社会情報システム概説
―コミュニケーション・メディア・情報技術の観点から―
「情報システム」は、文明の萌芽から現代へと至る社会の変遷を主導し支えてきた社会システムの根幹といえる。
本書では、情報システムを、人々に情報を想起させる情報メディアを保存・管理したり運び届けたりする仕組みのように狭義に捉えるのではなく、社会生活を営む人々のコミュニケーションの一様式として社会的に捉えることで、複雑に入り組んだ迷宮のようなその全貌を解き明かす手がかりを示す。また、情報システムの核となる情報技術の行方について、示唆を得るための視座と分析枠組みを提示する。
1.1 日常的風景としての情報システムの認識
1.2 情報システムを形作る情報メディア
1.3 情報システムとしてのコミュニケーション
1.4 社会に息づき社会を形作る情報システム
第2章 文明としての発展経緯
2.1 情報メディアの発展段階
2.2 情報メディアの成立過程
2.3 情報メディアをめぐるシステムの歴史的変遷
2.4 自立を超えて「自律」を要請される情報システム
第3章 デジタル情報技術による情報システムの顕在化
3.1 デジタル情報技術による情報システムの認知
3.2 デジタル情報技術による情報システム機能の変革
3.3 デジタル情報技術のアナロジー
3.4 人を支え,人が支えるデジタル情報技術
第4章 情報システムとしての情報概念
4.1 情報の認識
4.2 情報に対する価値感から見た特徴
4.3 情報の量と質
4.4 自身の情報システムが形作る情報の認識
第5章 組織活動を支え育む情報システム
5.1 情報システムとしての組織の認識
5.2 情報システムとしての組織の生態
5.3 組織を形作り解体する情報システム
5.4 情報システムの運用がもたらす組織の雰囲気
第6章 情報システムとしての社会の様相
6.1 人々にもたらされる情報空間の変遷
6.2 デジタル情報技術がもたらす情報空間の特性
6.3 情報行動の変化がもたらす社会の諸相
第7章 情報システムというメディアを捉える視点
7.1 社会的な文脈に依拠するメディアとしての捉え方
7.2 情報システムの射程と関与する事象
7.3 技術と社会が織りなす相互作用のダイナミズム
7.4 メディアとしての情報システムの特性
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