世界 2022年8月号
【特集1】ジャーナリズムの活路【特集2】労働運動の復権
【特集1】ジャーナリズムの活路
2010年に5000万部を割り込んだ新聞の発行部数は、10年あまりを経た2021年には3300万部へと減少した。このあまりにも急な縮減の軌跡を、いま、テレビ業界も追いつつある。メディアを存続させてきた既存の収益構造が動揺し、リストラが続く。メディアの変容は現実であり、不可避である。だが、既存メディアの縮小とともに、ジャーナリズムまでが消滅に向かっていいはずはない。この社会で何が起きているのかを調査・報道し、権力を監視するジャーナリズムは、民主主義社会のインフラであるからだ。デジタル化の大波が押し寄せるもとで、あらゆるメディアが変容と盛衰の只中にいる。この局面においてジャーナリズムの活路はどこにあるのか。特集する。
【特集2】労働運動の復権
スターバックス、アマゾン、アップル……。名だたるグローバル大企業で労働組合が相次いで結成されている。仲間とともに歓喜にわく人々の姿が、ニュースとともに世界をかけめぐる。ギグワークのような新たな働き方が広がるなかで、Z世代を中心に、アメリカなどで労働者の権利が再発見されている。労働組合が社会変革のツールとして見出されているのだ。新たな人と人との出会い、つながり合いがダイナミズムを生み出しつつある。労働運動は、ついに再生を果たすのか。そして、日本ではどのような動きが起きているのか。内外の現場からの報告とともに、課題とこれからの展開を考える。
2010年に5000万部を割り込んだ新聞の発行部数は、10年あまりを経た2021年には3300万部へと減少した。このあまりにも急な縮減の軌跡を、いま、テレビ業界も追いつつある。メディアを存続させてきた既存の収益構造が動揺し、リストラが続く。メディアの変容は現実であり、不可避である。だが、既存メディアの縮小とともに、ジャーナリズムまでが消滅に向かっていいはずはない。この社会で何が起きているのかを調査・報道し、権力を監視するジャーナリズムは、民主主義社会のインフラであるからだ。デジタル化の大波が押し寄せるもとで、あらゆるメディアが変容と盛衰の只中にいる。この局面においてジャーナリズムの活路はどこにあるのか。特集する。
【特集2】労働運動の復権
スターバックス、アマゾン、アップル……。名だたるグローバル大企業で労働組合が相次いで結成されている。仲間とともに歓喜にわく人々の姿が、ニュースとともに世界をかけめぐる。ギグワークのような新たな働き方が広がるなかで、Z世代を中心に、アメリカなどで労働者の権利が再発見されている。労働組合が社会変革のツールとして見出されているのだ。新たな人と人との出会い、つながり合いがダイナミズムを生み出しつつある。労働運動は、ついに再生を果たすのか。そして、日本ではどのような動きが起きているのか。内外の現場からの報告とともに、課題とこれからの展開を考える。
┏━━━┓
┃特集1┃ジャーナリズムの活路
┗━━━╋…────────────────────────────────
〈信頼という地盤〉
ジャーナリズムはどこに息づくか
依光隆明(ジャーナリスト)
〈ファクトチェックの必要性〉
「異なる事実」とどう向き合うか
瀬川至朗(早稲田大学)
〈新聞の将来〉
持続可能なメディアはヤフーに頼らない
下山 進(ノンフィクション作家)
〈次世代という軸〉
メディアは自らを改革できるか
南 彰(朝日新聞)
〈対談〉
マスメディアがニューメディアに脱皮する――アメリカのテレビ界で何が起きているか
重延 浩(テレビマンユニオン)×テッド若山(NSIリサーチ)
〈ドキュメンタリーはいま〉
エクソダス現象と終わらない絶望
坂上 香(ドキュメンタリー映画監督)
┏━━━┓
┃特集2┃労働運動の復権
┗━━━╋…────────────────────────────────
〈報告〉
新たな歴史を紡ぐアメリカ新世代の労働運動
松元ちえ(ジャーナリスト)
〈米国の労働法はどうなっているか〉
アメリカ労働組合運動の再興?
