高級メロンと菓子を売り込め! 米国食品市場への挑戦

2024年08月01日

日本産食品の米国への輸出額は、近年の米国食品医薬品局(FDA)による輸入規制の撤廃や日本食レストラン数の増加などを背景に年々増え続けている。この魅力ある米国食品市場に高級メロンと米菓を売り込もうとする、各企業の動きを追った。果たして現地の評価は…?

(12分08秒)

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テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。

映像説明: みずみずしい緑の葉を茂らせた「ツル性」の植物が、50cmほどの間隔で立てられた白い支柱に固定されている。支柱と支柱のあいだには、T字型のツルをひもでつり下げた、きれいな丸みのあるメロンの果実が1個ずつ、なっている。果実の表面には、細かな網目状の模様が入っている。 半分に切ったメロンの断面。表皮の内側、数mmは濃い緑色(みどりいろ)で、その内側に薄黄色(うすきいろ)の果肉があり、さらにその内側の中心には繊維状のワタに包まれた細長い形の種がたくさん入っている。

テロップ: 高級メロン

ナレーション: 人気が高い贈答品として、おなじみの高級メロン。

映像説明: ところどころに薄い茶色の焦げ目がついた、ふっくらと膨らんだ一口大の素焼きのあられが、金網のコンベヤーにのって流れている。 ところどころに薄い茶色の焦げ目がついた、ふっくらと膨らんだ一口大の素焼きのあられのアップ。 表面に味付け加工を施されて、きつね色(いろ)になった一口大のあられが、生産ラインの銀色のU字型の機械から次々と流れ落ちてきて、次の工程の装置に吸い込まれていく。

テロップ: こだわりの米菓

ナレーション: 発売から20年以上、変わらぬ味で親しまれてきた、こだわりの米菓。

映像説明: メロンの出荷場。6個ずつ箱詰めされたメロンがローラーコンベヤーで流れてくると、コンベヤーの両側に立つ男性たちがメロンの上に白い薄紙を掛ける。 米菓工場の製造ライン。ベルトコンベヤーで流れてくる、食べきりパックの商品を、白い作業着を着たスタッフが4袋ずつ手に取り、販売用のパッケージに詰めていく。

テロップ: 人気の食品を世界へ

ナレーション: そんな、日本で人気の食品を、世界に広めようとする人たちがいる。

映像説明: ガラス温室の前で、黒いジャケットの襟に王冠のマークのバッジをつけた日本人男性(にほんじんだんせい)がインタビューに答える。

テロップ: 静岡県温室農業協同組合クラウンメロン支所(しずおかけん おんしつのうぎょうきょうどうくみあい クラウンメロンししょ) 鈴木 陽介(すずき ようすけ) 経営戦略部長

鈴木経営戦略部長: 世界中の人々に、おいしいと思ってもらえるのか。 ま、それの、ま、チャレンジ精神というかですね。

映像説明: 「きなこ餅」、「ごまだれ餅」と書かれた商品パッケージが貼られた壁の前で、赤い法被を着た日本人男性(にほんじんだんせい)がインタビューに答える。

テロップ: 越後製菓(えちごせいか) 星野 一郎(ほしの いちろう) 会長

星野会長: 1年後では、全米で売る予定で、なってます。

映像説明: イベント会場。菓子や調味料など、国際色豊かな食品メーカーのブースが並んでいる。ベージュのカーペットが敷かれた広い通路を来場客が行き交っている。 ガラスショーケースに、茶色や白、ピンク、グリーンなど、カラフルな丸い形の菓子が陳列されている。 黒い石の皿に、赤みの強いサラミソーセージの薄切りが20枚ほど盛られている。何枚かには、竹串(たけぐし)のようなものが刺さっている。

テロップ: 米国

ナレーション: 彼らが向かったのは、世界のいろいろな、おいしい食品が集まる国、アメリカ。

映像説明: 垂れ幕や看板、掲示物、カウンターなどを黄緑色(きみどりいろ)を基調にしているブース。鈴木経営戦略部長が、カウンター越しに金髪の女性来場者を応対している。 「きなこ餅」、「チーズもち」などと書かれた商品パッケージを並べたブース。赤い法被を着た星野会長と、同じく赤い法被を着た男性、商品を手に持った白い法被の女性スタッフが来場者を応対している。

ナレーション: 果たして、日本の人気の食品は、受け入れられるのか?

