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看護の統合と実践[1]
看護管理 第11版

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  • 医療チーム・組織の一員として活動する看護職に必須となる「マネジメント」のエッセンスをまとめた1 冊です。
  • 個々の看護職が患者に提供する「看護ケアのマネジメント」と、看護組織が患者に提供する「看護サービスのマネジメント」を柱として、そのために必要となるマネジメントの基礎知識や関連する法・制度についてわかりやすくまとめました。
  • 全章を通じて、新人看護職として初めて患者に接する段階から、看護専門職としての専門性を高め、あるいは看護管理者として組織をまとめていく段階まで、看護学生がみずからの将来の姿をイメージしながら学習できるように構成しています。
  • 「病院機能評価」「重症度、医療・看護必要度」「多重課題」「心理的安全性」など、看護管理領域で近年話題になっている制度や概念も盛り込まれています。
  • 「系統看護学講座/系看」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ 系統看護学講座-専門分野
執筆 上泉 和子 / 小山 秀夫 / 筧 淳夫 / 鄭 佳紅
発行 2024年01月判型:B5頁:224
ISBN 978-4-260-05304-4
定価 2,750円 (本体2,500円+税)

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    2024.10.04

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    2024.01.25

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はしがき

 看護管理学は,看護サービスを提供するしくみについて考え,どうすればよりよい看護を提供できるかを追求する学問である。看護は「人」が提供するものであり,そのため,看護管理について考えるときは,病院や看護部などの組織について考えるだけでなく,組織を構成する看護職個人について考え,さらに社会との関係においてどのように医療・看護に関する課題を解決していくかも重要となる。
 看護管理というと,病院の看護師長など,看護管理者になる人が学ぶものと理解されていることが多かった。しかし本書では,看護管理を広く「マネジメント」としてとらえ,看護管理者だけでなく,看護実践者にも必要な知識と技術として解説している。各章の内容は,患者──看護師間で提供されるケアのマネジメント,看護職自身のマネジメント,組織の一員として活動する際に必要な看護サービスのマネジメントなどで構成した。
 かつて看護基礎教育課程には看護管理に関する内容は含まれていなかったが,2008年の「看護師等養成所の運営に関する指導要領」において,「チーム医療および他職種との協働のなかで,看護師としてのメンバーシップおよびリーダーシップを理解する内容とする」ことおよび「看護をマネジメントできる基礎的能力を養う内容とする」ことが留意点として示された。そして,看護師国家試験問題出題基準(平成26年版)において,保健医療制度の基本や保健師助産師看護師法,医療安全対策や療養環境などの患者の安全・安楽をまもる技術については必修問題の項目にあげられた。さらに,看護師国家試験問題出題基準(平成30年版)では,「看護の統合と実践」の拡充により,看護マネジメントの概念や人材育成・活用などが明記された。これは,その後の看護師国家試験問題出題基準にも引き継がれている。看護を学ぶ多くの学生諸君が,本書を通して視野を拡大し,知識を深めていくことを望む。
 日進月歩の医療においては,提供するサービスの質を保証し,向上させていくことが強く求められている。看護ケアにおいても,質の向上は重要関心事となっており,これに応えていくためには,第一線で患者に看護を提供する看護職の研鑽が必須となる。また,看護管理者にはケアを提供する看護職が最大限に活動可能となるよう,環境を整えていくことが求められている。そのようなケアの向上に本書が少しでも役だつことを願っている。

●改訂の趣旨
 現在世界規模でおこっている変化により,わが国の社会や医療,そして看護は迅速な変革と対応を求められている。本書では,こうした社会の動向や看護への影響をふまえ,以下のように構成や内容の改訂を行った。
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは,感染管理や医療体制のあり方に大きな変化をもたらした。そこで,院内感染対策について,病院建築の観点からの感染対策,ゾーニング,感染制御チームなどの内容を加えた。
 少子高齢社会の現実は,保健医療従事者の働き方にも早急の対応を求めている。これについては,看護職個人のキャリアディベロップメント,専門職としての健康管理,タスクシフト・タスクシェア,職場におけるハラスメントなどの内容を充実させた。
 また,看護学生が卒業後に病院などの大きな組織で働くにあたって,まず理解しなければならないのが,看護提供システムである。さまざまな看護提供システムが存在する現状をふまえつつ,今改訂では看護ケア提供システムについて図を加え,記述の追加や見直しを行い,よりわかりやすくした。
 本書はこれからもブラッシュアップを心がけ,時代にあったテキストとして改訂していく所存である。現代はつねに新しい情報にふれることが求められる一方,あふれんばかりの情報のなかで,それぞれが取捨選択をしなければならない時代である。テキストにとどまらず,情報を入手する必要性も理解していただきながら,本書を活用していただければ幸いである。

