秋の恒例イベントといえば新世代iPhoneのリリース。
今年はコロナ禍という特殊な状況もあって、例年以上に雑多なリーク情報が錯綜していましたが、先日日本時間の10月14日午前2時開始のイベントで新iPhoneのリリースとそのスペックが正式発表されました。
リーク情報サイトの予想が当たっていた部分だけでなく、予想を超えてきた部分もあり、SNSなどでも物議を醸していました。
ここでは、公式発表されたiPhone12最新情報をまとめておきます。読んだらしっかり熟考を。これ大事。
2020年発売が決定したモデル
・iPhone 12
・iPhone 12 mini
・iPhone 12 Pro
・iPhone 12 Pro Max
発表されたのは上記4モデル。ベーシックラインのiPhone12とiPhone 12 mini。そしてよりハイレベルな撮影機能を追求したい人のためのiPhone12 ProとiPhone 12 Pro Maxという感じです。
予約日/発売日
・iPhone12、iPhone 12 Pro:10月16日予約開始、10月23日発売
・iPhone 12 mini、iPhone 12 Pro Max:11月6日予約開始、11月13日発売
コロナの影響でサプライチェーンがフル稼働していないこともあり、今回の新製品は出荷が遅れるのではないかという情報もありましたが、iPhone 12とiPhone 12 Proは10月中にお目見えします。
iPhone 12 miniとiPhone 12 Pro Maxは11月前半ですが、それでもかなり頑張ったといえるのではないでしょうか。
価格/ストレージ
iPhone 12 mini | iPhone 12 | iPhone 12 Pro | iPhone 12 Pro Max | |
64GB | 74,800円 | 85,800円 | ||
128GB | 79,800円 | 90,800円 | 106,800円 | 117,800円 |
256GB | 90,800円 | 101,800円 | 117,800円 | 128,800円 |
516GB | 139,800円 | 150,800円 |
端末サイズ
5.4インチ | 6.1インチ | 6.7インチ |
iPhone 12 mini | iPhone 12 | |
iPhone 12 Pro | iPhone 12 Pro Max |
端末サイズは最も小さいiPhone 12 miniが5.4インチ。iPhone 12とiPhone 12 Proが6.1インチ、iPhone 12 Pro Maxが6.7インチという3サイズ展開です。
miniは、旧iPhoneSEなどと同サイズで片手操作もいける感じ。最大の Pro Maxは6.7インチとかなり思い切ったビッグサイズですね。
デザイン&色
・フレームデザイン:エッジが立ったフラットデザイン
・アルミニウム(iPhone 12シリーズ)とステンレスモデル(iPhone 12 Proシリーズ)
・iPhone 12シリーズ…ブラック/ホワイト/レッド/ブルー/グリーン
・iPhone 12 Proシリーズ…ゴールド/シルバー/グラファイト/パシフィックブルー
・Lightning
フレームデザインはエッジが立ったフラットデザインが復活し、iPad Proのような角張ったフレームになっています。ベゼルが細めになっており、大画面を採用した割には威圧感がないのも特徴。
ボディの素材はiPhone 12シリーズがアルミニウムで、iPhone 12 Proシリーズがステンレスを採用。使われているステンレスはサージカル(医療用品にも使われる高純度な鉄素材)で、表面にはPVD加工が施されており高級感を漂わせています。特にPVD加工はヤバイですね。iPhone 11でも使われていましたが、ちょっと高級な時計のようなテクスチャーが味わえてイイ感じです。
カラーリングはiPhone12シリーズが5色、iPhone 12 Proシリーズが4色展開。特にiPhone 12シリーズはポップなカラバリもあって選びがいがあります。新色のブルー系は人気を集めそうですね。
そして、引き続きUSB-Cになることはなく、Lightning端子、継続です…。
カメラ
・iPhone 12 mini/iPhone 12…デュアルカメラ
・iPhone 12 Pro/iPhone 12 Pro Max…トリプルカメラ+LiDARスキャナ
・Proシリーズのカメラセンサーは47%大きくなり暗部での撮影がイージーに
カメラはiPhone 12 mini/iPhone 12ではデュアルカメラ。上位モデルのiPhone 12 Pro/iPhone 12 Pro Maxがトリプルカメラ+LiDARスキャナが採用されました。LiDARスキャナは暗部撮影時のピント合わせもスムーズにサポートしてくれそうです。レンズは現行のiPhone 11シリーズと同じく、「超広角+広角」と「超広角+広角+望遠」という構成。
iPhone 12 Proシリーズはカメラスペックが大きく向上していて、iPhone 12 Proの52mm、iPhone 12 Pro Maxの65mm望遠レンズは遠距離の被写体もしっかりキャプチャーしてくれます。しかもiPhone 12 Pro Maxにはデジタル一眼レフばりのセンサーシフト機能が搭載されて、手ブレの不安もシャットアウト。最大2秒の露光撮影も可能なので、表現の幅はグッと広がりそうです。プロと同様にRAWデータ(Apple ProRAW)での撮影も可能になり、これに関しては年内にアップデートされるそうです。シャープネスやホワイトバランスの調整など、プロカメラマンのような画像処理がiPhone内部で完結しそうで、写真にこだわりのある人はこれだけで入手不可避なのではないでしょうか?
