こんにちは、司法書士の尾形です。
これが初投稿となります。どうぞ、よろしくお願い致します。

また、ぼくは他に一般社団法人日本スポーツ協会という団体の理事をやっておりまして、
今後、その立場からもスポーツに関する記事を投稿させていただく予定です。
乞うご期待ください!

相続の登記

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さて、それでは本題に入らせていただきます。

相続放棄や相続税の申告等一部の手続とは異なり、相続登記自体にはこれといった期限はありません。
極端な話、ずっと放置していても特にお咎めはないわけです。

とは言え、放置を推奨しているわけでは決してありません。

なぜなら期間を置くことでより面倒な事態が発生することがあるからです。
ちなみに預金口座であれば放置から10年で銀行の収益になってしまったりしますのでご注意を。
(※この度、休眠預金活用法なるものが国会で可決されましたので、今後は銀行の収益ではなく、福祉等に運用される流れとなっていくものと思われます。)

不動産を相続した場合、取るべき手段は概ね次の5つに分けられます。

  1. 売却
  2. 賃貸
  3. 住み続ける
  4. 住みはしないが管理だけを行う
  5. 放置(特に何もしない)

相続のときの売却、賃貸について

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まず、相続時に不動産を売却する、賃貸する場合について。

不動産を売却するにしろ、賃貸に出すにしろ、その契約者となるのは所有者(または所有者から委任を受けた者)です。
そのため、その前提として相続登記が必要となってきます。

亡くなられた方が売主や賃貸人にはなれるわけではありませんし、当然委任をできるわけでもありません。
あくまで亡くなられた方の相続人が契約者たる地位を受け継ぐわけです。
よって、少なくとも売却、賃貸を検討されている場合は、早めに相続登記を済ませてしまいましょう。
そうしないと、せっかく買う人借りる人が見つかった時に迷惑をかけてしまいかねません。

住み続ける、住まないけど管理だけする場合。
放置だけはよくない。

続いては3と4。
ご自身で住む場合、または住まないけど管理だけする場合についてです。

これらは売却、賃貸とは異なり第三者が絡みません。
そのため、特別相続登記を急ぐ必要はないように思えます。
確かにそこまで急ぐ必要はないのですが・・・

3の住む場合、または4の住まないけど管理の結論の前に、5の「放置(何もしない)」についての注意事項をお話しさせていただきます。

相続登記をするしない以前に、これはとにかくお勧めしません。
特に家屋を相続された場合などはなおさらです。


人の住んでいない家屋はとにかく痛みます。


少し大袈裟かもしれませんが、あっという間に廃墟になっちゃいます。
例えば瓦が飛んで通行人に直撃したり、一部が崩れて隣家に倒れかかったりすれば、その責任は不動産の所有者にかかります。
既に所有者が亡くなられている場合は、その責任を相続人が代わりに負ってしまうのです。
そのため、せめて最低限の管理を行いつつ、適宜、売却等の処置を講ずることが賢明と言えるでしょう。

写真は5の「放置(何もしない)」となってしまった物件。
相続後、10年ほど放置された家のベランダの下。
老朽化が進んでおり、このままベランダを使うことは出来ない状態に。
鉄も腐ります。

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結論

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さて、それでは結論です。

理由はどうであれ相続登記を急いで行った方が良い最大の理由は、相続人の変化です。

確かにこの手続に期限はありません。

ただし、相続人の置かれた状況は常に変化していきます。
例えば、相続が発生した当時は良好な関係も、長い期間を経ていざ手続を行う段階で全く同じとは限りません。
相続人の誰かが離婚しているかもしれませんし、子供にお金がかかる年齢になっているかもしれません。

もしくは、生き物ですから亡くなってしまう可能性だってあります。
尚、上記のように更に相続人が亡くなってしまった場合は、相続人自体が変化します。
相続人の相続人(配偶者や子供)が新たに当事者になってしまい、せっかくまとまっていた話も一からやり直しといった事態も・・・
そうなってしまうと、3のような場合は、そこに住み続ける事が叶わず売却をしなければいけなかったり、住み続けるために身銭を切らなければならなかったりする可能性も生じかねません。

では、相続登記を行うにあたって適切なタイミングはあるのでしょうか?
もちろん、置かれている状況は人それぞれなので、一概にこうと言えるものではありません。
また、あまりにも早急に進め過ぎてしまうと、他の親族やご近所の目もあるでしょう。

そのため、よくぼくが提案させていただいているのは、特別何も意向がなければ、四十九日の法要が終わったあたりです。
私的にはそれが早過ぎず、遅過ぎずというタイミングだと思っております。
とは言え、これはあくまで一例であり、各相続人の状況にあわせて慎重に決定すべき事項です。
大切なのは時期そのものでありません。
いつでもいいやではなく、状況に併せてなるべく早く手続を行おうとする意識そのものです。
その結果、数年が経過したのと、放置して数年が経過したのとでは大きく意味が異なります。

まだ、相続登記がお済でない方はご参照下さい。