 2023年11月
 著者ら

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第1章 看護におけるマネジメント
  はじめに
 A 看護管理学とは
  1 看護管理の定義
  2 看護管理学の概念構成
  3 看護管理学の基本的要素
    1 看護ケアのマネジメント
    2 看護サービスのマネジメント
  4 看護のマネジメントが行われる場
 B 看護とマネジメント
  1 マネジメントの考え方の変遷
    1 古典的組織論
    2 人間関係論
    3 近代組織論
    4 システム論
  2 看護におけるマネジメントの考え方の変遷
    1 ナイチンゲールのpetty management
    2 看病婦長服務心得書
    3 GHQの指導
    4 経営の考え方の導入
  3 これからの看護職に求められるマネジメント

第2章 看護ケアのマネジメント
 A 看護ケアのマネジメントと看護職の機能
  1 看護ケアのマネジメントのプロセス
  2 看護ケアの提供者としての機能
  3 提供されるケアをマネジメントする者としての機能
 B 患者の権利の尊重
  1 患者の権利
  2 インフォームドコンセント
  3 意思決定の支援
 C 安全管理
  1 安全管理のしくみ
    1 安全管理のプロセス
    2 安全管理のシステム
    3 安全文化
    4 医療安全管理者
  2 医療事故対策
    1 医療事故
    2 事前の対処
    3 発生後の対処
    4 事故の報告と事故防止への活用
    5 対象者の安全確保
  3 院内感染対策
    1 基準・マニュアルの遵守
    2 院内感染の予防
  4 災害の予防と対応
    1 火災対策
    2 地震対策
 D チーム医療
  1 チーム医療とは
  2 チーム医療に必要な機能
    1 連携・協働
    2 コミュニケーション
  3 看護職の責任と役割
  4 多職種との連携・協働
    1 医師・歯科医師との連携・協働
    2 医療関連職種との連携
    3 その他のさまざまな関連職種との連携
    4 地域の職種との連携
 E 看護業務の実践(日常業務のマネジメント)
  1 看護業務
  2 看護基準と看護手順
    1 看護基準
    2 看護手順
  3 クリティカルパス
  4 情報の活用
    1 情報の記録・保管・蓄積
    2 記録の役割
    3 情報の伝達・共有・活用
    4 診療記録等
    5 看護記録
    6 医療情報システムを用いた記録
    7 医療・看護情報の標準化
  5 日常業務のマネジメント
    1 1日の業務の組み立て方
    2 優先順位の決定と多重課題への対応
  6 EBN/EBM/EBP・研究成果の活用

第3章 看護職としてのセルフマネジメント
 A 看護職のキャリア形成
  1 キャリアディベロップメント
  2 看護職の技能修得レベル
  3 新人看護職員の臨床実践能力の向上
  4 キャリアラダー
 B 看護専門職としての成長
  1 社会化
  2 タイムマネジメント
 C 健康管理
 D ストレスマネジメント
  1 ストレス
  2 個人のストレスマネジメント

