iOS 18.2 がきました!やっと「Apple Intelligence」が使えるぞ!
Apple(アップル)は、ChatGPTとSiriの統合等が大注目のiOS 18.2をリリースしました。今日から対応しているiPhoneで利用できます。
「Apple Intelligence」はiPhone 15 Pro以上(iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Max、iPhone 16、iPhone 16 Plus、iPhone 16 Pro、iPhone 16 Pro Max)で、言語を英語に設定することで利用できます(ちなみに、A17 ProまたはM1以降を搭載したiPad、M1以降を搭載したMacでも利用できます)。
iOS 18.1でも地味に使えてはいた
前バージョンのiOS 18.1でも、実はすでにいくつかのAI機能が利用できていました。
たとえば、作文ツール。ほとんどすべての文章を書く場面で、書き直しや校正、要約ができるようになっていました。
メールやメッセージを要約してくれるようにもなっていました。友だちから大量のテキストメッセージが来た場合に、1つの簡潔な通知にまとめてくれるんです(この機能で、深刻な別れ話を無神経に要約してAppleがディスられりしましたが)。
さらに「集中モード」もすでにあります。このモードでは通知をミュートできますが、子どもからのメッセージなど重要な通知をAIが判断して通知を表示することができます。またユーザーは写真アプリでは、不要なオブジェクトを削除できるようになりました。
iOS 18.2ではGenmoji、SiriのChatGPTの統合も使えるように
iOS 18.2では、Genmojiという新機能も使えるようになりました。説明文を書いて、カスタム絵文字を作成することができます。ベータ版ユーザーはそれを「アニメっぽくて薄っぺらい」と評価してましたけど。
そして大注目のSiriのChatGPT統合機能は、ユーザーがSiriに複雑な質問をしたときに発動します。これは、Siriが回答に苦手な種類の質問に対応するためです。SiriがChatGPTに質問への回答をパスする場合、まずSiriはユーザーに許可を求めます。Siriを通じたChatGPTの利用は無料ですが、ChatGPTの全機能にアクセスしたい場合は、iOSを通じてChatGPT PlusかProの有料プランに加入する必要があったりします。
ちなみにAppleとOpenAIの間で、お金をどう流しているかについては明言していません。もし、iOSを通じてChatGPTのプレミアムプランに加入したら、Appleは30%の手数料を得ることになりますが、これはAppleにとっても有利な条件ですね。
Appleの巨大なエコステムに生成AIがやってきた
ChatGPTや他のモデルを使ったことがある人なら誰でも、AIがしばしばまちがった回答を生成するのは当たり前、鵜呑みにしていけないことはわかっているわけですが、Appleがこのような不完全な技術を大々的にリリースするのはAppleらしくないとも感じます。OpenAIがモデルを頻繁に調整するので、ChatGPTの生成結果はコロコロ変わります(ユーザーからするとChatGPTの質が落ちたと思うこともよくある)。Appleではそれをコントロールできないからです。
iPhoneの寿命が延び、価格も上がり、買い替えサイクルが年々長くなる中、Appleは新しいサービスを強力に打ち出してデバイスを売っていく必要があります。その目的は、世界中の10億人を超えるiPhoneユーザーに、これらの新機能を使いたいと思わせることです。Appleは独自のAIを開発していて、将来的にはよりそのAIで直接コントロールしたいと思っているでしょう。
興味深いことのひとつとして、Appleのエコステムの中には、20億以上のアクティブなデバイスがあるので新しい人工知能のプロダクトを一般のユーザーに届ける最短の機会かもしれません。
現在、AI系サービスの中でももっとも有名なChatGPTのアクティブユーザー数3億人という数字は驚異的とはいえ、Apple Intelligenceがリーチ可能な規模と比べると小規模です。多くの「一般ユーザー」はまだまだAIチャットボットを利用していません。Appleの動き次第でその状況は激変する可能性があると同時に、多くの一般ユーザーがiPhoneから手軽に得られる不正確な生成AI情報に依存してしまうとしたら、かなり危ういことにもなりかねません。
最近のAppleのビジョンがわからない
ChatGPTを除いても、Appleの他のAI統合機能には明確な実用性があります。
他の競合、たとえばGoogleは、ユーザーのためにウェブをナビゲートするなどのタスクを実行してくれる「エージェント」を導入していて、これは間違えやすい生成AIのチャットボットよりも大きな可能性を秘めているかもしれません。
最近のAppleは、明確なビジョンを持っていないように見えます。
現状、Vision Proの成功は今のところ不明、車のプロジェクトも頓挫し、AIブームの波になんとかついて行っている、という感じ。今回の試みが同社にとって良い結果をもたらすことを期待したいところです。