映像説明: 外側が黒、内側が金色の高級感のある化粧箱に、T字型のツルがついたメロンが収められている。 イベント会場。ピンク色の襟に「越後製菓株式会社」の文字がある白い法被を着たスタッフが、透明な円筒形(えんとうけい)の容器を2つ持っている。容器には、それぞれ、ふっくらとしたあられが入っていて、いくつかにはつまようじが刺さっている。

テロップ: 高級メロンと菓子を売り込め! 米国食品市場への挑戦

ナレーション: アメリカ食品市場に打って出る日本企業(にほんきぎょう)。彼らの取り組みを追った。

映像説明: ジェトログローバルアイオープニングタイトル。各国のさまざまな人々の笑顔や、農作物(のうさくぶつ)を収穫している様子、ガントリークレーンが並んでいる港、緑色(みどりいろ)の仏像、小型飛行機や新幹線、バイクなどの乗り物や生き物など、世界中のいろいろな写真が現れて白い画面を埋めていく。連なった写真に重なるように世界地図のCGが浮かび上がり、中央に紺色の文字で「世界は今 JETRO Global Eye(ジェトロ グローバル アイ)」と書かれたタイトルテロップが表示される。

映像説明: 低層や高層のビルが建ち並ぶ繁華街の街並み。巨大なベーグルのイラストや真っ赤な壁に描かれた金色の竜など、派手な看板や広告が目を引く。画面左下の四角い枠内に、米国の地図が緑色(みどりいろ)で表示される。西海岸地方の内陸部に位置するラスベガスの位置が、赤い星印で示されている。 交通量の多い道路に沿った歩道を、たくさんの人が行き交っている。

サイドテロップ(画面右上に常時表示): 沸騰! 米国日本食市場(べいこく にほんしょくしじょう) 地元の人が通う人気店

ナレーション: アメリカ西海岸、内陸部の観光都市、ラスベガス。

映像説明: 低層のショッピングモールの一角に建つ、赤いひさしのある店舗の外観。ひさしの上の外壁に赤い縁取り(ふちどり)のある白い英文字で大きく「JAPAN」と書かれている。建物の前にある駐車スペースには、車が数台止まっている。 日本のスーパーのようにも見える店内。何列も(なんれつも)並ぶ陳列棚には、日本メーカー(にほんめーかー)の商品が並んでいる。

テロップ: NAKATA MARKET(ナカタマーケット)

ナレーション: この街で2002年から営業している中田マーケット(なかたマーケット)。

映像説明: 調味料が並ぶ売り場。黒いジャンパーを着た女性客が、左右の棚を見ながらゆっくりと歩いている。 冷凍ショーケース。発泡トレーにパックされた切り身魚が並んでいる。 白いワイヤーラックに、ひらがなで「あんぱん」と書かれた商品が、ぎっしり積まれている。 スナック菓子の売り場。ポテトチップスやせんべいなど、日本語のパッケージの袋菓子がずらりと並んでいる。

テロップ: 日本の食品や生活雑貨などを販売

ナレーション: 扱っているのは、日本から輸入した魚やパンなどの食品と生活雑貨、およそ6,000点。

映像説明: カップ麺の売り場。金髪を1つに結んだ女性客が、陳列棚の高い位置にあるカップ麺を手に取る。 レジカウンター。薄ピンク色のセミロングヘアーの女性客が支払いをしている後ろで、2人の少年たちが話しながら順番を待っている。

テロップ: 日本食品(にほんしょくひん)が大人気(だいにんき)

ナレーション: 店内は常に、地元の客でにぎわっている。

映像説明: 店内。シールやキーホルダーが陳列された一角で、茶色いロングヘアーの女性客がインタビューに答える。

テロップ: 常連客

常連客・英語: 今は、おにぎりだけ買いましたが、 いつもはキャンディーを、たくさん買います。 時々、通勤時に、ここに寄って買い物をして、ちょっとしたおやつも食べます。

映像説明: 店内。シールやキーホルダーが陳列された一角で、長めの黒髪の少年がインタビューに答える。

テロップ: 常連客

常連客・英語: 日本の食品は本当に好きなので、どれか1つを選ぶのは難しいです。 強いて選ぶなら、そばです。

映像説明: 冷蔵ショーケースに赤いラベルで巻かれた2個組の納豆が並んでいる。 冷蔵ショーケースには、数段にわたって、発泡スチロールや紙カップの容器に入った納豆商品が並べられている。ひきわりや柔らかいタイプ、梅風味や、つゆたっぷりなど、種類や産地もさまざまな商品がある。

