柿の渋抜きというと、柿のへたを焼酎(またはホワイトリカー)に浸して、袋に詰めて……と言うような作業が必要です。この焼酎に浸す作業が地味にめんどくさい。
しかし、ネオヘースタンでそんな単調でつらい作業ともさよならです!
我が家には実家の柿をとる年中行事が存在します。しかし、この柿は渋柿なので、食べるには渋抜きが必要です。これまでは焼酎に浸して渋抜きをしていたのですが、近年は「ネオヘースタン」という謎の白い物質で渋抜きをしています。
使い方はとても簡単。ポリ袋に渋柿と一緒にネオヘースタン(柿5kgあたり1本の割合)を入れ、一週間から10日くらい密封するだけです。これだけで渋が抜けます。
ネオヘースタンとはなんなのか
この謎の白い物質「ネオヘースタン」の正体は「固形エチルアルコール」らしいです。どうやって固形にしてるのか分かりませんが、旅館なんかで使われる固形燃料みたいなもんでしょうか。
価格は4本入りで200円くらい。「脱渋剤」という名前で出てることもあります。薬局でしか見たことがないのですが、ネットを見ると、スーパーやホームセンターで売られてたと書いてるとこもありました。
固形エチルアルコール(エタノール)ということなので、渋が抜ける原理は焼酎と同じっぽいです。焼酎と違ってひとつひとつ柿を浸ける作業がないのはとてもラク。また、渋抜き後の柿が柔らかくなりにくいのも良いです。
柿の渋が抜ける仕組み
ついでに柿の渋が抜ける原理など。
柿の渋の原因は柿に含まれる「可溶性タンニン」です。渋抜き作業ではこの可溶性タンニンをアセトアルデヒドと反応させることで渋みを感じない「不溶性タンニン」に変化させています。
アセトアルデヒドを生じさせる方法としては、以下のような方法があります。
- アルコールに漬ける
エタノールに浸けることで実の中にアセトアルデヒドを生じさせている。人間がアルコール代謝の過程でエタノールをアセトアルデヒドにするようなもの。たぶん。つまり、柿を酔わせることでアセトアルデヒドを生じさせている。たぶん。 - 窒息させる
二酸化炭素を充満させたり、お湯に浸けたりするのはこの方法。解糖系で生じたピルビン酸が、嫌気条件下では、アルコール発酵によりアセトアルデヒドとなることを利用している、らしい。代謝経路なんて、もうグルコースとATPという名前以外全く覚えていない。
柿レシピ求む
柿の渋抜きよりも重大な問題。それは、この大量の柿をどう消費するのか? ということです…… 毎年この時期はどこのご家庭でも売るほどの量の柿を持て余すものなので、誰か、この柿を大量消費出来るレシピ、たのむ。