【雑誌紹介】 大人こそ無知の塊では? 『季刊・教師の友』2025年1,2,3月号

 特集「招きと祝福」。「子どもを祝福する務めを担おう!」と題し、日本基督教団蒔田教会牧師の古谷正仁がマルコ福音書10章13~16節から、イエスの子どもとの関わり方を考察する。

 「私たちはここから、主イエスの子どもたちへの愛を感じ取ることができます。それは、単に子ども好きというのではなく、主は、私たちをも含めたいわゆるおとなに、『確かに子どもは、さまざまな事柄に無知かもしれない。しかし、わかったつもりになっているおとなこそ、無知の塊なのではないか』というメッセージを、行動を通して示されたのです。ですから私たちはまず、『自分が子どもをどう見ているか』について顧みなければなりません」

 「教会教育の現場において私たちは、『将来の教会を背負う存在』として勝手に子どもに期待を寄せ、自分たちの気に入る子どもとして育てようとしていないでしょうか。大切なのは、子どもたちを、神から与えられた『共に生きる仲間』として見ることです。それが、子どもたちを祝福する前提となります」

 「また主イエスは、『はっきり言っておく。子供のように神の国を受け入れる人でなければ、決してそこに入ることはできない』(10・15)と言われました。神の国(救い)は純粋に神からの贈り物です。これも私たちおとなに気づきを促す言葉です。おとなに依存しなければ生きていけない子どものように、自分も、神や他者に頼らなければ、正しい道を歩むことはできない。子どもたちに助けられて、そういう自分自身を深く見つめ、愛し選んでくださった神を信頼し、信仰者として育てられる歩みを続けることが大切なのです」

 カウンセリングオフィスお茶の水代表の村上純子(聖学院大学教授)による【連載=どうして、そういうことをするの?――子どもの行動の奥にあるもの】。最終回は「CSを安心できる場所にしよう」。

 「CSでは子どもたちに優劣をつけたり、評価をしたりしません。だからこそ、CSは子どもたちが安心できる場所になりえるのです」

 「子どもが安心できる場所とはどんな場所でしょうか? 自分のことを見てくれて、言いたいことをちゃんと聞いてくれる人がいるところです。「聞いて!」と言ったときだけでなく、言いたいことがあるのに言えないときにも「どうしたの?」と声を掛けてくれるような人がいるところです」

 「先生たちのちょっとした声掛けや温かいまなざしがあるだけで、CSは子どもたちが安心して自分らしくいられる場所になります」

【本体1,527円+税】
【日本キリスト教団出版局】

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