ハヤカワepi文庫<br> 負けた者がみな貰う―グレアム・グリーン・セレクション

ハヤカワepi文庫
負けた者がみな貰う―グレアム・グリーン・セレクション

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  • サイズ 文庫判/ページ数 175p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784151200304
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

さえない中年会計係のぼくと若い恋人のケアリーは、つましい結婚式を計画していた。ところが、勤め先の有力者の気まぐれな勧めにさからえず、高級リゾートのモンテ・カルロで式をあげることに。市長立会いの挙式、美しい海、そして豪華ヨットが待つ港町へむかったぼくたちはしかし、ギャンブルをめぐる不器用な愛のすれちがいにはまりこむ―丸谷才一の名訳で贈る巨匠の異色恋愛喜劇。著作リスト・年譜を収録した保存版。

著者等紹介

グリーン,グレアム[グリーン,グレアム][Greene,Graham]
イギリスを代表する作家であるとともに、20世紀のもっとも偉大な作家のひとり。1904年10月2日、ロンドン北西のバーカムステッド生まれ。オックスフォード大学卒業後、1926年から『ザ・タイムズ』に勤務。1929年に『内なる私』で文学界に登場した後、『ザ・タイムズ』を退社して作家活動に入る。第二次大戦中は情報活動に従事していた。『ブライトン・ロック』(1938)と『権力と栄光』(1940)で作家としての地位を確立し、『事件の核心』(1948)、『情事の終り』(1951)で世界的な名声を得た。代表的なカトリック作家で、自らの作品を「ノヴェル」と「エンターテインメント」に分類したことでも知られる。1991年4月3日死去

丸谷才一[マルヤサイイチ]
1925年生、東京大学文学部英文学科卒。作家・英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星落秋風五丈原

44
タイトルから想像されるのは賭けごとだろうが、ルーレットを回る玉のように、お互いの心がつかめず行き違ってしまう、結婚を控えた男女の心理ドラマがメインだ。丸谷才一さんの訳が、とてもおしゃれ。ぼくとGOM氏の会話はボードレールの詩『旅への誘い』の一節「そこに全ては整いと美と栄華と悦楽と静けさと。」を踏まえているわけで、こういう言葉が会社の中でさらっとで交わせるというのはどういう会社なのだろう。2017/10/18

くさてる

23
結婚式を予定した主人公が、勤め先の有力者の気まぐれでモンテカルロで式を挙げることになって……というお話。ギャンブルの部分は正直言ってよく分からないのですが、どうなるか分からない展開に合わせるように揺れ動く女性の可愛い心理が良く出てて面白かったです。ラストの余韻も素敵。洒落たタイトルだなあと思ったのですが、なるほどここで出てくるのか!というところで出てきたので満足でした。2022/07/11

藤月はな(灯れ松明の火)

17
ギャンブルで金を手に入れたことで今まで貧しくても存在していた愛が離れていく様は頭を抱えたくなるほど見事に描写されていて舌を巻きました。題名が表すように「負けた者がみな貰う」のだ。2011/03/06

神太郎

16
新婚夫婦(夫の結婚は2度目)による、ハネムーン先の所にあるカジノを通じての二人の愛の破綻と再生を描くという作品。短いながらもテンポの良い主人公の男女のやり取りが読んでいて楽しい。途中破綻しそうになった時にはどうなるかと思ったがハッピーエンドだったのでホッとした。確かに金はあるに越したことはないが、ケアリーの語る「幸せ」というものこそ「結婚生活」には大事なことなんだろうな。ケアリーの一言一言が的を射ており返す言葉もない。シリアスとエンタメをここまで書き分けられるグレアム・グリーンは凄い。2018/02/17

きりぱい

11
雇い主の気まぐれな気遣いで結婚式の予定が変わってしまったカップル。ギャンブルを楽しみだしたことから、二人の仲が狂い始める。勝つ方がいいのか、負ける方がいいのか、そもそもしない方がいいのか、つましく寄り添っていた時は幸せだったのに、大金が手に入ると妻の心が離れてゆくなんて。ギャンブルという味付けで、苦くて甘いロマンスがスピード展開。2010/05/31

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