異次元ヒットで世界14位 YOASOBIの「アイドル」は日本の音楽業界の新しい扉を開くか(1/3 ページ)
アニメ『推しの子』の主題歌に起用された、YOASOBIの新曲『アイドル』が、異次元のスタートダッシュに成功している。ビルボードジャパンの総合ランキングで初登場で総合首位、2週目も2位に2倍以上の大差で2週連続総合首位となった。
この記事は、Yahoo!ニュース個人に4月29日に掲載された「異次元ヒットで世界14位 YOASOBIの『アイドル』は日本の音楽業界の新しい扉を開くか」に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。
YOASOBIの新曲『アイドル』が、文字通り異次元のスタートダッシュに成功しているようです。
この『アイドル』は、テレビアニメ『推しの子』の主題歌としてアニメ放映日の4月12日に公開されたもので、ビルボードジャパンの総合ソングチャートでも初登場で総合首位を獲得。その後2週目もビルボードジャパンによると「異次元の加点」で、2位に2倍以上の大差をつけて2週連続の総合首位となりました。
(参考記事:ストリーミング・動画再生・ダウンロードで1位、異次元の加点でYOASOBI「アイドル」2週連続総合首位)
さらに、今週のストリーミング再生数でも、週前半3日間で1000万再生超えを達成し、ダントツの首位を走り続けている模様。週前半3日間の集計で再生数が1000万回を超えるのは、BTSの『Butter』以来、史上2曲目となる快挙だそうで、公開後の勢いが衰えるどころか加速していることをうかがわせます。
グローバルチャートで14位
さらに、今回のYOASOBIの『アイドル』の凄さは、ビルボードのジャパンチャートだけでなく、海外のチャートにも既に多数ランクインしている点です。
例えばSpotifyでは台湾で2位、韓国で9位、シンガポールで11位など、各国のチャートにランクインしています。
Netflixのランキングでも、『推しの子』が台湾やマレーシアなどでトップ10に入っていたようですから、アニメとの相乗効果もあったようです。その結果、ビルボードのグローバルチャート「Global200」では14位を獲得。米国を除いたGlobal Excl.U.S.のチャートでは、なんと5位にランクインする快挙を成し遂げているようです。
世界のチャートでの上位ランクインと言えば、2022年に藤井風さんの『死ぬのがいいわ』が、グローバル・バイラル・チャートで最高4位になったことが記憶に新しい方も少なくないと思います。
(参考記事:藤井風「死ぬのがいいわ」の世界的ヒットは、日本のアーティストの海外への扉を開くか)
ただ、藤井風さんの『死ぬのがいいわ』は、20年5月に発表された楽曲が、TikTokなどでのブレイクを通じて2年後の22年に大ヒットするという、ある意味特殊な出来事でした。
それに対し、今回の『アイドル』は、明らかに最初から世界を見据えて展開して成功している点が、日本の音楽業界にとって大きな一歩になる可能性を秘めているのです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ソニーの「着るエアコン」“バカ売れ” 猛暑追い風に「想定以上で推移」
連日の猛暑が続く中、ソニーグループ(ソニーG)が4月に発売した、充電式の冷温デバイス「REON POCKET 3」(レオンポケット3)の売れ行きが好調だ。同製品は「着るエアコン」とも呼ばれており、ビジネスパーソンを中心に売り上げを伸ばしている。 - ファミマの「生コッペパン」1000万食突破 ヒットの要因は“古臭さ”払拭にあり
ファミリーマートが手掛ける「生コッペパン」シリーズの販売が好調だ。同社によると、2月末の発売から20日間で1000万食を突破。なぜ、生コッペパンシリーズを商品化したのか。経緯とヒットの理由を同社広報に聞いた。 - 「スシロー」はなぜ、“食器舐め”本人の謝罪を拒否したのか 広報に聞いた
回転寿司チェーン「スシロー」の店内で、客が卓上の醤油ボトルや湯呑みを舌でなめる動画をSNSに投稿し、物議を呼んでいる。被害を受けたスシローの運営元あきんどスシローは迷惑行為に「刑事、民事の両面から厳正に対処する」との声明を発表。厳格な姿勢を示し、ネット上で賞賛を浴びている。スシローはなぜ厳しい姿勢を貫くのか。理由を広報に聞いた。 - 「楽天モバイル」はなぜ苦戦しているのか 背景に4つの誤算
2022年12月期決算で、過去最大の3728億円の赤字を計上した楽天グループ。その要因はモバイル事業「楽天モバイル」だ。なぜ苦戦を強いられているのか。筆者が考える三木谷構想4つの誤算をひも解く。 - 「工場の製造が追い付かない」──ファミマの「クリームパン」、4週間で650万個販売 好調の理由を広報に聞いた
ファミリーマートが発売した「ファミマ・ザ・クリームパン」の売れ行きが絶好調だ。販売開始から8日で、クリームパン単体で220万個を売り上げた。1秒に3個売れている計算で、工場の生産が追い付かず、品薄になっているとして、一部の店舗では“お詫び”の掲示物をするほどだ。なぜここまで売れているのか。好調の要因を同社広報に聞いた。 - 「生クリーム好き歓喜」──セブンイレブンの“具なし”「ホイップだけサンド」に反響 商品化の狙いは? 広報に聞いた
セブン-イレブン・ジャパンが10月12日から近畿エリアなど地域限定で販売を始めた「ホイップだけサンド」シリーズがTwitterで話題となっている。商品名の通り、ホイップクリームのみを挟んだ“具なしサンドイッチ”となっている。商品化の経緯を聞いた。 - 正念場迎える「楽天モバイル」 財務戦略に潜む苦難の実情
2022年度決算で、楽天グループ(以下楽天)は最終損益で4期連続かつ過去最大となる3728億円の赤字を計上。財務状況を分析した。 - YOASOBI新曲『アイドル』、『推しの子』主題歌で大ヒット 『ゲッターロボ』主題歌とのMAD動画も話題
アニメ『推しの子』の主題歌に起用された、音楽ユニットYOASOBIの新曲『アイドル』のPV動画再生数が急激に伸びている。公式YouTubeチャンネルに4月13日に公開したPVは、約1ヶ月で8600万再生を記録。累計1億回突破も射程圏内だ。