ナレーション: また、創業当時から、変わらず売れているのが納豆。納豆だけで十種類以上(じゅっしゅるいいじょう)の品ぞろえだ。

映像説明: 日本メーカーのスナック菓子が並ぶ陳列棚の前で、セミロングの黒髪をハーフアップにし、メガネをかけた日本人女性(にほんじんじょせい)がインタビューに答える。

テロップ: NAKATA MARKET 讃岐 登志子(さぬき としこ) 店長

讃岐店長: すごく売れてます。 もう、もう、年齢の、もう若い子も食べますし、おじいちゃん、おばあちゃんも食べますし。 スーパーヘルシーフードって言われてるんですよね。なので発酵食品が見直されている。

映像説明: スーパーの店内をぼかした静止画に重ねて、「米国向け日本産食品輸出額(にほんさんしょくひんゆしゅつがく)」と題した縦棒グラフが現れる。縦軸の目盛りには0円から2,000億円までの金額が500億円刻みで記されていて、横軸には2019年から2023年までの年数が記されている。輸出額を表すオレンジ色(いろ)の縦棒が表示され、2019年、2020年は1,100億円程度の横ばいだが、2021年は1,500億円超、2022年は2,000億円に迫るほどで、2023年は2,062億円となり、5年間でほぼ倍増している。(出所:農林水産省)

ナレーション: 日本産食品(にほんさんしょくひん)のアメリカへの輸出額は、年々増加している。FDA(エフディーエー)、アメリカ食品医薬品局による日本産食品(にほんさんしょくひん)の輸入規制が撤廃されたことや日本食レストラン(にほんしょくレストラン)が増えていることなどが大きな理由だ。

映像説明: 棚に陳列された日本のメーカーの商品が次々に映る。マヨネーズ、米菓、ふりかけといった食品が、数種類ずつ隣り合って並べられている。

テロップ: 味 品質 安全性

ナレーション: 今も変わらず、味や品質、安全性などが、高く評価されている。

映像説明: 日本メーカーのスナック菓子が並ぶ陳列棚の前で、讃岐店長がインタビューに答える。

テロップ: NAKATA MARKET 讃岐 登志子 店長

讃岐店長: 1日、まあ…、250人から、さんびゃ、ま、300人近く。土日になると、もっとすごいですね。 うん、もう(平日の)倍ぐらい入るので。

映像説明: 日本メーカーのキャンディー類が陳列されている売り場。メガネをかけてあごひげを生やした男性が商品を手に取って表示を読んでいる。 レジカウンター。黒髪を後ろでまとめた男性スタッフが茶色いロングヘアーの女性客を応対している。 レジカウンター前の通路。長めの黒髪の少年を含む4人組が、買い物を済ませて出ていくのを、レジカウンターの中にいる讃岐店長が見送っている。

ナレーション: そんなアメリカの日本食品市場(にほんしょくひしじょうん)に、今まさに、人気の食品を売り込もうとする日本の企業がある。

映像説明: 白い壁と黄緑色(きみどりいろ)の屋根の低層の建物の外観。門塀(もんぺい)に施設名の黒いプレートが掲げられているのが見える。画面左下の四角い枠内に静岡県の地図が緑色(みどりいろ)で表示される。南西部の太平洋岸に位置する袋井市が、赤い星印で示されている。 建物の出入り口。ガラス張りの自動ドアの前に大きなクラウンメロンの模型が飾られ、自動ドアの内側には「静岡クラウンメロン」と書かれたのぼりが立っているのが見える。

サイドテロップ(画面右上に常時表示): 日本の人気食品を売り込め! 最高峰ブランド 高級メロン

テロップ: 静岡県温室農業協同組合クラウンメロン支所

ナレーション: 静岡県袋井市の、静岡県温室農業協同組合、クラウンメロン支所。

映像説明: メロンの出荷場。10人ほどの男性たちが集まっている。奥の作業台でメロンを箱詰めしている人やメロンの箱がローラーコンベヤーで流れてくるのを待ち構えている人などがいる。 ローラーコンベヤーの上を流れてくる箱詰めされた6個のメロンのアップ。コンベヤーの両側に立つ男性たちが、放射状に切れ込みが入った段ボールのカバーを箱の中のメロンの上にそっとかぶせ、さらに次の工程へと箱を滑らせる。

