小松左京氏の「空中都市008」、声優とコラボしたiPadアプリに
小松左京氏の名作SF小説「空中都市008」がiPad専用のオーディオビジュアルノベルとして配信されている。声優によって読み上げられるこのアプリは、小松氏をして「まさか本がこんなことになっちまうとは」といわせるできとなっている。
名作SF小説がオーディオビジュアルノベルに、初音ミクも参戦
「まさか本がこんなことになっちまうとは、私自身がSF作家のくせに思いもよりませんでした」――日本を代表するSF作家である小松左京氏もこうコメントを寄せるiPad専用のオーディオビジュアルノベル「空中都市008 -アオゾラ市のものがたり-」がApp Storeで配信を開始した。
空中都市008は、1969年に講談社から刊行された小松氏のSF児童文学で、NHKで人形劇としてテレビドラマ化されたこともある作品。今回iPad専用アプリとして提供されるのは第3章までで、単なる電子書籍ではなく、作中の登場人物のせりふが声優によって読み上げられるほか、物語の進行に合わせたBGMが再生されるなど、オーディオビジュアルノベルとして新たな命を吹き込まれた作品となっている。また、NHKの放送での主題歌を歌った中山千夏さんが、初音ミクとコラボして誕生したテーマソング「008は明日の番号」や、小松氏のボイスコメントなども収録されている。
同アプリの企画・制作はオフィスエランとレールファンホールディングス。自社開発のオーサリング環境を用いて制作された。オフィスエランはオーディオビジュアルノベルの普及啓もうを促進するオーディオビジュアルノベル協議会を設立、社団法人化に向けて活動している。作品の著作権については、小松氏が自身の作品の著作権管理を手掛ける事務所を開設しており、そちらを通じて講談社などと調整したという。
価格は600円だが、発売から1カ月間は350円で販売する。オーディオビジュアルノベル協議会は第二弾のリリースを進めるとともに、オーディオビジュアルノベルの市場を形成したい考えだ。
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