「詩は読者のもの」 谷川俊太郎さん公認カフェ店主が語る、亡き詩人の思い出＜デジタル発＞
11月に亡くなった詩人谷川俊太郎さん公認の私設記念館「俊カフェ」（札幌市中央区南3西7）には、谷川さんの詩集など800点を超す関連書籍や額装された詩、関連グッズが並び、国民に広く愛された詩人の世界にひたることができます。生きていれば谷川さん93回目の誕生日の12月15日、店主の古川奈央さんが、谷川さんの詩を朗読し、訪れた道内の詩人やファン約20人が、静かに思いをはせました。
古川奈央さん(中央)が語る谷川俊太郎さんの話に耳を傾ける「俊カフェ」の客=12月15日（斉藤高広撮影）
師走の日曜午後、窓から雪がしんしんと降り続く様子が見える「俊カフェ」店内。谷川さんとの交流の日々や人柄を振り返る古川さんの声が静かに響きます。古川さんの話の一部を紹介します。
雪模様の中行われた谷川俊太郎さんの誕生日イベント（斉藤高広撮影）
ありし日の谷川俊太郎さん＝２０１８年、東京都内（守屋裕之撮影）
たにかわ・しゅんたろう 1931年、現在の東京都杉並区生まれ。現在の都立豊多摩高の同級生だった北川幸比古の誘いで1948年から詩作の発表を始め、1950年、哲学者の父・徹三の知人・三好達治の紹介により「文学界」に「ネロ他五編」が発表され、1952年、20歳の時に最初の詩集「二十億光年の孤独」を刊行。以来、数千ともいわれる詩を発表し、道内関連では、1964年に札幌開成高（現市立札幌開成中等教育学校）の校歌、1988年には六花亭の社歌をそれぞれ作詞。1991年には北星学園大の開学30周年を機に、谷川さんの作詞、長男賢作さん作曲で学歌が制定された。2024年11月13日、老衰のため東京都内の病院で死去した。
■フットワーク軽くイベント会場へ
今、尾崎真理子さん（文芸評論家）が俊太郎さんを取材した「詩人なんて呼ばれて」という本の文庫を読んでますが、知っているつもりで知らないことがまだまだいっぱいあることが分かり、俊太郎さんと出会い直しているところです。
谷川俊太郎さんと12年にわたり交流を続けてきた「俊カフェ」店主の古川奈央さん（斉藤高広撮影）
ふるかわ・なお 1969年、札幌生まれ。札幌の雑誌編集者をしていた1999年、谷川俊太郎さんの長男・賢作さんがリーダーを務める現代詩を歌うバンド「DiVa」を取材し、詩を音楽で味わう喜びを知る。2012年、母校・札幌開成高（当時）の50周年記念式典で、俊太郎さんと知り合う。2015年、札幌のギャラリーで本やグッズなどを集めた「とても個人的な谷川俊太郎展」を開催。2017年5月、「俊カフェ」を開業。
俊太郎さんは長いこと、詩人・覚（かく）和歌子さんと、（交互に詩を書き一つの作品をつくる）対詩をやってきました。東京・代官山のイベント会場で不定期で開催していた対詩ライブを一冊にまとめたのが「対詩 2馬力」。俊太郎さんは面白いと思ったところにはどこでもお一人で、電車や車で出かけていました。
この後は、詩の解釈についての谷川さんの言葉などを紹介しています
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