テロップ: クラウンメロン

映像説明: ローラーコンベヤーの上を流れてくる箱詰めされた2個のメロンのアップ。6個入りのものと同様に流れ作業で梱包されていく。

ナレーション: 設立以来、扱っているのがクラウンメロン。マスクメロンの一種で、中でも最高峰のブランド。高いもので、1玉(ひとたま)およそ3万円という高級メロンだ。

映像説明: 男性たちが箱詰め作業をしている出荷場で、鈴木経営戦略部長がインタビューに答える。

テロップ: 静岡県温室農業協同組合クラウンメロン支所 鈴木 陽介 経営戦略部長

鈴木経営戦略部長: ま、今(の時期)はね、(糖度)13.5度以上、っていうと、えー、夏場は14.0度以上、っていうのを、 ここの検査での合格糖度、には、しています。

映像説明: 衛生手袋をはめた手が、まな板の上でメロンを小さな細い三角形に切っている。まな板の脇には、デジタル表示と青い操作ボタン、中央に穴のあいた銀色の円盤がついた機械が置かれている。 衛生手袋をはめた手が機械のスイッチを入れ、小さな細い三角形に切ったメロンの先端を、銀色の円盤の穴にさし込む。デジタル表示部分に「15.4」いう数字が表示される。

ナレーション: 特徴は、その甘さ。糖度は、およそ13.5度から18度という品質を保っている。

映像説明: 屋外のひらけた場所にある切り妻屋根のガラス温室の外観。 温室内。端から端まである底の浅いプランターのような畑で、黒いポロシャツを着た日本人男性(にほんじんだんせい)がメロンの果実や葉の様子を見ている。

ナレーション: 甘さの秘密は、独自の栽培方法にあった。

映像説明: 緑の葉が茂るメロン畑。50cmほどの間隔で立てられた白い支柱と支柱のあいだに、T字型のツルをひもでつり下げた、きれいな丸みのあるメロンの果実が1個ずつなっている。

テロップ: 一木一果(いちぼくいっか)

ナレーション: よく見ると、1本の木になっているメロンは、1玉(ひとたま)だけ。

映像説明: メロンの木の根元から果実までが、ゆっくりと映し出される。

テロップ: 栄養分が集中 甘みとみずみずしさが増す

ナレーション: 1本の木の養分をメロン1玉(ひとたま)に集中させることで、より甘みや、みずみずしさが際立つ、高級メロンが生まれる。

映像説明: 切り妻屋根のガラス温室の前で、鈴木経営戦略部長と黒いポロシャツを着た日本人男性(にほんじんだんせい)が立ち話をしている。

ナレーション: ここで栽培されたメロンは、2015年からアジアやヨーロッパなど、15ヵ国以上に輸出されてきた。

映像説明: 切り妻屋根のガラス温室の前で、黒いポロシャツを着た日本人男性(にほんじんだんせい)がインタビューに答える。

テロップ: クラウンメロン生産者 永田 盛通(ながた もりみち) さん

永田さん: あのー、日本国内(にほんこくない)で評価されるだけじゃなくてね、あの、海外でも評価されるってことが、非常に嬉しく思っております。

映像説明: 切り妻屋根のガラス温室の前で、鈴木経営戦略部長がインタビューに答える。

テロップ: 静岡県温室農業協同組合クラウンメロン支所 鈴木 陽介 経営戦略部長

鈴木経営戦略部長: やっぱり今後、10年、20年、30年、先を見据えたなかで、ま、日本(にほん)のマーケット(市場)自体も、ま、限界がある。

映像説明: 赤茶色のテーブルに、クラウンメロンが1個だけ入った真っ白な化粧箱が置かれている。

ナレーション: そして今、この企業が力を入れているのが、アメリカへの輸出だ。

映像説明: 真っ白な化粧箱に入ったメロンのアップ。表面に細かな網目状の模様が入っている。 赤茶色のテーブルに、黒い角皿(かくざら)にのせた1玉(ひとたま)のメロンと、切り口を上にしてガラスの器にのせた半玉の(はんたまの)メロンが置かれている。

テロップ: メロン 米国本土への輸出禁止→2021年11月解禁

ナレーション: かつて、日本のメロンは検疫上(けんえきじょう)の理由でアメリカ本土への輸出が禁じられていた。しかし、2021年11月に解禁。翌年(よくとし)から、少しずつ輸出されるようになった。

