オランダ生まれのジュネヴァを飲みに行ってみる
「オランダで生まれ、イギリスで洗練され、アメリカで栄光を与えられた」
と言われているジンですが。
そのジンの元となったのが、オランダで生まれたジュネヴァです。
わたしたちがふだんジン・トニックなどで飲んでいる「ドライ・ジン」が、
「ロンドン・ジン」「イングリッシュ・ジン」と呼ばれるのに対して、
ジンの元祖であるジュネヴァは、「オランダ・ジン」
とも呼ばれています。
ドライジンと同じくらい度数は高いのに、甘くておいしくてとても飲みやすい。
危険ですね……。
そのジュネヴァのテイスティングバーがアムステルダムにあるということで、行ってみました。
『Wynand Fockink(ワイナンド・フォーキング』
というお店です。
小さな路地の奥にある小さなバー『Wynand Fockink(ワイナンド・フォーキング』
お店はいわゆる、飾り窓地区と言われる地域の、小さな路地の奥にあります。
ちなみに飾り窓とは売春宿のことで、その名のとおりピンクに妖しく照らされたいくつもの窓から、下着姿のおねえさんとかおばさんとかが手招きしているところです。
と言うとなんだかちょっと怖いとこみたいですけど、慣れると大丈夫です。
運河沿いの大きな通りから、小さな路地へと入っていくと、
緑の文字で『Wynand Fockink』の看板が見えます。
小さなお店なので、路地にも立ち飲み用のテーブルがいくつかあって、
楽し気に飲む人たちであふれています。
中も立ち飲みで、イスはありません。
基本的にはキャッシュオン形式です。
棚にはいくつものジュネヴァが並んでいて、棚がたわんでいるのもなんとも味わい深い。
しかしあまりの種類の多さに、どれを飲めばいいかわからない……
でもお兄さんがちゃんと相談に乗ってくれるので安心です。
何種類かのジュネヴァをブレンドしたり、レモンをしぼったりと、
お兄さんが実に手際よく、わたし好みのお酒をつくってくれます。
うっとり。
ちなみにこの写真は何杯目かのやつなので、となりに飲みかけのビールがあります。
地元っ子の真似をして、チェイサーにビールやってみました。
ジュネヴァは甘いので、ビールで口直しは確かにいいです。
でもその甘さに油断は禁物!
度数はウイスキーと同じ、40度くらいあります!
ですがわたしが泊まる宿はここから近いので、調子に乗って飲みます。
度数を感じることなくぐいぐいイケちゃいます。
見よ、この表面張力!
これはプラムのジュネヴァだったかな?
少しずつそそぐんじゃなくて、一気にそそいでこぼすことなく、この表面張力をつくりだすスタッフのテクニックはさすがです。
でもこれだと持ったらこぼれますよね。
なので最初はみんな、かがんでグラスに口をつけて、こぼさないように一口すする
というのが正しい飲み方だそうです。
てか、それしかないですよねこれじゃあ。
156㎝のわたしの目線で見ると店内はこんな感じ。
なんと、オランダ人男性の平均身長は「184㎝」だそう!
マジっすか。
せまい店内に、こんなにも大男たちがたくさんいるのがなんだか笑けてきます。
なんとわたしは省スペースであることよ。
そして優しい大男たち。
3杯くらいごちそうになっちゃいました。
あざーっす。
ジュネヴァはだいたい1杯3.5ユーロ(420円)くらいでした。
バーにはショップが併設されていて、
さらにその隣では、ジンの蒸留の過程を見学することもできます!(要予約)
結局ジンとジュネヴァって何が違うの?
材料と製法の違いが、味の違いにつながります。
【材料】
ジュネヴァの方がジンよりも麦芽を多く使っているので、麦芽の香りが強くでます。
【製法】
ジンは、1回蒸留してできた酒(スピリッツ)に様々な香り付け原料を漬け込んで、それをさらにもう1回蒸留。
ジュネヴァは、蒸留する前の原酒(醸造酒)に香り付け原料を漬け込み、1回だけ蒸留。
【味】
ジンは2回蒸留しているのでスッキリした味わい
ジュネヴァは1回だけの蒸留なので、濃厚でコクのある味わい
・・・・・・
って感じでしょうか。
女性だけでなく、男性も注意しなきゃいけないくらい、おいしくて飲みすぎてしまうジュネヴァ。
ぜひトライしてみてください。
リキュールでおなじみのボルスはアムステルダムに本社があって、そこは本社であると同時に、体感型ミュージアムとしても楽しめるようです。
同じお金を払うなら、街で実際にいろんなジュネヴァを飲んだ方がいいやーと思って、
わたしは『Wynand Fockink(ワイナンド・フォーキング』に通って飲んでばかりいましたが……。
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