インサイドの読者の皆様はじめまして、ポイソフトの中川(晃)と申します。
弊社の営業から「『ひゅ~ストン』の制作秘話を書いてほしい」と言われ、ああいいよと軽く返事をしたものの、すっかり忘れて幾星霜。何がどうなったのかは謎ですが、「インサイドで開発秘話の連載が決定しました」と聞かされ、インサイド本気か?と思うやら、とにかくビックリするやら、わけの分からない気分を味わうハメに。やってくれたな、営業め。
そんなわけで、『ひゅ~ストン』のディレクターでメインプログラマーでプランナーであるところのこの私が、ひとつ開発秘話を書かせてらうことになりました。なんというか、皆様方に楽しんでいただけるよう、努力する所存であります。
この連載は「ポイソフトのディレクターが真面目に語る開発秘話」略して「P.D.M」というタイトルで、6週、全6章で終わる予定になっております。『ひゅ~ストン』にご興味がある方も、ポイソフトがどんな感じでゲームを作っているか気になる方も、よろしければご覧くださいませ。
それでは、まず第一章をご覧ください。
■第一章「ポイソフトとNintendo3DSとの出会い」
あれは『ボクも世界を救いたいBATTLE TOURNAMENT』をマスターアップし、さあ次の企画はどうしようかな~なんて考えていたときだったと思います。2010年の10月末ごろだったでしょうか。
任天堂の方から、「3DSでもダウンロードアプリをやる予定なのですが、3DSでもゲームを作ってみませんか?」というお誘いを唐突に頂きました。
そのお誘いを聞いたときの私といえば、「さすが任天堂さまだ、ポイソフトに目を付けるなんて、ひと味違うぜ!でもウチはあなたたちが思うほど、た、たいしたことないんだからね!」という、嬉しさとツンデレが入り交じったよくわからない気分になっておりました。
しかしながら、恐れ多くも天下の任天堂さまにお声をおかけ頂いて、意気に感じない輩はおりますまいて。
なにより、まだ市場にない3DSという新しいプラットフォーム。開発者として心が踊らないわけがありません。「3DS触らせてもらえちゃうの?むふふ・・・」と思わず心のヨダレを垂らしたわけです。
なので私はその話を聞いて即賛成。社長も他の社員も反対する理由があるわけがなく、「作ります!是非ともお願いします!」と返答したわけです。
その後、任天堂の方と何度かやりとりをしたり、お話を伺ったりした結果、任天堂本社にてNintendo3DSを触らせてもらえる運びになりました。企画作成の一助になれば、というとてもありがたい心遣いでした。
社長と営業がしっかりと3DSを触りたおし、きっちりレポートを作ってくれるということなので、任天堂に向かうのは、社長と営業の二人。私とデザイナー北郷は福岡でお留守番ということになりました。
そうして日は流れ、社長&営業の任天堂出張の日。私とデザイナー北郷はいつもどおり通常業務。今頃私が写真でしか見たことない3DSを彼らは触ってるのかな~なんて思いながら仕事をしておりました。
そんなわけで過酷な日帰り出張を終えた社長と営業が福岡に戻ってきたのは、夜の八時頃。報告会をしようか?という話もありましたが、さすがに当日はきついということで、報告会は翌日ということになりました。
そして翌日。ミーティングルームに数少ない4人の全社員が集まりました。
いつも通りのおちゃらけた雰囲気の中、社長と営業が3DSについて語りはじめました・・・。
【続く】
■著者プロフィール
中川晃宏(なかがわあきひろ)株式会社ポイソフト/プログラマー
『王だぁ』『ひゅ~ストン』などのポイソフト作品のディレクションを担当。
井上陽水の雰囲気モノマネをしながらリバーサイドホテルを歌うのが特技。
『ひゅ~ストン』の発案者のくせに、社内で一番『ひゅ~ストン』が下手くそ。
《中川晃宏》
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