中窪裕也(一橋大学特任教授)
〈内外の動きから〉
プラットフォームワーカーの自由と保障
沼田雅之(法政大学)
〈独自調査から〉
芸能人の過酷な労働実態
森崎めぐみ(俳優)
〈育児も生理も更年期も〉
「静かな活性期」迎える女性労働運動――「生身の労働者」からの出発
竹信三恵子(ジャーナリスト)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆緊急特集:重圧下のアカデミズム
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
大学の解体、民主主義の解体――「稼げる大学」法案を貫く統治理性
駒込 武(京都大学)
アカデミアの軍事動員――経済安保法「官民協議会」の企図
井原 聰(東北大学名誉教授)
経済安保法と防衛産業
望月衣塑子(東京新聞)
経済安保の人脈と文脈 第3回――中国は敵か 憂える経済人
斎藤貴男(ジャーナリスト)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆注目記事
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〈新連載〉
東京電力11年の変節 第1回――被災者への攻撃
後藤秀典(ジャーナリスト)
ルポ 副反応 第1回――なぜ、息子は死んだのか
山岡淳一郎(ノンフィクション作家)
〈66年の時を経て〉
分断を超える「女性支援」へ――新法はこうしてつくられた
戒能民江(お茶の水女子大学名誉教授)
〈好評連載〉
香港からの通信 第2回――破られた約束
郭榮鏗(ハーバード・ケネディスクール)
〈イノベーションを妨げない捜査とは〉
サイバー空間の新技術はどこから犯罪になるのか
西貝吉晃(千葉大学)
〈オイコラ警察の再来?〉
サイバー警察局の設置は何を意味しているか
村井敏邦(一橋大学名誉教授)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇世界の潮
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇私物化された国家のゆくえ スリランカ経済危機
荒井悦代
◇憲法審査会――蔓延するショック・ドクトリン論法
桐山桂一
◇失望と希望の間で 政権交代のオーストラリア
永野隆行
◇上智大学に是正勧告、非常勤講師への賃金不払い
東海林 智
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇SEKAI Review of Books
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇誰が誰に「死んでくれ」と命じるのか――問いへの応答の書
木村英昭(ジャーナリスト)
◇読書の要諦――ノンフィクション 独裁者と文学者
青木 理(ジャーナリスト)
◇新刊│変革への代替案――トマ・ピケティ著『来たれ、新たな社会主義』
綿貫ゆり(千葉大学非常勤講師)
◇新刊紹介
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●連載
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〈好評連載〉
デジタル・デモクラシー【第8回】――暗躍するデータブローカー
内田聖子(PARC)
リニア新幹線は可能か?【第2回】――陥没と田園調布
樫田秀樹(ジャーナリスト)
〈脳力のレッスン特別篇〉
近代史におけるロシアと日本の相関――ウクライナ危機とロシアの本質(その3)
寺島実郎
●片山善博の「日本を診る」(153)――広島県安芸高田市長と市議会との対立
片山善博(大正大学)
●メディア批評【第176回】
神保太郎(ジャーナリスト)
●気候再生のために【第3回】――変えれば、変わる
江守正多(国立環境研究所)
●いま、この惑星で起きていること【第32回】――気候変動のもとで因果はめぐる
森さやか(気象予報士)
●沖縄(シマ)という窓――舞台で問い続ける「戦世」の歴史
山城紀子(フリーライター)
●お許しいただければ――紛失したステッキ
(E.V.ルーカス)訳=行方昭夫(英文学者)
●原発月報――(22・5~6)
福島原発事故記録チーム
●ドキュメント激動の南北朝鮮(300)(22・5~6)
編集部
●民話採光
阿部海太(画家・絵本作家)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○読者投句・岩波俳句
選・文=池田澄子(俳人)
○アムネスティ通信
○読者談話室
○デザイン
赤崎正一 + 佐野裕哉 (協力=国府台さくら)
┃特集1┃ジャーナリズムの活路
┗━━━╋…────────────────────────────────
〈信頼という地盤〉
ジャーナリズムはどこに息づくか
依光隆明(ジャーナリスト)
〈ファクトチェックの必要性〉
「異なる事実」とどう向き合うか
瀬川至朗(早稲田大学)
〈新聞の将来〉
持続可能なメディアはヤフーに頼らない
下山 進(ノンフィクション作家)
〈次世代という軸〉
メディアは自らを改革できるか
南 彰(朝日新聞)
〈対談〉
マスメディアがニューメディアに脱皮する――アメリカのテレビ界で何が起きているか
重延 浩(テレビマンユニオン)×テッド若山(NSIリサーチ)
〈ドキュメンタリーはいま〉
エクソダス現象と終わらない絶望
坂上 香(ドキュメンタリー映画監督)
┏━━━┓
┃特集2┃労働運動の復権
┗━━━╋…────────────────────────────────
〈報告〉
新たな歴史を紡ぐアメリカ新世代の労働運動
松元ちえ(ジャーナリスト)
〈米国の労働法はどうなっているか〉
アメリカ労働組合運動の再興?
