予告 劇作家・北條秀司の展覧会 L303Mile
ここでお知らせです。今秋、小田原で劇作家・北條秀司の展覧会を開催するという企画が進んでいます。メイン会場は、小田原文学館です。すでに小田原文学館のホームページには、10月下旬から12月下旬にかけて開催という予告が載っています(小田原文学館HP)。文学館に行かれた方はご存じかと思いますが、南欧風の小洒落た建物です。
この建物は、もともと土佐藩士で政治家であった田中光顕(たなかみつあき 1843~1939)の別邸だったところでした。田中は幕末の土佐藩士として、同藩の運動に深く関与した人物で、あの中岡慎太郎の陸援隊に属していたそうです。しかも坂本龍馬と中岡が近江屋で暗殺された後、真っ先に駆けつけたとか…。鳥羽伏見の戦では高野山挙兵を主導し、戊辰戦争にも参加しますが、維新後は明治政府に出仕して、陸軍省会計局長を皮切りに、陸軍少将、元老院議官、初代内閣書記官長、警視総監、学習院院長、宮内大臣などの要職を歴任します。
小田原の別邸は、コンクリート造で1937(昭和12)年の建築とのことです。亡くなる2年前ですね。白い外観と四季を通じて花が咲く庭がとても素敵な建物です。その中に北條秀司の碑が建っています。建碑が2002年のことで、それが縁で北條先生の資料整理が始まったことは、このサイトでも何度か書いております。
ともあれ、この小田原文学館をメイン会場として、他にも文学館のはす向かいにある旧松本剛吉別邸と小田原の駅前、「ミナカ」という商業施設の向こうにデンと立つ市民交流センター(通称:UMECO)の3か所で開催できるように準備を進めております。
UMECOという名は、かつて小田原の城址公園あった動物園で人気だった象の名前ですね。子どもたちを連れて何度も通いました。ただ、ここではエントランスや廊下を使いますので、パネル展示になろうかと思います。
旧松本剛吉別邸は、小田原文学館と打って変わって、瀟洒な日本家屋です。実はこの別邸を訪れたのは、今週の日曜日、4日が初めてでした。
松本剛吉(1862~1929)はやはり明治から昭和の初めにかけて活躍した政治家で、衆議院議員、貴族院議員を務めていました。ここの8畳と6畳の部屋を利用して、北條先生をめぐる人たちの書画展を開けないかなと思っております。
ここはまた庭がきれいで、秋になると紅葉が色づいて、息をのむような風景を眺めることができるのではないかと期待しています。また、別棟で「雨香亭(うこうてい)」という茶室があって、これがまた素敵なんです。
玄関を入るとまず斜め模様に竹をあしらった床が目を引きます。玄関左側の部屋は濡れ縁のある珍しい造りの茶室です。右側には庭に向けて大きく窓というか扉を開け放った茶室があって、今は緑が美しいですが、秋には紅葉が色づいて、ここから眺める風景が一幅の絵になることでしょう。ここで抹茶をいただけたら最高だな…と想像は広がるばかりでした。
また、詳しいことがわかりましたら、順次、紹介していきます。無事、開催の運びとなりましたら、皆々様にはぜひ足をお運びいただければと存じまする。
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