Apple Silicon「M1」搭載Mac登場 MacBook Air、Mac mini、MacBook Proの3機種
Motorola→PowerPC→Intel→Arm。CISCとRISCを行き来してきたMacのプロセッサ。今回はRISCのターン。
米Appleは11月10日(現地時間)、プロセッサをIntel製から自社Apple Siliconに切り替えた初めてのMacを発表した。iPhone 12、第4世代iPad Airに搭載されたApple製SoC「A14 Bionic」をMac向けに強化した「M1」を組み込んだMacBook Air、Mac mini、MacBook Pro 13"を発売する。価格はそれぞれ10万4800円、7万2800円、13万4800円から(いずれも税別)。11月17日に発売する。OSはmacOS Big Sur。
MacBook AirとMacBook Pro 13"はそれぞれバッテリー持続時間を大幅に伸ばし、MacBook Pro 13"は最長20時間の連続動画再生を可能にした。CPUスピードは最大3.5倍、GPUは最大6倍、ML(機械学習)処理速度は最大15倍を達成しているという。MacBook Airはファンレスだ。
Armベースの自社SoC(System-on-a-Chip)であるAシリーズ(Apple Silicon)は、最初にiPhoneに搭載され、iPad、Apple Watch、Apple TV、HomePodなどApple製品全般にわたって組み込まれてきたが、Macは2006年からIntel製CPUを使い続けてきた。Appleは6月に開催した開発者会議WWDCで、MacをIntelからApple Siliconに移行させる計画を発表。同時に、開発者向けにMac miniの筐体にA12Zプロセッサを組み込んだ「Developer Transition Kit」(DTK)を有償で貸与するプログラムをスタートした。
M1のGPUは2.6TFLOPSの処理能力を持ち、PC向け統合GPUの中では最速だと述べている。
なお、今回搭載されるM1チップの動作クロックはいずれの機種も明らかにされていない。
Appleは2年をかけてMac全ラインアップをApple Siliconベースにする計画で、iMac、iMac Pro、Mac Pro、そしてMacBook Proで残された16インチモデルはそのどこかのタイミングということになりそうだ。
M1搭載新製品のプロセッサ構成は次の通り。
モデル | 最小構成 | 最大構成 |
---|---|---|
MacBook Air | 高性能コアx4 + 高効率コアx4の8コアCPU+7コアGPU+16コアNeural Engine | 高性能コアx4 + 高効率コアx4の8コアCPU+8コアGPU+16コアNeural Engine |
MacBook Pro 13" | 高性能コアx4 + 高効率コアx4の8コアCPU+8コアGPU+16コアNeural Engine | 高性能コアx4 + 高効率コア4の8コアCPU+8コアGPU+16コアNeural Engine |
Mac mini | 高性能コアx4 + 高効率コアx4の8コアCPU+8コアGPU+16コアNeural Engine | 高性能コアx4 + 高効率コア4の8コアCPU+8コアGPU+16コアNeural Engine |
いずれもメモリは8GBか16GB。ストレージは256GBから2TBまで。
それぞれのIntel搭載モデルのプロセッサ構成は次の通り。
モデル | 最小構成 | 最大構成 |
---|---|---|
MacBook Air | 2コア Intel Core i3(1.1GHz) | 4コア Intel Core i7(1.2GHz) |
MacBook Pro 13" | 4コア Intel Core i5(1.4GHz) | 4コア Intel Core i7(2.3GHz、第10世代) |
Mac mini | 4コア Intel Core i3(3.6GHz) | 6コア Intel Core i7(3.6GHz) |
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