第4章 看護サービスのマネジメント
 A 組織としての看護サービスのマネジメント
  1 サービスとは
  2 看護サービスのマネジメントの対象と範囲
 B 組織としての目的達成のマネジメント
  1 理念の形成と浸透
  2 現状分析・情報収集
  3 看護の組織化
    1 組織化
    2 看護部門の組織
    3 組織の職位と職務規程
    4 その他の組織構造(委員会など)
 C 看護サービス提供のしくみづくり
  1 看護単位の機能と特徴
    1 看護単位
    2 各看護単位の機能と特徴
  2 看護サービスの提供方式
    1 看護ケア提供システム
    2 看護ケア提供システムの変遷
 D 人材(ヒト)のマネジメント
  1 組織の人材育成
    1 新人教育・研修
    2 さまざまな現任教育・研修
  2 人材フローのマネジメント
    1 インフロー
    2 内部フロー
    3 アウトフロー
    4 人材フローとそのシステムの運用にかかわる要件
  3 労働環境
    1 労働時間
    2 勤務体制
    3 雇用形態
    4 職員(看護職)の労働安全衛生
    5 賃金(報酬)
    6 育児休業・介護休業など
    7 労使関係
 E ケアを提供する環境のマネジメント
  1 医療施設の施設・設備環境
  2 療養環境の整備
    1 安全性の確保
    2 快適性の確保
  3 作業環境の整備
    1 機能性の確保
    2 安全性の確保
 F 物品(モノ)のマネジメント
  1 物的資源管理(物品管理)の原則
  2 物品供給システム
  3 医薬品の取り扱いと管理
  4 医療機器等の管理
  5 廃棄物の取り扱いと管理
 G 財的資源(カネ)のマネジメント
  1 医療機関の収益
  2 医療・看護サービスにかかる費用
  3 病院経営の指標
    1 収益性を示す指標
    2 機能性を示す指標
    3 経営の安全性を示す指標
 H 業務量のマネジメント
 I 情報のマネジメント
  1 情報の種類
  2 情報の管理
  3 守秘義務
  4 プライバシーと個人情報の保護
  5 情報開示への対応
 J 組織におけるリスクマネジメント
  1 法的リスクのマネジメント
  2 事業継続計画(BCP)
    1 災害への備え
    2 災害サイクルからみた災害医療
    3 災害時の対応
 K サービスの評価
  1 医療におけるサービスの質の評価
  2 わが国における医療機能の評価
    1 病院機能評価
    2 その他の第三者評価

第5章 マネジメントに必要な知識と技術
 A マネジメントの基礎知識
    1 マネジメントプロセス
    2 マネジメントサイクル
 B 組織とマネジメント
  1 組織構造と組織原則
    1 組織構造
    2 組織構造の基本となる原則
  2 組織マネジメントの基本
 C リーダーシップとマネジメント
  1 リーダーシップの定義
  2 特性理論
  3 行動理論
  4 コンティンジェンシー理論
  5 コンセプト理論
 D 組織の調整
  1 集団
    1 公式集団と非公式集団
    2 集団過程
    3 集団規範
    4 集団力学
  2 組織文化
  3 コミュニケーション
  4 動機づけ
    1 マズローの欲求五段階説
    2 ハーズバーグの二要因説
    3 マクレガーのX仮説・Y仮説
  5 パワーとエンパワメント
    1 パワー
    2 エンパワメント
  6 コンフリクト
  7 変化と変革
    1 変化・変革のプロセス
    2 変化・変革の戦略
    3 変化・変革の取り組みに向けて

第6章 看護を取り巻く諸制度
 A 看護職
  1 看護職の定義
  2 看護職と専門職性
  3 看護職と法・制度
    1 保健師助産師看護師法と関係法令
    2 看護師等の人材確保の促進に関する法律と関係法令
  4 看護職の職業倫理と法的責任
  5 看護職の教育制度
    1 看護基礎教育課程
    2 継続教育
  6 より専門性の高い看護職の養成および認定制度
    1 高度実践看護師
    2 認定看護師・認定看護管理者
    3 特定行為研修制度
  7 就業場所別就業者数
 B 医療制度
  1 医療法
  2 医療保険・介護保険に関する法制度
    1 医療保険制度
    2 医療費支払いシステム
    3 医療保険・介護保険に関する法律
    4 診療報酬
  3 その他の関係法規
 C 看護制度と政策
  1 看護制度に関する検討
  2 看護行政の組織
  3 政策過程

保健医療福祉関連職種一覧
図表等一覧
索引

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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