映像説明: 白いブラインドを下ろした部屋で、鈴木経営戦略部長がインタビューに答える。

テロップ: 静岡県温室農業協同組合クラウンメロン支所 鈴木 陽介 経営戦略部長

鈴木経営戦略部長: (当初は)東海岸はニューヨーク、西海岸はロサンゼルス、っていうところを中心に始めてきてはおりまして、 で、まあね、だんだんとそれが、あの、それ以外の都市にも、ちょっと広がりつつあるのかなあ…。

映像説明: 外壁が総ガラス張りのイベントホールのエントランス。出入り口前のロータリーに何台もの車が横付けされ、徒歩で会場に向かう人々の姿も見える。 さまざまな食品メーカーのブースが並ぶイベント会場。ベージュのカーペットが敷かれた広い通路を大勢の来場者が行き交っている。 パステルグリーンのカーペットが敷かれた通路の両脇に、鮮やかな色合いのパイの写真があるパネルを置いているブースや空中に企業ロゴを掲げたブースなどが並んでいる。

テロップ: 1月21~(から)23日 Winter Fancy Food Show(ウインター ファンシー フード ショー) 2024

ナレーション: そこで、さらなる販路拡大を目指し、選んだのが、アメリカ、ラスベガスで開催された高級食材の見本市。

映像説明: 白地に赤と青のトリコロールの共通看板がある、フランスの出展エリア。 カエデの葉のロゴがついた真っ赤な看板を掲げる、カナダの出展エリア。 白と赤を基調にした、スペインの出展エリア。

テロップ: 36ヵ国・地域から1,000社(いっせんしゃ)を超える企業

ナレーション: フランスやカナダなど、36の国と地域から、1千社を超える企業が参加した。

映像説明: 白地に薄紅色(うすべにいろ)の桜が描かれた共通看板を掲げる、日本の出展エリア。何本もの通路があり、エリアの中央付近にはインフォメーションカウンターも設置されている。

テロップ: ジャパンパビリオン 主催:ジェトロ

ナレーション: なかでも、広いエリアを占めていたのが、ジャパンパビリオン。

映像説明: 冷蔵ケースに和牛を使った握りずしや巻きずし、ローストビーフのサンドイッチなどがディスプレーされている。 化粧箱入り(けしょうばこいり)の純米大吟醸(じゅんまいだいぎんじょう)が並べられている。瓶にあるラベルには「白鶴(はくつる)」、「白鶴錦(はくつるにしき)」などの文字がある。 白い台の上に、こげ茶色(こげちゃいろ)の菓子皿(かしざら)に載せられた和菓子や茶せん、陶器の茶わんなどが並べられている。

ナレーション: そこに、和牛や日本酒(にほんしゅ)、和菓子などを扱う食品関連企業や団体、およそ50社が出展した。

映像説明: ジャパンパビリオンのエリア。エプロンを着けた男性スタッフが、白桃、ラフランス、マンゴーなどのジュースの試飲を勧めているブース。 試食品を並べたテーブルで、男性スタッフが霜降りの牛肉を切っているブース。展示されているブロック肉のそばに「飛騨牛(ひだうし)」と書かれた木製のプレートが置かれている。 木目調のカウンターに黒のプラスチックカップを並べ、試食を勧めているブース。紺色のユニフォームを着たスタッフたちが来場者を応対している。

ナレーション: アメリカ市場にはない、新しい商品を見つけようと、バイヤーたちが集まった。

映像説明: ジャパンパビリオンの共通看板が掲げられたエリアで、真っ赤なポロシャツを着たポニーテールの女性来場者がインタビューに答える。

テロップ: 米国国旗 バイヤー

米国のバイヤー・英語: サンフランシスコに住んでいますが、日本が好きで、発見を求めて参加しました。

映像説明: 黒いカーテンの前で、スタンドカラーのジャンパーを着た男性来場者がインタビューに答える。

テロップ: 米国国旗 バイヤー

米国のバイヤー・英語: 日本の製品はいつも、大変興味深く見ています。 革新的ですし、発想のヒントになります。

映像説明: バナーなどの掲示物やカウンターなどを、黄緑色(きみどりいろ)を基調にしているブース。バナーに「CROWN MELON(クラウンメロン)」のロゴがあるのが見える。鈴木経営戦略部長がカウンター越しに女性来場者を応対している。

