記念すべき【そそれぽ】100回目は、おそらく筆者が人生で一番長くプレイしているゲーム、スクウェア・エニックスのWii U/Wii/3DS/PC/Android(dゲーム)向けMMORPG『ドラゴンクエストX』を前後半に分けてスペシャルな内容でお届けしたいと思います。
それまで、対人トラブルや生活破綻などの噂をよく聞く「ネットゲーム」というものに少なからず恐れと偏見を持っていた筆者ですが、「ドラクエならば・・・」とプレイを開始。『ドラクエX』をもってMMORPGデビューとなったワケですが、結果的に2年以上プレイし続けることになるとは、開始当時は微塵も思っていませんでした。プレイを始めてみれば、大きな対人トラブルもなく、生活が破綻することもなく、シリーズのファンとして、日々変化し続ける『ドラクエ』がずっとプレイできる幸せを感じています。発売日からプレイしている筆者の総プレイ時間は約3000時間。けっこうキてますね!(笑)
そんな『ドラクエX』には、なぜかネガティブな話がとにかくつきまといがち。なので、プレイするまで「ネットゲーム」に偏見を持っていた筆者が、なぜ『ドラクエX』を2年以上プレイできているか、その理由を考えつつ、さまざまな視点で『ドラクエX』のこれまでの歩みを振り返っていきましょう。
【掲載項目】
◆ザっと振り返る『ドラクエX』の2年2か月とその思想
・緊急メンテだらけだったあの日々はもう昔のこと
・Ver.1「目覚めし五つの種族」は全ての「土台」
・Ver.2「眠れる勇者と導きの盟友」で広がる「巨大ドラクエテーマパーク」
・現在は概ね安定、新規・復帰と古株が一緒に遊べる環境を目指す
◆「オンライン不安」を解消してみる
・『ドラクエ』は1人でじっくりやりたいんだよ!
・ほかの人と関わりたくないよめんどくさいよ!
・それならオンラインにする意味がないじゃん!
・月額がー!課金がー!
◆その上で、ドラクエXをプレイしたくなる点を挙げてみる
・俗にいう「相撲」は『ドラクエ』式コマンド戦闘の発展形
・グラフィックは『VIII』の発展形
・Ver.2の物語は『ドラクエ』史に残るレベル
・シリーズの音楽、モンスター、キャラクターが多数登場
※掲載画像は開発中のものを含みます。現在のゲーム画面とは異なる場合があります。
『ドラクエX』の2年強にはさまざまなできごとがありました。そのすべてを振り返るワケにはいかないので、これまで『ドラクエX』がどのように進化してきて、現在どうなのかという部分をまずは振り返っていきましょう。
■緊急メンテだらけだったあの日々はもう昔のこと
2012年8月にWiiで産声をあげた『ドラクエX』。サービス開始当初を振り返ってみると、とにかく技術的なトラブルが多かった気がします。それでも、そのトラブルへの対応がとにかく早かったという印象も残っていて、中でも、負荷の分散のためにサーバー数が突然20から40と倍になったときのことが個人的には忘れられません。暫定的に増設されたサーバーだったのですが、間もなく常設サーバーになることも決定し、今現在も、あのとき増設された40サーバーでプレイヤーは日々冒険しています。
その後、運営サイドは不具合があればなるべく早い段階で対応するといったことを繰り返しながら、『ドラクエX』は、無事に長い旅へと離陸していきました。「ルーラストーン」を使って「ウぅーウぅーッ!」と飛んだは良いけど、画面が真っ白のまま着地したい地上が5分以上見えてこないあの時代がたまに懐かしくなります(笑)。今となっては、そんな出来事もサービス開始当時ならではの良い思い出です。
■Ver.1「目覚めし五つの種族」は全ての「土台」
ある意味では“ドラクエ保守派”であると感じる藤澤仁氏がディレクターを担当している「Ver.1」。『ドラクエ』らしさを守りつつ、オンラインで何ができるかをとにかく模索している印象でした。バージョンアップごとに少しずつ増える職業にはワクワクさせられましたし、「Ver.1」で『ドラクエX』全体の土台がじっくりと作られていった時期であると感じます。
