本日、SEO関連の記事を探していると、
被リンクは悪!これまでの常識が変わった2014年からのSEO対策 | Life Hack Lab
このような記事を発見しました。
間違ったSEOの知識が書かれており、はてなブックマークで、「勉強になりました」、「被リンクがよくわかりました」とコメントを書かれているユーザーがいました。
この記事を読んで、情報がひとり歩きなどしても、困りますので、どの部分が間違っているのかを書いていきます。あとで尻ぬぐいをしないといけないのは私かもしれませんので。
被リンクとは”はってもらう作業”
被リンクとは、他サイトや他のページからリンクを張ってもらう作業です。
本当に被リンクとは”リンクを張ってもらう作業”なのでしょうか?
仕事。また、仕事をすること。特に、一定の目的と計画のもとに、身体または知能を使ってする仕事。
http://kotobank.jp/word/%E4%BD%9C%E6%A5%AD
作業というのは上記の意味になります。つまり作業というのは仕事ということになります。
だが、仕事としてリンクを張っているわけではありません。
あるWebページに向けて、他のWebサイトから設置されたリンク(ハイパーリンク)のことである。
代表的な検索エンジンの一つであるGoogleは、「良質なWebページから参照されているWebページは、また良質なページである」という発想から出発し、ページランクの仕組みを導入したと言われている。
むしろ、上記の方が適切ではないでしょうか。もしくは、人気や信頼性をはかるための指標のようなものです。”リンクを張ってもらう作業”と記述してしまうと、SEO業者(特に被リンクを使って検索結果で上位表示させようとする業者)やアフィリエイター側の立場となってしまうと思います。
書かれるのであれば、「誰に対して書いているのか?」をより明確にして書かれると良いでしょう。
被リンクは”害”、”死んだ”
間違ったSEOの知識が広まらないようにコメント。この記事、もしかしたら「リンク購入」のことを言っているのかもしれないけど、被リンクは今も超重要です。リンクがなく上位表示しているのではなく、リンクが自然に集まって上位表示するんです。http://t.co/YlLWStTdpT
— ウェブライダー松尾茂起(松尾シゲオキ) (@seokyoto) 2014, 1月 13
株式会社ウェブライダーの松尾茂起がTwitter上でこのようにツイートされていましたが、これとまったく同意です。私は4~5年程度、完全成果報酬型SEOサービスを提供する会社で技術者として勤めてきましたが、被リンクは今も昔も検索順位を決定するための強いシグナルという認識です。
広告収入が目的で中身のないサイトにリンクを集める(作業としてリンクを張る)と、検索結果でまったく上位に表示(掲載)されず、”害である”、”死んだ”かのように見えてしまいます。
ですが、これはGoogleのガイドラインに違反している可能性が高いため、そのように見えてしまっているだけです。また「上位に組み込んでいるサイトは広告収入を目的としたサイトになってしまいました。」と書かれていますが、少なくとも私が検索結果を観測している限りでは、全ての検索結果が広告収入を目的としたサイトとなってはいないと認識しております。
もし、「広告収入を目的としたサイトになってしまいました」と感じられるのでしたら、どういった場合にそのようななってしまっているかを詳細に書かなければ、あたかも全ての検索結果の上位が広告収入を目的としたサイトとしてとらえられてしまいます。
ハミングバードの記述
ハミングバードをおもいっきりわかりやすく説明すると…。
Google「いい記事を書けばみんないいって言うから、検索でも上位に表示するようにするよ!」
ハミングバードアップデートとしては不適切な説明であり、読んでいるユーザーに対して誤解を生んでしまう可能性が非常に高いです。
説明するのであれば、ハミングバードは特定単語(例えば「お寿司」、「二日酔い」など)ではなく会話(例えば「大阪市でオススメのお寿司屋さんは?」、「二日酔いで吐き気をおさえる方法は?」など)のようなクエリに対して、1つ1つの単語に注意をはらい、全体の意味を理解し、検索結果において適切なページを表示するものです。
理解しようとはしますが、Googleは人間ではないので判断できないこともあります。あくまで処理能力が向上しただけです。
まずいラーメン屋を集めて取材をしたくて「ラーメン」で検索してるのに「美味しい店はここです!」なんて言われたら「勝手な事すんな!」って思うでしょ?だから美味しいラーメンも不味いラーメンも幅広く掲載してるページを評価するのがGoogleのお仕事。#オーソリティ @_9_6
