こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。
先日、東京に住んでいる親戚から連絡がありました。
"そろそろ今住んでいる家の更新の時期なのだけれど、更新料ってどのぐらいかかるの?"
親戚は今回東京に住んで初めての更新だったのですが、九州とはどうやら勝手が違うようです。
詳しく聞いてみると九州の物件で更新した時には1万円程度で済んだということでした。
東京の物件の多くは更新料を取る物件がほとんどなので、契約書から費用を算出し目安を伝え事なきを得たのですが、更新料は地方によって異なるようなので調べてみました。
地方によって更新料を取る地域と取らない地域がある
国土交通省が平成19年に発表したデータを参考に暮らしっく不動産でデータを編集したもの
参考データ:国土交通省 民間賃貸住宅に係る実態調査(不動産業者)
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha07/07/070629_3/02.pdf
平成19年の調査データということで少々古いデータになりますが傾向はつかめるかと思います。
- 東京
- 神奈川
- 埼玉
- 千葉
- 京都
上記の5都道府県のエリアに関しては全体の50%超えの物件が更新時に更新料の請求があるようです。
確かに私は東京エリアの物件情報を毎日見ていますが、更新料ナシという物件は、ほとんどといっていいほど見たことがありません。
(東京65%となっていますが、個人的な感覚だと90%は更新料有りの印象です。)
先程の親戚の話に戻すと福岡で23.3%ということなので更新料がある物件ではなかったと推測されます。
おそらく"火災保険料"の更新料程度ではなかったのかと推測されます。
逆に下記2府県は更新料は取らないようです。
- 大阪
- 兵庫
更新料の平均月数
国土交通省が平成19年に発表したデータを参考に暮らしっく不動産でデータを編集したもの
参考データ:国土交通省 民間賃貸住宅に係る実態調査(不動産業者)
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha07/07/070629_3/02.pdf
更新料が1ヶ月以上の都道府県
- 東京
- 千葉
- 京都
上記3都道府県は更新料が1ヶ月以上かかるエリアです。
京都に至っては1.4ヶ月の更新料のようですね。
国土交通省が平成19年に発表したデータを参考に暮らしっく不動産でデータを編集したもの
参考データ:国土交通省 民間賃貸住宅に係る実態調査(不動産業者)
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha07/07/070629_3/02.pdf
大阪・兵庫は得なのか?
大阪 | 兵庫 | |
敷引金(償却)割合(%) | 29.9 | 96.0 |
敷引金(償却)平均(月) | 3.1 | 2.8 |
国土交通省が平成19年に発表したデータを参考に暮らしっく不動産でデータを編集したもの
参考データ:国土交通省 民間賃貸住宅に係る実態調査(不動産業者)
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha07/07/070629_3/02.pdf
更新料のかからない大阪・兵庫ですが、実際お得なのでしょうか。
他の項目を見てみると敷引金(償却)の項目がありました。
サンプル数(この調査での有効回答数は175社とのこと)が少ないのと物件にもよるとは思いますが3ヶ月近い金額が敷引としてひかれています。
更新料は取らないけど、敷金が高くしかも戻ってこないというのが大阪・兵庫の特徴のようですね。
同じく敷引の割合が高い地域としては福岡も挙げられます。
福岡 | |
敷引金(償却)割合(%) | 89.0 |
敷引金(償却)平均(月) | 2.6 |
国土交通省が平成19年に発表したデータを参考に暮らしっく不動産でデータを編集したもの
参考データ:国土交通省 民間賃貸住宅に係る実態調査(不動産業者)
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha07/07/070629_3/02.pdf
福岡も更新料が比較的少ないエリアではありましたが、敷引に関しては実に9割近い物件が適用されているようです。
入居する時にお金がかかるのか、更新する時にお金がかかるのか、出る時に戻ってくるお金が少ないのか。というように、入居から退去までのプロセスの中でどこのステータスでお金が取られるかで地域差があるというのが正しいのかもしれません。
この資料には更新料を取る理由も書かれています。
更新料を取る理由
1.家賃が低い分の収入を確保 | 25社/117社 | 21.4% |
2.損耗を補修するための財源 | 24社/117社 | 20.5% |
3.大規模修繕を行うための財源 | 7社/117社 | 6.0% |
4.立ち退き料の支払い等への備え | 5社/117社 | 4.3% |
5.一時金を払えない人は不安 | 17社/117社 | 14.5% |
6.一時金収入として見込んでいる | 62社/117社 | 53.0% |
7.長年の慣習 | 59社/117社 | 50.4% |
8.その他 | 25社/117社 | 21.4% |
国土交通省が平成19年に発表したデータを参考に暮らしっく不動産でデータを編集したもの(複数回答可)
参考データ:国土交通省 民間賃貸住宅に係る実態調査(不動産業者)
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha07/07/070629_3/02.pdf
更新料を取る理由を見てみると、下記の理由が多いことがわかります。
- 一時金収入として見込んでいる
- 長年の慣習
建物の修繕やもしもの時の立ち退き料という理由もありますが一時金収入や慣習というのが多いようです。
昔からごくごく自然に行われている事というところでしょうか。
ちなみに法的な観点からみると更新料を取ることは現状の出ている判決では違法ではありません。
まとめ
地域によってかなり更新料には差があることがわかりました。
地方から初めて出てくる人は驚くかもしれませんが、東京は更新料がある物件が(私の体感としては)ほとんどです。
- 更新料1ヶ月
- 火災保険料
- 保証会社の更新料(保証会社利用の場合)
このあたりが更新時にかかってくる費用なのですが、相場よりも賃料が安い物件や少し郊外の物件になると"更新料1ヶ月"+"更新事務手数料0.25ヶ月"+"更新事務手数料にかかる消費税"というケースもあります。
参考にしてみてください。