ナレーション: クラウンメロンのブースも盛況だ。

映像説明: 見本市会場の一角で、鈴木経営戦略部長が白髪で、あごひげを生やした男性と立ち話をしている。 白髪で、あごひげを生やした男性が、つまようじに刺さった一口大のクラウンメロンを口へ運ぶ。メロンを味わった男性が、カメラ目線で何度もうなずき、感想を話す。

テロップ: 米国国旗 バイヤー

ナレーション: こちらのバイヤーは、主に、国内のスーパーなどに食品を卸しているという。クラウンメロンは初体験だ。

米国のバイヤー・英語: とてもおいしい。 これは、とても高級なメロンなので、 当社が扱う一般的なメロンとは違う需要が狙えると思います。 今後は当社でも、取り扱うことになると思います。

映像説明: 鈴木経営戦略部長が白髪で、あごひげを生やした男性と肩を組んで記念撮影をしている。黒いパーカーを着た男性が2人の写真を撮ったスマートフォンを鈴木経営戦略部長へ手渡し、握手を求める。

ナレーション: 商談は、うまくいったようだ。ほかにも、この3日間で次につながる商談が30件以上に達した。

映像説明: クラウンメロンのブース。鈴木経営戦略部長が、黄緑色(きみどりいろ)のカウンター越しに、黒いジャケットを着た男性来場者を応対している。

テロップ: 静岡県温室農業協同組合クラウンメロン支所 鈴木 陽介 経営戦略部長

ナレーション: 今回の展示会で、鈴木さんは地道な営業の必要性を感じたという。

映像説明: 黒いシャツを着て、あごひげを生やした男性がクラウンメロンを試食し、感嘆の表情を見せる。 黒のスーツを着た短髪の男性が、クラウンメロンを試食する様子。 白いブラインドを下ろした部屋で、鈴木経営戦略部長がインタビューに答える。

テロップ: 静岡県温室農業協同組合クラウンメロン支所 鈴木 陽介 経営戦略部長

鈴木経営戦略部長: 実際に食べてみて、当然、びっくりされた方(かた)は、もちろんですけど、 これ、すごいおいしいね、っていうような感想を持った方(かた)が、別の方(かた)、連れてくださって、 で、その方(かた)と、じゃあ、またビジネスにつながったりとか、 さらにアメリカの販路、広がってるんじゃないかなという実感は、あります。

映像説明: 青空の下に広がる農地。丘陵の向こうに、根雪の残る高い山並みが見えている。画面左下の四角い枠内に、新潟県の地図が緑色(みどりいろ)で表示される。縦に長い県域の真ん中辺り、対岸に佐渡島を望む位置にある長岡市が赤い星印で示されている。 手前に4階建ての白い箱形のビル、奥に、赤いラインが入った別棟(べつむね)の建物が並んで建っている。

サイドテロップ(画面右上に常時表示): 日本の人気食品を売り込め! 郷に入っては郷に従え(ごうにいっては ごうにしたがえ)戦略

テロップ: 越後製菓

ナレーション: そして、もう1社、新潟県長岡市にある越後製菓も、本格的にアメリカに進出しようとしている。

映像説明: 工場の製造ライン。円盤状の土台の装置の円周に沿って臼が10個ほど並べられていて、巨大なきねで臼の中の餅をついている。 臼の中で巨大なきねでつかれている餅のアップ。 小さく成形された餅が、ベルトコンベヤーで銀色の装置の中へ運ばれていく。 焼き色が(やきいろが)ついて、ふっくらと膨らんだ素焼きのあられが、銀色の装置から出てきて、さらに次の工程へ運ばれていく。

テロップ: パック御飯 餅 米菓の製造・販売

ナレーション: パック入りの御飯や切り餅を始め、もち米を使った米菓などを製造・販売する企業だ。

映像説明: ふっくらと膨らんだ素焼きのあられが、ベルトコンベヤーから次々と落ちてきて、下で待ち構えるベルトコンベヤーで、さらに運ばれていく。 ふっくらと膨らんだ素焼きのあられが、八角形(はちかっけい)のカップを横に倒したような巨大な装置の中で、まんべんなくきな粉をまぶされ、きつね色(いろ)になっていく。

