更新情報次世代リチウムイオン電池向け素材の開発を行うNanoGraf Corporationが日本での協業連携にて生産を設立

2020年09月18日

NanoGraf Corporationのロゴ

NanoGraf Corporation外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(旧社名:SiNode Systems, Inc.)は、2018年米国イリノイ州にて設立された、ノースウエスタン大学とアルゴンヌ国立研究所との共同チームからスピンアウトした次世代リチウムイオン電池の部材開発スタートアップ企業である。前身企業のSiNode社に日本の化学メーカーJNC株式会社が出資する形で合弁会社が設立された。

同社が研究開発するシリコン系負極材料添加剤は、リチウムイオン二次電池の高容量化と、充放電を繰り返しても容量が落ちにくい長寿命化を実現する素材。通常のリチウムイオン電池はその構造上、充放電を300回ほど繰り返すと分子構造が破壊され満充電量が大幅に下がるが、シリコン粒子をグラフェン(注)で包み込む同社独自の技術により、充放電の寿命を800回まで伸ばすことが可能となった。

NanoGraf社は、2019年夏よりJNC社の千葉市原工場を使用して年間10tの次世代リチウムイオン電池向けのシリコングラフェン負極材生産を開始し、2021年より量産を開始する。これにより日本国内での供給だけでなく、日本からアジア地域への輸出にも貢献できる。

同社の日本拠点設立に際し、ジェトロ対日投資・ビジネスサポートセンター(IBSC)は、市場情報の提供、PR支援を行った。

(注)グラフェンとは、炭素原子が網目のように結びついているシート状のもののこと。厚さは1ナノ(ナノは10億分の1)メートル程度と極めて薄いが、その高い耐熱性と柔軟性から、シリコンや金属の代替品として注目されている新素材。

参考:「米国中西部スタートアップ」インタビュー(1)シカゴ発のナノグラフ・コーポレーションが日本へ展開(2019年1月17日付地域・分析レポート)

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