さらにiPhone 12 Proシリーズはビデオ機能も充実していて、ドルビービジョンによる本格的なHDR撮影が可能。プロモーション映像では、ドローンに新iPhoneを積んで空撮している映像も流れてましたが、本格的な映画撮影でも使えそうなクオリティです。この辺が「Pro」たる所以ですね。
ディスプレイ
・全モデル有機EL
ディスプレイはiPhone 11 Proと同様の有機ELを全モデルで採用しました。噂されていた120Hzモードは見送られたようです。
液晶部分はセラミックシールドと呼ばれる素材でガードされていますが、これは従来の4倍の強度があるそうです。よくiPhoneを落としちゃう人にはありがたいポイントかも。
プロセッサ・メモリ・バッテリー
・SoC…Apple A14
プロセッサは例年と同様に数字がひとつ上がって、Apple A14に進化しました。CPU/GPUは従来比50%の処理能力アップということで、5Gのスピードをフルに活かせる仕様になっています。年内にはPCでも人気のあった「リーグ・オブ・レジェンド」がAppで遊べるようになるとのことですが、デモ映像ではあのクソ重い「リーグ・オブ・レジェンド」がサクサク軽快に動いていたので、マシンパワーはかなり高そうです。
5Gへの対応
・全モデル5G対応
・ミリ波へ対応(ただし日本は未対応)
今回リリースされたiPhone 12シリーズはすべて5Gに対応しました。今回の最大の注目ポイントでしょう。これでiPhoneも新時代突入です。その5Gでも特にデータ転送量に優れた「ミリ波」という周波数帯域は米国版では対応しているものの、日本版は非対応のようです。
プレゼンでは米大手の通信業者ベライゾンの役員も登場し、今後は同社の5Gネットワークを強力に拡大して、主要都市で人が多く集まるスタジアムや空港などで快適な5Gサービスを提供するなど、iPhoneの性能をフルに引き出していくことをアピール。iPhone人気の高い日本でも、大手の通信業者が5Gに積極投資する後押しになるでしょうね。
その他:指紋認証、付属品など
・指紋認証…なし
・イヤホンと充電器…付属なし
・新たなiPhone用充電システム「MagSafe」が発表
指紋センサーが搭載される噂もありましたが、こちらはカットされた模様。コロナ禍でなにかと接触を最小限にしたい昨今、あると良さげな機能だっただけにちょっと残念かも。
さらに今回はかなりエコな観点をアピールしてきていて、iPhoneの充電器やイヤホンはすでに世界中に何億個も供給済みということで、これらの付属品は大幅カットされています。そのおかげで箱もコンパクトになり、運送コストや紙資源の削減にもなるそうです。
その代わりと言ってはなんですが、新たなiPhone用ワイヤレス充電システム「MagSafe」が発表になりました。「MagSafe」という名前の充電デバイスは以前もMacBookで採用されていましたが、今回のはiPhone用に新しく作られたもので、マグネットの中にコイルを収めています。iPhoneの背面にペタッとくっつけて使うのが、ちょっとローテク感あって可愛かったりするかも。MagSafeデバイスはカバーやウォレットなどさまざまな発展性もあるようです。
ちなみに、iPhone 12でも従来のワイヤレス充電Qiが使用可能ですが、その速度は7.5Wに制限されていますので、15Wでの充電が可能な「MagSafe」の方が、ちょうど倍の速度です。
まとめ
・5Gへの対応でiPhoneも次のフェイズに突入
・iPhone 12 Proシリーズのカメラ機能はまじヤバイ
真打iPhoneが5Gに完全対応したってことで、いまひとつ浸透しきれてない感のある日本の5Gも、各キャリアが競って設備投資に勢いがついていくのは間違いありません。通信速度が早くなれば、それだけハイスペックな映像機能や処理速度が求められるわけで、それを過不足なく満たしたiPhone 12シリーズは、いいタイミングでいいスペックを載せたバランスの良い機種といえます。
それとProシリーズのカメラ機能は写真・動画いずれもヤバイです。120°の超広角から最大65mmの望遠まで、このサイズできっちり撮影できるのは驚異的。しかもRAWデータへの対応もできるとあって、センスのいい人ならプロはだしの写真をガンガン撮れちゃうんじゃないでしょうか。ドルビービジョンHDRのビデオもヤバイ。本当にプロとアマチュアの境界線を崩してしまう恐るべきツールだと思います。
そこまでの撮影機能はいらないって人にも、ノーマルなiPhone 12やiPhone 12 miniはかなり魅力的なんじゃないでしょうか。とくにiPhone 12 miniは、ちゃんとこのサイズを残しておいてくれたことに感謝です。速くてコンパクトって大事ですからね。