テロップ: ふんわり名人 「ふわっ」ととける食感(しょっかん) 和三盆糖入りの(わさんぼんとういりの)きな粉の風味

ナレーション: なかでも、看板商品は、ふわっととけるような独特な食感(しょっかん)に焼き上げ、和三盆糖(わさんぼんとう)を使ったきな粉で味付けした「ふんわり名人」。

映像説明: きつね色(いろ)になったあられが、銀色のU字型の機械から次々と落ちてきて、次の工程の装置へ吸い込まれていく。

ナレーション: 20年前から変わらぬ味で親しまれてきた、ロングセラー商品だ。

映像説明: 半透明の袋の中央にオレンジ色(いろ)の太いラインがあり、黒い丸皿(まるざら)に商品がのっているイメージ写真がついた、「ふんわり名人 きなこ餅」のパッケージの写真。

ナレーション: この「ふんわり名人」をアメリカに広めようと、5年前から現地の大手スーパーマーケットで販売しているが、思うように売り上げを伸ばせていないという。

映像説明: 会議室。スーツ姿の星野会長と白い作業着を着た男性2人と女性2人のスタッフが、長いローテーブルを囲んで座っている。ローテーブルの上には、日本語や英語で表記された商品のパッケージが5種類と、白い皿に盛られた各商品のサンプルがのっている。

テロップ: 越後製菓 星野 一郎 会長

ナレーション: そうしたなか、テキサス州の取引先の担当者から、星野会長に、ある戦略が提案された。

映像説明: 木目調のテーブルの上に、日本語で「ふんわり名人 きな粉餅」などと書かれたパッケージと、英語で「MOCHI PUFFS(モチ パフ)」などと書かれたパッケージが並べて置かれている。英語表記のパッケージはビビッドな赤と黄色(きいろ)を基調にしたデザインで、きものを着た少女が商品を口に運ぶイラストも添えられている。

テロップ: モチパフ

ナレーション: それが、商品名とパッケージの変更。試行錯誤を重ね、商品名を「モチパフ」に、パッケージもアメリカ仕様に変えた。

映像説明: 自社製品を何種類もずらりと並べた棚の前で、星野会長がインタビューに答える。 半透明の袋の中央にオレンジ色(いろ)の太いラインがあり、黒い丸皿(まるざら)に商品がのっているイメージ写真がついた、「ふんわり名人 きなこ餅」の日本版(にほんばん)パッケージの写真。 木目調のテーブルの上に置かれた、ビビッドな赤と黄色(きいろ)を基調に、きものを着た少女が商品を口に運ぶイラストが添えられた、商品名などが英語で書かれた「モチパフ」のパッケージ。

テロップ: 越後製菓 星野 一郎 会長

星野会長: 全く日本語も分かんないし、餅も、何にも(なんにも)、きな粉も分かんないという (そういう)人たちに、売っていただくには、どうするかといったら、 向こうの方(かた)の考えのデザイン、向こうの方(かた)の色合い、向こうの方(かた)の、ま、キャラクター、全て、ネーミングも含めて考えながら、 1年かけて、キャッチボールしながら、ま、そこに現在、たどり着いたと。

映像説明: 多くの来場者でにぎわう、Winter Fancy Food Show(ウインター ファンシー フード ショー) 2024のジャパンパビリオンのエリア。越後製菓のブースの前に、赤い法被を着た星野会長と同じく赤い法被を着た男性、試食用の商品を手に持った白い法被の女性スタッフたちが立っている。 「ふんわり名人」や「モチパフ」の商品チラシを貼り付けたカウンターの上には、日本語で表記された商品パッケージが3種類と英語で表記された商品のパッケージが2種類並んでいる。

ナレーション: そして、いよいよ、新たなパッケージで、全米市場に挑戦。

映像説明: カウンターに並べられた5種類の商品パッケージのアップ。左から右へと、ゆっくり映し出される。

ナレーション: ブースには、きな粉味とチーズ味の2つのアメリカ版パッケージが並んだ。

映像説明: 越後製菓のブースの前。白い法被を着た女性スタッフが長い金髪の女性来場者を応対している。白い法被を着た女性スタッフが、アメリカ版パッケージの赤と黄色(きいろ)の2種類の「モチパフ」の商品を女性来場者に手渡す。

テロップ: 米国国旗 バイヤー

ナレーション: と、早くも、商品サンプルが欲しいというバイヤーが! こちらは、全米で120店舗(ひゃくにじゅってんぽ)を展開しているスーパーマーケットの東部地区の担当者。これらを持ち帰って、販売に向けて、社内で検討したいのだという。

