mixiとFacebookの違いが1分でわかる・・・上級者編

2011年7月10日

先日に引き続き、好評のシリーズです

今年の1月から会員数爆増して380万人のFacebook。去年に日本語対応してから3倍だ。この人数は一ヶ月以内にログインしている数なので、同様のmixiは調査データでは1000万人ということだから、1/3まで来た。

しかしFacebookはスーパー高機能ゆえに設定がかなり難しいため、リテラシーの低い人、携帯の依存度が高い人はかなり無理っぽいということは前回書いた。ユーザーから見える範囲の機能ではなく、実際のシステム的な面ではしかしながらフェラーリと原チャリくらいの差がある。

一番大きな違い。それはユーザーの挙動を分析しているかどうかの差である。

Facebookはすべてのユーザーの挙動をアルゴリズム化して分析して蓄積している。mixiはやっていない(できていない)はずだ。この技術ってものすごくて、グーグルやAmazonをも完全に凌駕していると思う。Amazonのリコメンドは優秀だが、ユーザー数が違いすぎる。Facebookは8億人のユーザーがなにをしたかどういう傾向かをすべて記録して分析しているのである。だからその人にあった広告がでるし、「この広告は興味がない」と指定すると興味がありそうな広告を探してくる。交流がある「友達」と似たタイプを推薦してくる。
また、この点はユーザーにとっては非常に大きな意味を持ってくる。友人の柳本さんが出席した先日のFacebook日本支社長のセミナーで語られたのだが・・近いうちにこうなる。すでにハンドルネームでは削除されているのであるが・・・

1 複数アドを取っているユーザーには出て行ってもらう
アルゴリズムは実装済みで簡単に見破れる

2 犬猫や風景の写真にしている人にはアラートを出し、それでも変更しない場合は削除

3 知らない人に友達申請を出しまくる人も、Facebookにはいらない人なので出て行ってもらう。Facebookは既知の友人か、友人の紹介で友人を増やしていくシステム。アフリエーターやナンパ師やスパマーなどは不要だということだ。最近増殖しているギャル系の写真貼りまくりの友人全てギャル系というどうみても出会い系業者はたたき出されるだろう。

4 国籍や住所も、嘘を書いていたり変更ばかりをする人は削除

という徹底したことをするそうである。写真も他人の写真を使うと「なりすましている」ということになり、これも簡単に見破れるという(実際、簡単だと思う) 、mixiでは詐欺行為が多発して非常な問題になっているが、詐欺を起こすための行動分析もアルゴリズム化されているだろうから、facebookではやりにくいし、住所や電話が嘘でもばれるはずだ。住所を検索して実在かどうかを確認するのは簡単だし、電話だって自動でSMS送って(日本でももうすぐキャリアが関係なくなるし)本人確認すればいいだけ。つまりかなりセキュリティが高くなる。

そして、これができる理由はそもそもの

ビジネスモデルに対する考え方の大きな差

である。

映画「ソーシャルネットワーク」見たら出てくるが、Fcaebookはかなり大きくなるまで広告を入れなかった。普通の商品広告をいれてもクールじゃないと判断したからである。しかしmixiの場合は最初から単純なバナーの広告モデルで、しかも金額が1週間単位だったりするので価格が高いから大手企業中心。今回の震災の影響で一斉にスポンサーが自粛して利益8割減になってしまった。Facebookはアドワーズと同じで個人レベルから出稿できるからそれほど影響は受けない。

一番違う点がMixiは広告は単純バナーで、ユーザー側が選べないこと。Facebookは不要な広告を落としていくことができる。つまり適正な広告を適正な人に渡す。これがじっさいどのような差かというと、mixiは公称会員数を減らすことができないのである。公称2000万人から重複ユーザーや変なユーザー落として1000万人にしましたと言えば、広告価値は半額になる。だから「死んでいるユーザー含めた登録会員数」が重要であり、詐欺を働いてもなかなか削除されないし、複数アドとって嫌がらせしても同様だ。事務局は全く動かないし、そもそも行動解析のアルゴリズムがないのでまともに対処できない。「会員同士でお願いします」になる。

Facebookは登録会員数はそれほど重要ではない。それよりも実際に能動的に動くユーザーが重要なのである。行動分析をしているから詐欺をしたり複数アドで動いたらすぐわかる。そして死んでいるユーザーはそもそも会員数に数えていないし会員とも思っていない。

こう書いてくるとわかると思うが、初心者編では

mixiは新規の友人を作り、Facebookは既知の友人のネットワークを作ると書いた。

上級者編では

○Facebookは実際の自分をベースにしてネットワークを広げる。
●mixiは架空の自分で架空の世界を作っていく

ということが言えると思う。
逆にいうと、たとえば引きこもりだったり、友達がいないタイプはmixiでは活躍できても、Facebookでは難しい。必然的に優秀な学生だったり、社会にでて積極的に活動しているタイプが中心になるだろう。もともとハーバード大学の学生のために作られたSNSだから当たり前と言えば当たり前なのだが。
実際、日本版では「コネクションサーチ」という機能があり、自分の大学の先輩を捜したり、企業の担当者を捜したりできる。これはなんとリクルートとFacebookが共同開発して実装したものだそう。日本の就活はこういう動きになるということで話を持ちかけてすぐに動いたそうだ。今後、リテラシーの高い、自己アピールをしっかりできる優秀な学生は、Facebookを中心に就活することになると思う。

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