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すすきの交差点を走る、雪ミク電車(小松巧撮影)
札幌発のバーチャルシンガー「初音(はつね)ミク」の派生キャラクターで、北海道を応援する「雪ミク」が根強い人気を保っている。2010年の「さっぽろ雪まつり」で、同社が「初音ミク」の雪像を作ったのをきっかけに誕生。雪ミクを札幌市の路面電車(市電)の車体にデザインした雪ミク電車は札幌の冬の風物詩にもなった。9月には札幌市の観光大使に就任し、活躍の場をますます広げている。
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2025年の雪ミク。テーマは「キラキラスノーマテリアル」(©CFM)
初音ミク 北海道大学発のベンチャーで、札幌のIT企業「クリプトン・フューチャー・メディア」が2007年発売した音声ボーカルソフトのバーチャルシンガー。ソフトを使って歌を作り、初音ミクに歌ってもらう。歌手を育てる感覚を楽しめる。キャラクターとしても世界中から人気を集める。
■1年ごとにリニューアル
「この電車は外回りを循環します。次は中央図書館前です」。雪ミク仕様にラッピングされた電車は、通常車両のアナウンス音声に替えて、初音ミクを担当する声優の藤田咲さんの声が車内に流れる。
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札幌駅前通を走る雪ミク電車(小松巧撮影)
車内広告には、雪ミクのイラストやポスターなどを展示、藤田さんらのサインも掲げられている。2011年2月に運行を開始し、今冬は14回目となった。水色や白でデザインされた車体が、雪景色となった道都の街並みによく映える。
市電は札幌市中央区の市街地を循環し、1周におよそ1時間かかる。雪ミク電車は毎年の運行を楽しみにする愛好家も多いため、電停ごとの発着時刻がホームページ(https://www.stsp.or.jp/event/yukimiku2025/)に掲載されている。
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初代「雪ミク電車」=2011年2月
電停「西4丁目」「狸小路」などの市街地では写真撮影するファンが多く、雪ミクが描かれた「記念乗車券」も人気だ。電停「行啓通」がある札幌市行啓通商店街振興組合の藤井礼子理事長(68)は「雪ミク電車を見かけるとほっこりする」と言い、地域でも親しまれる。
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2011年の雪ミク。「北海道を応援するキャラクター」として定番化した。(©CFM)
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