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2019-01-12

■ []教員養成 19:51 教員養成 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 教員養成 - 西川純のメモ 教員養成 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 大学院の説明会で他大学にお邪魔するとき以下のようなことを話します。

 

 皆さんは教員採用試験に合格して先生になりたいですね。合格できるかを心配しています。たしかに合格は大事です。でも、それと同じぐらい大事なことがあります。それは採用されてから辞めないということです。

 皆さんは学部でいっぱい学んだでしょう。ここに来られる人は大学院も考えている方です。その方は大学院でもいっぱい学ぶでしょう。でも、いくら学んでも、教壇に立ったら絶対に失敗します。なぜなら大学では教師になってから必要な知識・技能を全て教えることは出来ません。例えば、掲示物の貼り方を教えてもらったことありますか?

 何故、大学では教えないのでしょうか?教師が必要となる知識・技能は多くは、学校ごと、クラスごと、子どもごとに違うのです。その全てを学んでいたら永遠に卒業できません。だから、務めた学校・クラス・子どもたちで失敗し、その中で学び取るしかありません。だから、皆さんが務めたら、何度も、何度も、何度も、何度も失敗します。

 さて、新規採用者は全員、失敗を連発しますが、職を辞す人とそうでない人の違いはどこにあると思いますか?

 あなたが失敗したとき、「ふ~、また~、困るのよね。また一つ仕事が増えちゃった」と先輩教師に言われたらどう思いますか?そして、また、失敗すると同じように言われるのです。普通の神経の人だったら、「自分は教師に向いていない」、「自分が勤め続けるのは迷惑をかけてしまう」と思います。そして、自分を追い込んで職を辞します。

 でも、あなたが失敗したとき、「あはははは。いいのよ~。みんな同じ失敗するんだから。私の新人の時なんてね~・・・・・・だったのよ。いっしょにやりなおしましょ」と言われたらどう思いますか?何度失敗しても、「私も同じ」と言われたら。

 辞める人、辞めない人の能力の差ではないのです。周りが新人にどう接するかです。

 私が教員になった頃は、圧倒的に後者でした。少なくとも、だれかはサポートしてくれた。ところが、今、先生方は余裕がなくなっています。職員室の教育力が低下しています。

 さて、皆さんはそのような時代、何を学べばいいでしょうか?それは年の離れた先輩に可愛がってもらえる能力なのです。それがあれば辞めません。でも、みなさんはそれを学ぶ機会がありましたか?私のような50代、また、30代、40代の人と接することってありますか?

 上越教育大学教職大学院はそれが学べる日本で唯一の大学院です。

 文部科学省が教職大学院制度を設計するとき、現職教員と学部卒業生の授業を別にすべきであるとしました。まあ、当然ですね。両者は経験値が全く違いますから。しかし、上越教育大学は協働を基本コンセプトとしています。そのため、現職者と学部卒業生が一緒に学べる講義・演習・実習を特別に認めてもらっているのです。

 また、多くの大学院は学部卒業生ばかり、現職者ばかりと比率が偏っています。人数も少ない。でも、上越教育大学教職大学院は多くの現職者、多くの学部卒業者が入学します。だから、自分にとって相性のいい現職者と一緒に学ぶことが出来るのです。

 さらに、上越教育大学教職大学院では、小学校免許も、中高の様々な免許を取り増しすることが出来ます。また、免許の全くない人も、3年間かけて小中免許を取得することが出来ます。この場合は2年分の学費でいいのです。

 私の所属する教科教育・学級経営コースは教職大学院制度が立ち上がったときから教職大学院のスタッフでした。そのため、教職大学院の教育を熟知しています。具体的には、現職者とあなた方の関係が教育実習での指導教員との関係のように上下関係にならず、馬鹿話で盛り上がれる先輩・後輩関係になるような集団作りを出来る人です。

 4年生の方は臨時採用で来年受け直すことを考えている方もおられます。でも、受験勉強できますか?臨時採用とはいえ担任・部活の顧問をもつのです。子どもたちにとってはあたなたが担任なのです。真面目な方だったら、手抜きは出来ません。

 教科教育・学級経営コースのカリキュラムでは、M1の1月からM2の8月まで授業はありません。何故、そのようにしているかと言えば、受験勉強に集中できるようにしているのです。さらに、柔軟なカリキュラムを利用してM1在学中に受験して合格する人は少なくありません。名簿登載期間延長制度を利用してM2も学べます。その場合は2年目の学費は半額になります。補足ですが、最初に述べたように、辞めない能力を得ようと教員採用試験に学部の時に一発合格した人が名簿登載期間延長制度を使って入学する人はかなりいます。この場合は、2年間の学費が半額になります。教員採用試験に合格しているのに大学院に入る人たちは合格のためだけを考えているのではありません。

 上越教育大学教職大学院は、教員になれる大学院、教員になり続ける大学院です。

 後期試験の出願期間は31年1月25日~2月4日(必着)で、試験日は3月1日です。お誘いします。http://www.juen.ac.jp/020ad_news/2018/181206_02.html

追伸 もしも質問があれば、私に電子メールしてください。