「ザ・キングトーンズ」内田正人さん、死去
「グッド・ナイト・ベイビー」などのヒット曲で知られる4人組コーラスグループ「ザ・キングトーンズ」のリーダーで、リードテナー担当の内田正人さんが15日に亡くなったことが17日、スポーツ報知の取材で分かった。享年82。通夜・告別式は後日執り行う。
“不滅のスカイテナー”と称賛された、昭和を代表するボーカリストが天国へと旅立った。内田さんは2004年に脳梗塞で倒れたが、1年間のリハビリを経て、05年のフジロックフェスティバルでステージに復帰。07年まで同フェスに3年連続で出演した。関係者によるとその後、再び体調を崩し、約10年前から病気療養中だった。昨年末までは大好きなステーキもたいらげていたが、今年に入ってから体調が良くなかったという。
内田さんは日大在学中にラジオのコンテスト番組に出場したのを機に60年、アマチュアコンテストを通じて知り合った友人とザ・キングトーンズを結成。内田さんを中心に米軍キャンプでのライブで実力をつけた。68年に「グッド―」でデビューすると、同曲が大ヒットし69年の第20回NHK紅白歌合戦に初出場した。
アメリカで流行していたドゥーワップスタイルを取り入れた先駆者で、80年には米ニューヨークで開催された「ロイヤル ドゥーワップショー」に日本人グループとして初めて出場。高い評価を得た。
「R&Bの大御所」として、ミュージシャンからも尊敬され、大瀧詠一さんや山下達郎(66)らが楽曲を提供。ラッツ&スター、ゴスペラーズらにも大きな影響を与えた。98年には内田さんがサントリー「ザ・カクテルバー」のCMに単独で出演し、話題を呼んだ。
何度かメンバーチェンジがあったが内田さんは07年までステージに立ち、以降も別メンバーが活動を続けていた。
◆内田 正人(うちだ・まさと)1936年10月29日、横浜市生まれ。日大高から日大法学部に進学。58年に音楽活動をスタートし、60年に石井迪、加生スミオ、成田邦彦とザ・キングトーンズを結成。愛称はジュン。内田ジュン、十戒仁のペンネームで作詞・作曲も手掛けた。