません。大元のソフトウェアである Windows などの OS が不具合の要因になっていることもあります。OS の復旧は、ソフトウェアのように簡単にアンインストールとはいかないです。データを失うなど、リスクをともなうため無理して行わないほうがよいでしょう。

パーツの故障が原因で、突然パソコンの電源が落ちてしまうのなら、専門業者への修理の依頼をお勧めします。もし不具合の元になっている部品が特定できているなら、部品交換を依頼しましょう。そうすることで、パソコンを普段通り使い続けられます。

パソコンの分解は専門知識がないと壊すリスクがあるため、業者を利用したほうが安心です。ただし、保存できなかったデータを復旧することはできないので注意しましょう。

パソコンの構造上、常にファンによる冷却が必要です。ホコリやごみは、空気の循環により パソコン内部へたまっていきます。これらが蓄積していくと、熱暴走により突然電源が落ちる事態に発展するでしょう。

したがって、定期的に掃除を行うことが大切。普段から通気孔にたまったホコリを取り除いておきましょう。そして少なくとも年に一度は、内部まできれいにしておきたいところです。分解をともなうので、業者への依頼をお勧めします。

大きなデータの処理や、マルチタスクでの作業はパソコンに大きな負荷がかかります。処理能力を超えた場合は、急に電源が落ちることもあるでしょう。また、室内の温度にも注意したいところ。室温が高いと冷却効率が下がるため、こちらもパソコンの高負荷につながります。

重いデータを扱い、さまざまなアプリを開いて作業する方は、パソコンの性能が高負荷に耐えられているのか見直すことが大切です。動作が重く、フリーズすることもある場合は、パソコンの買い替えをお勧めします。より性能の高いモデルを選ぶと、生産性が上がり快適な作業環境が手に入るでしょう。

ウイルスの侵入を防止するためにも、ウイルス対策ソフトをぜひ導入しましょう。ウイルスによる故障のリスク軽減や、電源が落ちる不具合を防ぐなど、大事な役割を果たすためです。

特にビジネスシーンでは、ウイルス対策ソフトが必須といえるでしょう。情報漏えいや、データを失ってしまうと、信用に関わるためです。また、ウイルスは思わぬところから侵入してきます。自分で対処するには限界があるため、対策ソフトはぜひ導入したいところです。

青い背景に白い文字の画面を「ブルースクリーン」といいます。この画面が表示されるのは、重大なエラーがあったときです。メモリの故障やストレージの異常など、ハードウェアの異常が考えられます。もしくはアプリやドライバー、Windows の更新プログラムなど、ソフトウェアにより引き起こされることもあるでしょう。

ブルースクリーンが表示されたときの対処法としては、そのまま何もせず自動で再起動されるのを待ちましょう。10 分以上経っても再起動されない場合は、強制終了をかけ、電源ボタンを押し起動をかけます。上手くいけば正常に復帰するでしょう。

もしくはセーフモードで起動できるか試してみてください。起動できたらシステムの復元をかけてみるのもひとつの手です。パソコンを過去の状態に戻すことができます。ただしデータを失うリスクをともなうため注意が必要です。データを残しておきたい場合は復元を行わずに修理へ出しましょう。

意図せず再起動がかかることも不具合だといえます。本来であれば、再起動が必要な場合ユーザーへ通知されます。通知なく勝手に再起動するのなら、Windows のシステムエラーか、一部のソフトウェアの異常が考えられるでしょう。

突然の再起動への対処法として、Windows (OS) を再インストールする方法があります。OS が原因となっている場合は、この方法で不具合が解消するでしょう。

不具合を起こすソフトウェアがいつも同じであれば、そのソフトウェアをアンインストールしてみてください。それで解決することがあります。どうしてもそのソフトウェアを使いたい場合は、再びインストールして様子を見てみましょう。同様に再起動がかかってしまうなら、対策用のアップデートが来るまで待つしかありません。