AIが話題のいま見るべき。
この秋公開される映画の中で、目玉とされているのが『ザ・クリエイター/創造者』。
進化したAIが人間を滅ぼすために核爆発を起こした……なんて、『ターミネーター』を彷彿させる物語ですが、果たして面白いのでしょうか? そして、独創的な内容なのでしょうか?
ちょっと小難しいイメージが漂う本作の魅力や理解が深まる背景を紹介していきますね。
AIは賢くなりすぎると反乱を起こすのか
人間の生活を便利にするために作られたAI。しかし、人間に反旗を翻してロサンゼルスで核爆発を引き起こします。
それ以来、アメリカはAIを滅ぼすために躍起になっており、AIはその攻撃から逃れるために、さまざまなアジア文化が融合した「ニューアジア」に移動。現地の人たちと調和を保ちながら生活していました。
元特殊部隊員のジョシュア(演:ジョン・デヴィッド・ワシントン)は、人類を滅ぼす兵器を生み出した創造者=クリエイターの暗殺を命じられてニューアジアに潜入します。しかし、そこで見つけたのは少女の姿をした超進化型AIでした。
あどけない少女の姿に、指名を受けた隊員としての責任感と倫理観が揺れるジョシュア。果たして彼は人類の存続のために、少女型AIを破壊することができるのか……というのがざっくりとしたあらすじです。
ここで大きな疑問が発生します。AIが人間に攻撃を加える理由は? 意思を持つと自由になることを望むから? 賢くなりすぎると、人間がくだらない生き物だと思えてくるから?
今現在、生成AIに仕事を奪われるかどうか、と悩んでいる私たちにとっても気になる部分だと思います。
この部分は物語が進む中で語られるので、ネタバレは避けますね。
AIたちはなぜアジア人とは仲良くできた?
『ザ・クリエイター/創造者』は、「アメリカ vs アジア人+AI」みたいな図式にもとらえられます。アメリカはロサンゼルスに核爆発を起こしたAIを絶対に許せないし、徹底的に排除したいんですよね。だから、そのための兵器を作り、まるで神が鉄槌を下すように、空から攻撃します(かなりエゲツない)。
ところが、ニューアジアでは、現地の人たちとAIたちがお互いの長所を認め合い、支え合って暮らしていきます。これってどういうこと?
多分、アメリカは、AIのことを「自分たちが自分たちの便利のために作ったロボットの癖に生意気な」という視点でみていたのだと思います。一方のニューアジアは、多文化を積極的に受け入れる土壌があるみたい。
ニューアジアを、カンボジアやタイ、ベトナム、マレーシアなどに当てはめて考えるとわかりやすいかも。新興国は、経済政策のために他国の技術などに敏感でかなりオープンなんです。リアルな各国の状況を当てはめて考えるなら、ニューアジアは経済や技術発展のためにAIの持つ高度な技術を積極的に受け入れているから協力して仲良く生活できている、と捉えられるでしょう。
さて、映画の結末は? 多分、ここが1番衝撃かもしれません。私はジョシュアと同じ行動を取ると思います。鑑賞後は、ご自分に問いかけてみてほしいです。「自分ならどうする? 」って。
『ザ・クリエイター/創造者』は10月20日(金)から全国公開。
Source: 『ザ・クリエイター/創造者』