映像説明: 黒縁のメガネをかけた男性来場者が「モチパフ」の試食品を口へ運び、大きくうなずく。

テロップ: メキシコ国旗 バイヤー

ナレーション: こちらは、メキシコのバイヤー。1粒食べると、この表情。

映像説明: 来場者でにぎわう通路で、黒縁のメガネをかけたメキシコのバイヤーがインタビューに答える。

メキシコのバイヤー・スペイン語: 独特な味と口どけ感は、今までに味わったことがありません。

映像説明: 星野会長がメキシコのバイヤーの男性と名刺を交換している。

ナレーション: この商品を、とても気に入ったようだ。

映像説明: 壁に和風の絵が掛けられたスペースで、メキシコのバイヤーの男性がインタビューに答える。

テロップ: メキシコ国旗 バイヤー

メキシコのバイヤー・スペイン語: これからメキシコに持ち帰って、顧客の反応を確かめます。 このような商談会によって、日本を、より身近に感じることができます。 新しい海外向けのパッケージで売りたいです。 なぜなら、子どもからお年寄りまで、広く親しまれそうなデザインだから。

映像説明: たくさんの来場者でにぎわうジャパンパビリオンのエリア。赤い法被を着た星野会長が、メキシコのバイヤーの男性の両肩に手を置いて軽くハグをするようなしぐさをし、互いに笑顔を交わしている。

ナレーション: アメリカ版パッケージも好評価。今回、次につながる商談数は、全部で20社に達した。

映像説明: 越後製菓のブースの前で、赤い法被を着た星野会長と赤い法被を着た男性、オレンジ色(いろ)の法被を着た女性のスタッフが、えんじ色(いろ)のシャツを着た男性来場者を応対している。 日本語で「きなこ餅」、「ごまだれ餅」と書かれた商品パッケージが貼られた壁の前で、赤い法被を着た星野会長がインタビューに答える。

テロップ: 越後製菓 星野 一郎 会長

星野会長: ここには、アメリカのバイヤーだけじゃなくて、欧州、ヨーロッパのバイヤーも来られてます(こられてます)。 世界中に広めてもらってますし、非常に良い(いい)感触を得ました。

映像説明: 何台ものレジが並ぶ銀色の長いカウンターの写真。レジの上にある看板には、ひらがなで「おもてなし」と書かれ、お客を応対する女性スタッフの背後には、フードメニューのほか、ドジャースのロゴ入りの缶飲料やポップコーンのカップも並んでいるのが見える。(写真提供:越後製菓)

テロップ: ドジャースタジアム

ナレーション: さらに、ことし5月から、ドジャースタジアムの売店でも販売が開始された。

映像説明: 銀色のカウンターに、オレンジ色(いろ)の「ふんわり名人 きなこ餅」の日本版(にほんばん)パッケージが置かれている写真。 レジカウンターの写真。レジを打つ女性スタッフの背後に「ふんわり名人 きなこ餅」の日本版(にほんばん)パッケージが、いくつもつり下げられている。(写真提供:越後製菓) ひらがなで「おもてなし」と書かれたカウンター前の写真。写真の右下には「ふんわり名人 きなこ餅」の日本版(にほんばん)パッケージを持った手があり、その奥のカウンター前の通路はお客で混み合っている。

ナレーション: ただし、ドジャースタジアムで採用されたのは、思いもよらず日本版(にほんばん)のパッケージ。日本人選手(にほんじんせんしゅ)のファンを狙った戦略で、売り上げも好調だという。アメリカ版と日本版(にほんばん)の二刀流で、アメリカ市場を切り開く。

映像説明: 「Winter Fancy Food Show(ウインター ファンシー フード ショー) 2024」のクラウンメロンのブース。黒いスーツを着た鈴木経営戦略部長がカウンターの上に展示しているメロンを手で示しながら、2人組の男性来場者に説明をしている。 越後製菓のブース。赤い法被を着た星野会長と男性スタッフが男性来場者を応対している。

ナレーション: 地道に高品質な食品を作り続けてきた日本企業(にほんきぎょう)が、アメリカ市場で評価され、ヒットにつながる。そんなケースが今後も増えていきそうだ。

映像説明: 水色のグラデーション背景画。画面の右側で地球の陸地部分だけが点描され、中が空洞になった地球儀のグラフィックイメージが回転している。

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