『ドラクエ』らしい世界観とオンラインらしい自由な冒険が組み合わさると、こんなにいろいろなことができるんだよ!と、わかりやすい入り口を示してくれているのが「Ver.1」なんだと思います。今からプレイする人も、まずは必ず「Ver.1」の部分をプレイすることになるワケですが、プレイヤーの分身となるキャラクターの種族選びに始まり、冒険の自由度、プレイできるコンテンツの豊富さなどなど、さまざまな部分で数えきれないほどのワクワクが体感できるはずです。
■Ver.2「眠れる勇者と導きの盟友」で広がる「巨大ドラクエテーマパーク」
ある意味では“ドラクエ改革派”であると感じる齋藤力氏がディレクターを担当している「Ver.2」。特に際立つのが、移動手段を含めて手間のかかる不便な部分の利便性が全体的に大きく向上している点です。これは「できること(日常継続系コンテンツ)が増えた」ために「やることの選択をしやすく」という意図もあるようで「今日は何しよう?」といった遊びの幅をより気軽に楽しめるようになりました。
「Ver.2」は「Ver.1」で作られた「土台」の上に何を築き上げていくかという部分になってくるわけですが、2014年10月18日現在「Ver.2」はまだ完結していません。しかし『ドラクエX』の中では、さまざまなアプローチで遊べるサブコンテンツがどんどん増えていて、『ドラクエX』がまるでオンライン上に存在するひとつの『ドラクエ』の巨大テーマパークのような、大きく広がる『ドラクエ』ワールドをわしづかみするタイトルに育っている印象を受けます。
中にはサブタイトル「眠れる勇者と導きの盟友」というストーリーに密接したサブコンテンツも含まれていますが、必ずしもすべてのコンテンツを遊び尽くす必要はなく、冒険や物語を含めて、好きなときに好きなことをすれば良いという形になりつつあります。どんなプレイスタイルでも、“やりたいことを選んで楽しめる”のが「Ver.2」の魅力であると思うと同時に、今後の『ドラクエX』のベーシックなプレイスタイルになっていくのではないでしょうか。
■現在は概ね安定、新規・復帰と古株が一緒に遊べる環境を目指す
レベルキャップ(上限)は80で長期間維持されていて、古株のプレイヤーは強敵と戦ってより自分のキャラクターに細かな磨きをかけるコンテンツを楽しんでいます。一方で、新しく始めたプレイヤーや久しぶりに再開するプレイヤーに対してはレベル上げがし易くなるアイテムなどを配布し、入り口は広く設けられています。プレイスタイルや総プレイ時間が異なっても、同じ感覚で遊べる環境をできる限り整えようとしているように感じます。
「Ver.1」から「Ver.2」序盤にかけては、とにかく前に進むコンテンツが多かった印象ですが、「Ver.2」中盤からは、ストーリーと同程度に横に広がるコンテンツ(言い換えると“寄り道”笑)が増えている印象です。横に広がるコンテンツで受けた恩恵は、前に進むとき役立つことも多く、スルーしても良いし、じっくり楽しんでも良い・・・あらゆるプレイスタイルを受け入れる準備が整っているのが、今現在の『ドラクエX』だと思います。
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ここで勘違いしないでほしいのは、毎日遊べる寄り道コンテンツばかりに力を入れているワケでは決してなく、物語にもかなり気合いが入っているということ。次の物語が楽しみだからこそ、寄り道を楽しみながらプレイヤーキャラクターを育成することが苦にならないということです。オンラインゲームになっても、『ドラクエ』らしい物語は、しっかりと他のナンバリングシリーズと同等か、それ以上に描かれているので、安心してほしいです。