中窪裕也(一橋大学特任教授)
〈内外の動きから〉
プラットフォームワーカーの自由と保障
沼田雅之(法政大学)
〈独自調査から〉
芸能人の過酷な労働実態
森崎めぐみ(俳優)
〈育児も生理も更年期も〉
「静かな活性期」迎える女性労働運動――「生身の労働者」からの出発
竹信三恵子(ジャーナリスト)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆緊急特集:重圧下のアカデミズム
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
大学の解体、民主主義の解体――「稼げる大学」法案を貫く統治理性
駒込 武(京都大学)
アカデミアの軍事動員――経済安保法「官民協議会」の企図
井原 聰(東北大学名誉教授)
経済安保法と防衛産業
望月衣塑子(東京新聞)
経済安保の人脈と文脈 第3回――中国は敵か 憂える経済人
斎藤貴男(ジャーナリスト)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆注目記事
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〈新連載〉
東京電力11年の変節 第1回――被災者への攻撃
後藤秀典(ジャーナリスト)
ルポ 副反応 第1回――なぜ、息子は死んだのか
山岡淳一郎(ノンフィクション作家)
〈66年の時を経て〉
分断を超える「女性支援」へ――新法はこうしてつくられた
戒能民江(お茶の水女子大学名誉教授)
〈好評連載〉
香港からの通信 第2回――破られた約束
郭榮鏗(ハーバード・ケネディスクール)
〈イノベーションを妨げない捜査とは〉
サイバー空間の新技術はどこから犯罪になるのか
西貝吉晃(千葉大学)
〈オイコラ警察の再来?〉
サイバー警察局の設置は何を意味しているか
村井敏邦(一橋大学名誉教授)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇世界の潮
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇私物化された国家のゆくえ スリランカ経済危機
荒井悦代
◇憲法審査会――蔓延するショック・ドクトリン論法
桐山桂一
◇失望と希望の間で 政権交代のオーストラリア
永野隆行
◇上智大学に是正勧告、非常勤講師への賃金不払い
東海林 智
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇SEKAI Review of Books
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇誰が誰に「死んでくれ」と命じるのか――問いへの応答の書
木村英昭(ジャーナリスト)
◇読書の要諦――ノンフィクション 独裁者と文学者
青木 理(ジャーナリスト)
◇新刊│変革への代替案――トマ・ピケティ著『来たれ、新たな社会主義』
綿貫ゆり(千葉大学非常勤講師)
◇新刊紹介
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●連載
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〈好評連載〉
デジタル・デモクラシー【第8回】――暗躍するデータブローカー
内田聖子(PARC)
リニア新幹線は可能か?【第2回】――陥没と田園調布
樫田秀樹(ジャーナリスト)
〈脳力のレッスン特別篇〉
近代史におけるロシアと日本の相関――ウクライナ危機とロシアの本質(その3)
寺島実郎
●片山善博の「日本を診る」(153)――広島県安芸高田市長と市議会との対立
片山善博(大正大学)
●メディア批評【第176回】
神保太郎(ジャーナリスト)
●気候再生のために【第3回】――変えれば、変わる
江守正多(国立環境研究所)
●いま、この惑星で起きていること【第32回】――気候変動のもとで因果はめぐる
森さやか(気象予報士)
●沖縄(シマ)という窓――舞台で問い続ける「戦世」の歴史
山城紀子(フリーライター)
●お許しいただければ――紛失したステッキ
(E.V.ルーカス)訳=行方昭夫(英文学者)
●原発月報――(22・5~6)
福島原発事故記録チーム
●ドキュメント激動の南北朝鮮(300)(22・5~6)
編集部
●民話採光
阿部海太(画家・絵本作家)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○読者投句・岩波俳句
選・文=池田澄子(俳人)
○アムネスティ通信
○読者談話室
○デザイン
赤崎正一 + 佐野裕哉 (協力=国府台さくら)