— SEO黒猫 (@_9_6) 2014, 1月 13
例えば「自分的にはすごく良い記事を書きました」という人がいて、じゃあ、その記事がどれくらい良いかはGoogleには判断できない、Googleは人間じゃない。だから、リンクによる評価が重要になる。その記事が色々な場所で紹介されてるとか、そういうところから記事の人気や信頼性を測る。
— ウェブライダー松尾茂起(松尾シゲオキ) (@seokyoto) 2014, 1月 13
Googleは”いい記事”を書けば、検索で上位表示させるわけではありません。また上記のツイートでもあるように「誰に対して良いのか?」、「その記事はどれくらい良いのか」などをGoogleは正確に判断、評価することができません。
判断や評価することができないため、被リンクといったもの、もしくはそれ以外のものが今も昔も必要になっている(だった)わけです。
私達が検索してサイトを見て「あ、このサイト何にもいいこと書いてないな」と思った瞬間「戻る」ボタンを押すと押しますよね。その行動をGoogleは監視しているということです。
このようなことも書かれていますが、これは恐らく”クリックバック”のことを言っていると思われます。
Googleはやはり直帰率(正確には「クリックバック」)を見ているかも
クリックバックについては、あくまでGoogleが見ているかもしれないということであり、またハミングバードとクリックバックはまったく別のものであり、書かれるのであれば、分けて書かれた方が良いです。
ここまで、いろいろと批判するようなことも書いてきましたが、
訪問者を思いやる心がこれからのSEO対策
これは間違いではないです。付け加えるなら、「これからのSEO対策」ではなく「昔も今も変わらないSEO」とでもいったところでしょう。SEOとその周辺というSEOブログのトップページにも書かれていますが、「SEOで一番大切なのは”愛です“」。
厳密にいうと、”愛”っていうのは大枠といった感じなので、しなきゃいけないことは多々あります、ほんと(;´∀`)
あと「改行をはさみすぎてアメブロによくある日記みたいなサイトはGoogleに評価されない」、これはちょっとよくわからないです。ユーザーからすると読みにくいというにはありますが、改行されていないから、Googleに評価されないわけではありません。
どういった中身(内容)を書くかではないでしょうか。
最後に、
ブロガーさんはとにかく長く見てもらえる記事を書く
これからのSEOは「良いコンテンツ」を生み出す。これに付きます。それは「ページをじっくり見てもらえるコンテンツ」だったり「多くのユーザーがシェアするコンテンツ」など。
このようなことも書かれていますが、見る人が見れば「単に長く書けば良い」、「じっくりもらえればなんでもいい」といった方向にいってしまう可能性がありますので、具体的に書かれた方がよろしいです。
訪問者を思いやる心がこれからのSEO対策と書かれており、運営者様は自分では気がついていると思われますが、情報を発信される際は、「相手がこれを読んだ時にどう思うか(どういう行動を取るのか)」も考えながら発信されると良いでしょう。発信したいじょうは責任がついて回ります。
本当は僕もブログとかでSEOをしっかり啓蒙しなければならないのかもしれない。やっぱり、何も情報発信していない人より、情報発信している人の方に世界は動くよなあ。一応、自分のコミュニティでは情報発信を続けているんけど、そうか、こういう感情がブログを書かせるトリガーとなるのかも(笑)
— ウェブライダー松尾茂起(松尾シゲオキ) (@seokyoto) 2014, 1月 13
なので、私も気をつけます。
【余談】
もし今後計画的にその手法を使う人が増えてきたら、Google先生にはポジネガの感情検索のアルゴリズムを早急に加えてほしいですね(^^;) RT @tantei_kazuya: やはり間違ったことを、あえて言うのは、被リンク集まるよなあ。
— ウェブライダー松尾茂起(松尾シゲオキ) (@seokyoto) 2014, 1月 13
今回紹介した記事が、どのような意図で書かれているのかは運営者でないと正確にわかりませんが、もしも今後このような記事が増えてくると、Googleとしても、対策が必要になってくるのではないかと思います。ただ、現状でアルゴリズムでどうにかしようとするのは難しいと予想されます。
ますます、刺される危険性がありすぎて、街とか普通に歩けなくなってきている。
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